伊藤整の「幽鬼の街」をテーマにした企画展が、市立小樽文学館と小樽市総合博物館本館・運河館の3館共同で開催されています。
3館共同の企画展『ストーリーマップでめぐる伊藤整の「幽鬼の街」展』は、2024年8月10日(土)〜10月20日(日)の開催ということで、すいません、この投稿の時点で今週末までと、紹介が遅れてもう終了間際なんですよね。
※以下、小樽市HP内「ストーリーマップでめぐる伊藤整の「幽鬼の街」展 | 小樽市」を参照しています。
伊藤整の「幽鬼の街」は、私は読んだことがないのですが、昭和12年に文芸雑誌「文藝」に発表された、小樽の街を舞台とした作品なんですね。
この「幽鬼の街」をもとに制作された武田佑希子さんのストーリマップ作品「『幽鬼の街』小樽を歩く」を中心に、小樽の街を『幽鬼の街』という文学作品や、地図や古写真からたどる展示となっています。
※ストーリーマップとは、地図と文章・画像・動画などを組み合わせることによって、ストーリー性を持った地図を作成することができるESRI社が提供するアプリケーションとのことです。
武田佑希子さんの作品はERISジャパン株式会社が主催する第20回GISコミュニティフォーラムにおいてマップギャラリー2023(ストーリーマップ部門)第1位を獲得したそうです。
※「幽鬼の街」小樽を歩く
では、各館の展示についての様子です(見学にはそれぞれ入館料が必要です)。3館共通タイトルは「ストーリーマップでめぐる伊藤整の「幽鬼の街」展」となっていますが、各館それぞれにもタイトルが付けられています。
文学館「原作と地図で探索する時空の迷宮・小樽」
市立小樽文学館の展示タイトルは「原作と地図で探索する時空の迷宮(ラビリンス)・小樽」です。
以下、小樽市HPからの引用です。
昭和12年に文芸雑誌『文藝』に発表された『幽鬼の街』。
そこに描写されているのは、一見単純な、伊藤整にとっての思い出の小樽のようにも見えますが、実は作中の時間軸は、大正6年(1917)から昭和3年(1928)頃まで、10年余もの幅があります。
また、物語も決して年代順に進んで行くわけではなく、各場面は空間の微妙な歪みをはらみながら時間を行きつ戻りつします。ねじれた時空間の迷宮の中で〈幽鬼〉は随所に出現し、主人公〈伊藤ひとし〉の心を責めさいなみます。
本展では、『幽鬼の街』の草稿や初出雑誌・初版本の展示と同時に、作品内の描写を、ストーリーマップや当時の古写真、そして『幽鬼の街』成立に至るまでの伊藤整の創作活動の軌跡と共にご紹介し、彼の〈内面の小樽〉に迫ります。
〈小説〉という名の時空の裂け目から、あなたの知らないもう一つの小樽に迷い込んでみませんか?
ストーリーマップでめぐる伊藤整の「幽鬼の街」展 | 小樽市
博物館本館「幽鬼の街・小樽とその時代を歩く」
小樽総合博物館本館の展示タイトルは「幽鬼の街・小樽とその時代を歩く」で、展示は本館2階奥の企画展示室で行われています。
「幽鬼の街」に掲載された伊藤整による手書きの地図「小樽市街中央部」と武田佑希子さんのストーリーマップをもとに、小説で描かれた場所を当時の写真や関連する資料とあわせて紹介しています。
※本館企画展 | 小樽市
博物館運河館「小樽の今昔風景」
小樽総合博物館運河館の展示タイトルは「小樽の今昔風景」で、展示は運河館の第一展示室の途中にあるウインドウ内で行われています。
小樽の街を散策すると、小説の舞台となった大正から昭和初期にかけての面影を見つけることができます。展示では各時代の写真を見比べながら小樽の街並みの変遷を紹介しています。
※運河館トピック展 | 小樽市
おわりに
3館スタンプラリーも行われていて、期間中に小樽文学館、小樽市総合博物館本館、運河館の展示を見てスタンプを3つあつめると、展覧会オリジナルメモ帳がもらえるんですね。
私ももらいました。
さらに文学館で本と図録をセットで買って、ポストカードももらっちゃいました。
ということで、伊藤整の「幽鬼の街」をテーマにした、市立小樽文学館と小樽市総合博物館本館・運河館の3館共同企画展が開催されています。
といいつつ掲載が遅れてしまい、8月10日から始まったこの企画展も期間が10月20日(日)までと、この投稿の時点で今週末までですので、気になっていた方はお忘れなく。
※文学館と博物館本館・運河館の見学には入館料が必要です。以下、参照長います。
・市立小樽文学館:ストーリーマップでめぐる伊藤整の「幽鬼の街」展 | 小樽市
・小樽市総合博物館:開館時間・休館日・入館料 | 小樽市
※「幽鬼の街」小樽を歩く
※本学の大学院生2名が携わった展示会「伊藤整の『幽鬼の街』展」が開催中 | ニュース・お知らせ | 北海学園大学
※関連ニュース
・2024年8月11日・20日・9月7日・10月2日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄
・小樽文学館・博物館・運河館で伊藤整の合同企画展(小樽ジャーナル)
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