
色内大通り沿いの運河公園近くに建っていた、旧丸本(まるほん)水産株式会社の建物が解体されていました。
ここに建っていた旧丸本水産の建物は、なかなか歴史のある建物で、このブログでも以前取り上げたことがあるんですよね。
位置的には、隣の建物が小樽市指定歴史的建造物の旧日本郵船(株)小樽支店残荷倉庫で、その隣が重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店になります。
(写真は2020年9月1日撮影)

旧丸本水産の建物について
この建物についてですが、もとは昭和3年(1928年)に日本通運小樽支店として建てられたものだそうです。
こちらが、2017年9月撮影のもとの姿です。

その前は「一寸屋」という料亭があったそうで、裏にあった石蔵は料亭の一部として建てられたものだったそうですが、すでにその石蔵は解体されたようですね。

その後、昭和34年(1959年)に日本通運小樽支店が港町に移転後、建物を購入した丸本水産が、翌昭和35年(1960年)から平成24年(2012年)までの約半世紀の間、社屋兼住宅として使用していたそうです(丸本水産は平成23年に事業停止)。
※なので、この建物は旧日本通運小樽支店ということもできますね。
正面にあった大きな建物(写真で白い覆いがされている部分)が社屋となり、じつはその右横に渡り廊下でつながった住宅部分の建物もあったのですが、見に行った時点でもうすっかり解体されていました。

(ここに住宅部分がありました)

その住宅部分は、丸本水産の後は、cafe RAMAT(カフェ ラマット)、シェアハウス、あんかけ焼そば親衛隊の事務所などにも使用されたそうです。
(旧手宮線の散策路側からの工事の様子)


※旧丸本水産の建物については、月刊フリーペーパー「小樽チャンネルマガジン Vol.22(2017年9月号)」(編集発行:株式会社K2)内の小樽商科大学による「小樽れっけん」コーナーで、丁寧な取材に基づいて、とても詳しく紹介されていので、私も、その内容をそのまま参照させていただいています。
2017年に風で建物の壁が剥がれる
この建物(社屋の方)の近年の状況について、ちょっと書いておきたいのが、もともとクリーム色っぽいタイル貼りの外壁が目に留まる外観で、そのため、以前から気になっていたんです。
(2017年9月撮影)

で、2017年10月30日のことなんですが、小樽ではとても強い風が吹いて、なんとその時に、この建物の壁の一部が剥がれ落ちるという被害があって、このことはテレビのニュースにもなったんですよね。
※関連記事:先日、壁が剥がれ落ちた色内の建物は旧丸本水産株式会社(旧日本通運小樽支店)
その後、建物はシートに覆われていたのですが、その後、私が見に行った時は、もう外壁のタイルは全て剥がされて、内側の板が剥き出しの状態になっていました。
(2018年10月撮影)



(住宅部分は変わらずでした)

(こちらはさらに後の2019年11月撮影)

その後、修復されるのか、どうなるのか、前を通るたびに気になっていたのですが、やはり解体となってしまいましたか。
おわりに
ということで、数年前に風で壁が一部剥がれ落ちるという被害もあった、旧丸本水産株式会社の建物ですが、どうやら解体されてしまったようです(見にいった時は、まだ解体途中でしたが)。
当ブログとしては、ここにこういう建物があったという記録として、書き留めておきました。
※おまけの写真です。
(いずれも2017年9月撮影)


(社屋と住宅部分とをつなぐ渡り廊下)


(旧手宮線の散策路側からの、建物があった頃の様子)


【関連記事】
・先日、壁が剥がれ落ちた色内の建物は旧丸本水産株式会社(旧日本通運小樽支店)
・ニュースより/長期休館中の旧日本郵船(株)小樽支店の保存修理工事が落札。7月にも着工予定
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