歴史的建造物 事務所

2022年10月20日 (木)

旧日本郵船(株)小樽支店の保存修理工事の現場見学会に参加してきました

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国指定重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店は、現在、耐震補強を含めた大規模な保存修理工事を行っていて、2018年11月から長期休館中です。

工事自体は2020年(令和2年)7月から始まり、期間は2024年(令和6年)6月の完工を目指しています。

その旧日本郵船(株)小樽支店の工事の進捗状況などを現地で見ることができるという、現場見学会が小樽市の主催で2022年10月15日(土)に開催されました。参加費は無料です。

この見学会は、事前の申し込みが必要で、応募者多数で抽選となり、実は私、落選したんです。あとで聞いたら、午前と午後の2回の開催で、各回約30人の定員に対して、130人ほどの応募があったそうです。すごいですね。

で、落選ではしょうがないと諦めていたんですが、急遽参加できなくなった方が連絡をくださって、代わりにその方の紹介という形で手配していただき、参加することができたんです。本当に感謝です!!

おかげで興味深く見学させてもらい、とても勉強にもなりました。

で、せっかく貴重な現場見学をさせてもらったので、ここで見学会の様子を紹介したいと思います(※写真撮影、及びブログ掲載OKでした)。

今回の保存修理工事と現在の状況について

重要文化財旧日本郵船(株)小樽支店は、1904年(明治37年)着工、1906年(明治39年)10月に落成した、工部大学校造家学科(現東大工学部)第一期生の佐立七次郎の設計による、石造2階建ての小樽を代表する歴史的建造物です。

1984年(昭和59年)から1987年(昭和62年)にも長期間の保存修理工事が行われているのですが、以来30年以上が経過して、外観・内観ともに老朽化が進んていたため、今回、耐震補強を含めた大規模な保存修理工事を実施しています。

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破損としては、主に軒先の雨漏りによる外壁石材・壁や天井漆喰・壁紙などの破損が進行していたそうです。

現在は、本館の耐震補強工事・小屋組の補修などを終えたほか、屋根板金の葺き替えも大方終了しているとのことで、今後は、主に内部の漆喰天井、漆喰壁、壁紙、建具などの修理を行っていく予定とのことです。

なので、今回は建物内で、それら内部の現状と今後の修理方針などの説明を受けながらの見学となりました。

ちなみに、小樽市HP内にも保存修理工事の進捗状況、及び建物概要について掲載されていて、以下は、そこから工事のお知らせについての引用です。

 重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店は昭和44年3月に国の重要文化財指定を受け、昭和59年から62年に保存修理工事が行われましたが、この工事から30年以上が経過し、外観・内観ともに老朽化しているため、令和2年7月より大規模な保存修理工事を行っています。

 保存修理工事は建物に仮設の素屋根(覆屋)をかけ、本館の耐震補強、外壁の修理、内部漆喰壁の補修、屋根葺替え、小屋組の修理、建具の塗装・調整、壁紙の修理などを行うほか、北側の石塀についても耐震補強、石材補修を予定しています。工事中は建物全体に仮設の覆屋をかけるため、内観、外観ともに非公開となりますが、保存修理工事の進捗状況は今後ホームページにおいて随時報告します。なお、工事完了後の予定については改めてお知らせします。

重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店の保存修理工事について | 小樽市

保存修理工事の現場見学会の様子

では、ここからは実際の見学会の様子をお伝えしていきますね。

まずは、工事現場なので、しっかりとヘルメットをつけて。

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工事中、建物全体に仮設の覆屋(おおいや)がかけられていて、普段は内観、外観ともに非公開になっていて、正面玄関も塞がっているので、今回は建物の横から入っていきました。

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今回の現場見学会は、建物内部の、主にこれから修理を行っていく箇所を見学してきました。

営業室
まずは広い1階の営業室です。
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最初ぱっと見たところ、あまり破損は見受けられなかったのですが、よく見ると壁や天井などに雨漏りの跡があり、その雨漏りは、軒先の板金や雨どいの破損などが要因になっているとのことです(やはり2階の方が破損が目立つ印象でした。2階の様子はまた後で)。

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外壁の石材も破損していたとのことですが、これも主に雨漏りが原因とのことで、屋根からの漏水が石材に浸透して、凍結・融解によって、劣化などを引き起こしているそうです。

この雨漏りが、内部の各破損の一番の要因のようですが、それ以外は、とても状態が良いとのことなんですね。

鉄の支柱はあとから補強で設置されたものだそうです。
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支店長室
場所を1階の支店長室に移します。

天井を見ると剥がれている箇所があって、剥がれているのは、前回の昭和62年の保存修理工事の時に貼られたものだそうです。

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その下に白い天井が見えているのですが、これは進駐軍が白いペンキで塗ったもので、実はその下(中)にオリジナルの天井の紙があるそうです。ただ、それは復元は難しそうとのことでした。

窓のガラスは二重のペアガラスになっていて、さらに気密性を高めるために緑色のパッキンが使われています。これはラシャ布といって、フェルトではなくて、ビリヤードや麻雀卓に使われているものと同じものだそうですよ。

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応接室
隣の応接室に移動します。

ここでシャッターについて詳しい説明があって、各部屋の全ての窓にある防火シャッターはアメリカ製で、竣工時から変わらない構造で、現在も使うことができるそうです。この建物は、防火対策を徹底しているそうです。

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このシャッターと窓は、施設として一般公開されていた際にも開け締めされていたため、換気が十分にされていて、それも建物の状態によい影響を与えていたのでは、という話でした。

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シャッターもずっと使っていたから、今も現役なんですね。やっぱり、建物の機能は使わなとだめなんですね。

では、2階へ向かいます。
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会議室
2階の大きな会議室です。
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ここ会議室と貴賓室の壁には、菊模様の金唐革紙(きんからかわかみ)という高級壁紙が貼られているのですが、これが雨漏りが内壁に染み込んで、剥がれてきているそうです。

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これはとても特殊な壁紙ですが、これは壁紙を復元するそうです。

廊下などは、あちこちの壁の漆喰が、雨漏りにより破損しているのが目立ちます。これは実際にどうするかは検討中だそうです。

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食堂
会議室の奥の食堂です。
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会議室とは木の壁で隔てているのですが。途中からは石の壁で、その境で亀裂が走ってました。

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天井にもやはりシミがありました。

(これは模型の国境碑)
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貴賓室
会議室の手前の貴賓室に移動します。

ここの天井はもともと薄いブルーとのことです。
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壁紙はここも金唐革紙ですが、色が違うのは、昭和62年の保存修理工事の時に、途絶えた技術を復元して貼った箇所なんですね。

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そう、金唐革紙は途絶えた技術を復元してるんですね。

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貴賓室の壁は、雨漏りでだめになった範囲が広いので、復元した金唐革紙でぐるっと張り替えるそうです。

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おわりに

現場見学会は以上で、たっぷり1時間40分くらいだったでしょうか、本当に興味深く、勉強になる見学会でした。

もちろん、専門的なことは聞き逃したり、よく分からなかったこともありましたが、確認できた範囲で、今回の見学会の様子を紹介しました、

文化財の保存修理は、体裁を整えるのも大事ですが、やはり、できるだけ部材は、もとのものをそのまま残すことが大事とのことで、傷んでいる部分は作り替え、当時のものは残す、ということなんですね

ということで、以上、旧日本郵船(株)小樽支店保存修理工事の現場見学会の様子でした。

※参加権を譲ってくれた方には、本当に感謝です。改めてこの場でお礼させていただきます。本当にありがとうございました!!

※参照
重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店の保存修理工事について | 小樽市
・広報おたる令和4年9月号「旧日本郵船株式会社小樽支店 保存修理工事を行っています」
・見学会当日のA4配布資料

(工事前の2017年撮影)
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【関連記事】
旧日本郵船(株)小樽支店の保存修理工事が本格的に始まっています。工事は令和5年(2023年)6月までの予定
国指定重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店が保存修理工事のため2018年11月4日(日)から長期休館になります
旧日本郵船(株)小樽支店《建物等の基本情報》

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2020年4月26日 (日)

メルヘン交差点の一角に建つ小樽市指定歴史的建造物の旧戸出物産小樽支店

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観光客に人気のメルヘン交差点の一角に、なんだか可愛い窓周辺の外観も印象的な建物が建っています。

これは、小樽市指定歴史的建造物の旧戸出(といで)物産小樽支店の建物です。

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※掲載写真は2017年、2018年、2020年撮影とまちまちなのでご了承を。

ここの住所は入船1丁目になります。

大正15年(1926年)建築の木造一部煉瓦造3階建で、小樽市HP内に建物概要が掲載されているので、引用させていただきます。

この建物は、富山県に本店のある戸出物産の小樽支店として新築されました。
入船七叉路(メルヘン交差点)の一角にあり、外観は左右非対称で、窓周りに垂直性を意識した意匠が施されています。
旧社屋裏に煉瓦造3階建の倉庫が続き、一体で活用されています。
1階室内には、鉄製の円柱が並び、柱の上に肘木をのせ、2階の床組を支えています。
小樽市 :旧戸出物産小樽支店

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旧戸出物産の建物横から脇道に入っていくと、裏に続くレンガ造りの倉庫を見ることができます。

(右横の脇道を入っていく)
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(奥にレンガ造りの倉庫があります)
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とても立派なレンガ造りの倉庫ですね。

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ん?上には丸に「戸」の字かな。

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ところで、ここ旧戸出物産には、土産店「スーベニールオタルカン」が入っていたのですが、残念ながら2020年4月15日をもって閉店しています。

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スーベニールオタルカンは、1999年6月に開業し、世界各国のカレイドスコープ(万華鏡)ギャラリーがあって、小樽をはじめ北海道各地から集めた人気の銘菓や民芸品、雑貨等を扱うお土産店だったのですが、閉店は残念ですね。

下の写真は2011年撮影ですが、窓の赤のひさし(かな?)がアクセントになっていて可愛いですね。

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この投稿を書いている2020年4月26日現在、今後、別の土産店が入る予定にはなっているようですが、詳細は発表されてないようです。

※関連記事:ニュースより/メルヘン交差点の歴史的建造物に入っていた土産店「スーベニールオタルカン」が4月15日をもって閉店


ということで、メルヘン交差点の一角に建つ、小樽市指定歴史的建造物の旧戸出物産小樽支店についてでした。

ちなみに、このメルヘン交差点(正式には堺町交差点)には小樽市指定歴史的建造物が集まっていて、隣が旧中越銀行小樽支店(現 銀の鐘1号館)、その横(入船通り側)には旧上勢友吉商店(現 小樽オルゴール堂手作り体験遊工房)、さらに交差点向かいには旧共成(株)(現 小樽オルゴール堂本館)が建っているので、観光での買い物はもちろん、歴史的建造物の見所スポットにもなっています。

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【関連記事】
※以前書いたスーベニールオタルカン(旧戸出物産小樽支店)の記事です。
おいらスーベニールオタルカン【閉店】/旧戸出物産小樽支店【追記あり】

※その他の関連記事
観光客で賑わう小樽オルゴール堂本館は歴史的建造物の旧共成(株)の建物
小樽オルゴール堂本館/旧共成(株)
銀の鐘/旧中越銀行小樽支店
歴史的建造物でもある「銀の鐘1号館」(旧中越銀行小樽支店)の建物の壁が綺麗になっていた
遊工房/旧上勢友吉商店

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2018年10月27日 (土)

国指定重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店が保存修理工事のため2018年11月4日(日)から長期休館になります

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国指定重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店が保存修理工事のため、長期に渡って休館します。

期間は2018年11月4日(日)〜2022年3月までの予定です。

※参照:小樽市 :重要文化財旧日本郵船(株)小樽支店

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って、かなり長いですね。
これって、歴史的建造物が好きな方にとっては、大きなニュースかもしれませんね。

旧日本郵船小樽支店は、1904年(明治37年)着工、1906年(明治39年)10月に落成した、佐立七次郎の設計による石造2階建ての小樽を代表する歴史的建造物で、日露戦争の講和条約による樺太の国境画定会議が、この建物の2階会議室で行われたことでも知られています。

1984年(昭和59年)10月〜1987年(昭和62年)6月の長期間に渡って保存修理工事が行われていますが、以来、約30年が経過し、今回、耐震補強を含めた大規模な保存修理工事を実施することになったそうです。

昨年、老朽化が進むこの旧日本郵船小樽支店を約30年ぶりに補修するというニュースがあったんですよね(記事はこちら:ニュースより/重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店を約30年ぶりに補修工事をすることに)。

小樽の歴史を今に伝える、貴重な歴史的建造物の旧日本郵船(株)小樽支店。今年の11月3日(土・祝)を過ぎると、しばらくは見学できなくなるので、気になっている方は注意してください。

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開館時間:午前9時30分〜午後5時(平成30年11月3日(土)まで)
休館日:火曜日
入館料:一般300円、高校生・市内にお住まいの70歳以上の方150円、中学生以下無料
※詳しくは:小樽市 :重要文化財旧日本郵船(株)小樽支店


旧日本郵船(株)小樽支店の様子

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ということで、私も長期休館前に見学に行ってきたので、その際の写真を掲載しますね。
以降は写真中心に掲載していきます。

(1階営業室)
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(営業室のライト)
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(1階奥の附属舎へ)
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(附属舎の様子)
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(2階へ)
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(2階廊下)
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(2階貴賓室)
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(2階貴賓室シャンデリア)
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(2階会議室)
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(気になる方は、11月3日(土)までですので忘れずに!)
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※参考:小樽市 :小樽市の文化財

【関連記事】
旧日本郵船(株)小樽支店《建物等の基本情報》
旧日本郵船(株)小樽支店《1階》
旧日本郵船(株)小樽支店《2階》
旧日本郵船(株)小樽支店《瓦葺附属舎》

旧手宮線の遊歩道の整備が旧日本郵船(株)小樽支店の裏まで来ていた


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2016年10月25日 (火)

人気のソフトクリーム屋「小樽ミルク・プラント」の建物は小樽市指定歴史的建造物〜ちなみに今年の営業は11月3日まで

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季節外れなんですが、こちら、観光客はもちろん、小樽市民にも大人気のソフトクリーム屋さん「小樽ミルク・プラント」。

今回は注目するのはここのソフトクリームではなく、ここミルク・プラントの建物についてなんですが、このブログでも何度か登場しているミルク・プラントの建物は、実は今年(2016年)の7月に、小樽市指定歴史的建造物として新たに指定されたんですよね。

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で、もうソフトクリームの時期ではないのですが、小樽市指定歴史的建造物として、改めて紹介したいと思います。

あっ、ちなみに小樽ミルク・プラントの今年の営業は11月3日までで、冬期は休業になります。

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小樽ミルク・プラントの建物は旧小樽保証牛乳

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小樽市民会館から花園公園通りを下りてきてすぐにある小樽ミルク・プラントですが、四角い部分と円形部分が組合わさった建物は、ともて印象的で可愛いですよね。

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この小樽ミルクプラントの建物は、以前は旧小樽保証牛乳の工場・事務所だったんですよね。

現在の北海道保証牛乳の前身となる小樽保証牛乳は、1936年(昭和11年)に設立され、同年に工場・事務所として建てられたこの建物は、1969年(昭和44年)まで稼働していたそうです。

ちなみに、その昭和44年に社名を北海道保証牛乳に変更して、小樽市桂岡に統合工場を新設してます。
※参考
北海道保証牛乳株式会社 | 北海道保証牛乳物語
北海道保証牛乳 - Wikipedia
小樽散歩案内(発行:有限会社ウィルダネス)

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小樽市のHPに、小樽市指定歴史的建造物としての「旧小樽保証牛乳(株)」の建物概要が掲載されているので、引用させていただきます。

この建物は、昭和11年に小樽周辺の酪農家が集まって創業した小樽保証牛乳(株)の事務所として建てられました。かつては裏手に工場があり、牛乳の製造や販売が行われていました。事務所部分は、当時、世界的に流行した水平・垂直ラインを強調し円弧を組み合わせたデザインが特徴的で、創建時の形態をよくとどめています。昭和12年に小樽公園で開催された北海道大博覧会で人気を博し、現在も多くの市民に親しまれるシンボル性の高い建物です。
小樽市指定歴史的建造物第82号 旧小樽保証牛乳(株) | 小樽市

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ということで、ここは市の中心部からもちょっと離れているのですが、お客さんが後を絶たない、とにかくソフトクリームが人気のお店として知られてますが、その建物にはこんな歴史があるんですね。

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【関連記事】
夏は終わってしまいましたが、建物が印象的な「小樽ミルクプラント」のソフトクリーム食べてきました
小樽ミルク・プラント
花園公園通り
小樽市指定歴史的建造物に新たに4件が指定されそうです

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2016年6月10日 (金)

小樽市指定歴史的建造物の旧荒田商会と旧高橋倉庫について〜もうすぐニトリの美術館 小樽芸術村として生まれ変わります

今回は小樽運河の浅草橋からすぐ近くの臨港線沿いに隣接して建つ、小樽市指定歴史的建造物の「旧荒田商会」と「旧高橋倉庫」についてです。

※写真が2016年2月3日撮影と冬の写真のなのでご了承を。
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通り沿いに旧荒田商会が建っていて、その奥に続いて旧高橋倉庫が建っています。

この2つの建物はこの度、家具・インテリア製造小売り最大手のニトリホールディングス(札幌)によって新たに美術館として、7月23日にオープンすることが決まってます。

ちなみに、ニトリはこの旧荒田商会と旧高橋倉庫、さらにはすぐ近くの旧三井銀行小樽支店という小樽の歴史的建造物3棟を改装して、3つの美術館からなる「小樽芸術村」を開設するということで、今回の建物の2館が先行オープンになります。

※詳しくはこちらの記事をどうぞ。
ニトリが小樽の3つの歴史的建造物で開設する美術館「小樽芸術村」がオープン間近で2館の名称も決定というニュース

改装後に看板などの建物外観がどのようになるのかは分かりませんが、改装前の建物の様子ということで、この冬の撮影した写真があるので、建物概要とともに掲載しておきたいと思います(以前も掲載したことがあるのですが、美術館開業前に改めてということで)。

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ちなみに、先日、建物前を通った時は、青いシートがかけられて、まさに開業準備中のようでした。

以下、写真は2016年2月3日撮影です。


旧荒田商会

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臨港線沿いに建つ、ちょっとモダンで趣きある建物が「旧荒田商会」です。

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昭和10年 (1935年 )建築の木造2階建てで、小樽市のHP内に掲載されている、建物概要からの引用です。

この建物は、荒田商会の本店事務所として建築されました。
現在は店舗に再利用されていますが、内壁の漆喰や、照明器具、窓枠は創建時の形態を伝えています。
石造倉庫が軒を連ねていた小樽運河沿いに建ち、背面の旧高橋倉庫や左隣りの旧通信電設浜ビルなどと中庭でむすび、歴史的景観のまとまりを創っています。
小樽市 :旧荒田商会

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旧荒田商会については、詳しくは分からないのですが、ここは海産物を商い、後に海運業までに成長した、荒田太吉商店の本店事務所として建てられたものだそうです(参考:建物紀行 荒田商会 (小樽ジャーナル)より)

また、引用文中には、“現在は店舗に再利用”と書かれていますが、今回の美術館開業までは2年近く未使用の状態が続いてました。

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旧高橋倉庫

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旧荒田商会の背後に建っている石造倉庫が「旧高橋倉庫」です。

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大正12年(1923年)建築の木骨石造2階建てで、同じく小樽市のHP内に掲載されている、建物概要から引用させてもらいます。

この建物は、大豆を収める倉庫として建てられました。
平成元年に改修され、店舗として再生しています。
前面は運河に面し、背面は出抜小路に接して建ち、周辺の歴史的景観を形成している建物のひとつです。
小屋組は梁を二重に架け2本の束を陸梁の中央付近で左右対称に立てるクイーンポストトラス(対束小屋組)と呼ばれる洋風の構造です。
小樽市 :旧高橋倉庫

ということで、建物の構造については、ちょっと難しくて一般人には分かりにくいでね(汗)

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こちらも今回の美術館開業前は、未使用の状態が続いてました。

(背面)
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おわりに〜建物の以前の活用について

実は、今回の2つの建物は、これまで何度か店舗として活用されているんですよね。

2012年(平成24年)4月からは、石原プロによるエンターテインメント施設「おもしろ撮影館」がこの2棟で営業していたのですが、2014年(平成26年)9月30日に閉館してしまい、以後は未使用状態でした。
石原プロによるエンターテインメント施設「おもしろ撮影館」が閉館してました

(おもしろ撮影館オープン時の様子)
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それ以前も、倉庫を観光用に再利用した先駆けとして、グラスショップとして利用されていたり、オルゴール海鳴楼が使用したりもしていたそうです(参考:建物紀行 高橋倉庫(小樽ジャーナル)より)。

今回、未使用の状態だった歴史的建造物が、大手ニトリによって、新たに美術館として活用されることになったのは、本当に嬉しいことで、市民や観光客に愛される施設になるといいですね。

【関連記事】
※以前のこの2つの建物についての記事です。
隣り合う小樽市指定歴史的建造物の「旧荒田商会」と「旧高橋倉庫」

※その他の関連記事
ニトリが小樽の歴史的建造物(旧荒田商会・旧高橋倉庫・旧三井銀行小樽支店)を改装して美術館を開設するというニュース
ニトリが小樽の3つの歴史的建造物で開設する美術館「小樽芸術村」がオープン間近で2館の名称も決定というニュース

旧三井銀行小樽支店
ブラタモリ小樽〜タモリさんの足跡を辿る【後編】《水天宮〜花園町〜銀行の集まる交差点〜旧三井銀行小樽支店〜北運河》


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2015年11月 6日 (金)

小樽市指定歴史的建造物の旧小樽商工会議所〜イベントで建物内にも入ることができました

先日開催された、素敵な雑貨が集まったイベント「2015小樽DEPARTMENT」には、皆さん行かれましたか?

とても楽しいイベントで、お客さんもたくさん来場して大盛況だったようですが、このイベントの会場となったのが、小樽市指定歴史的建造物にも指定されている「旧小樽商工会議所」でした。

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この旧小樽商工会議所は、普段は使われてないので建物内に入ることができないんですよね。
なので、今回はイベントの他に、この歴史的建造物の建物内を見学できるという楽しみもあったんです。

ということで、今回はその歴史的建造物の旧小樽商工会議所について、ちょっと紹介しておきますね。

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ちなみに、イベント「2015小樽DEPARTMENT」についてはこちらの記事でレポートしてます。
3日間限定開催の「2015小樽DEPARTMENT」に行ってきました。会場は歴史的建造物の旧小樽商工会議所


旧小樽商工会議所の建物について

まずは、小樽市指定歴史的建造物の旧小樽商工会議所の建物概要についてですが、場所は、日銀通りの小樽郵便局(本局)の角を左折した先の、色内大通り沿いにあります。

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昭和8年(1933年)建築の鉄筋コンクリート造3階建です。

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(上の写真2点は、イベント開催前の撮影です)

玄関から、歴史を感じさせる作りですよね。

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小樽市のHPに建物についての説明があるので、引用させていただきます。

北海道の発展に寄与する小樽経済界の拠点でした。
設計は土肥秀二、施工は萬組で、いずれも地元の手によるものです。
外装は石川県産千歳石で彫刻が施され、正面玄関には、土佐産の大理石が用いられています。
昭和初期における鉄筋コンクリート造の建物として貴重なもののひとつです。
小樽市 : 旧小樽商工会議所

小樽商工会議所として、老朽化で移転する2009年(平成21年)までずっと使用されていたのですが、それ以降は、活用はされてなくて、現在も普段は建物内には入れません(実は最近まで使われていたんですよね)。

ただ、その間に一度だけ、2011年(平成23年)7月末〜8月の2週間限定で、NPO法人小樽ワークスによるアートプロジェクトが開催されて、一般公開されたんですよね。
その時の記事がこちらです。
旧小樽商工会議所〜第2回小樽北のウォール街アートプロジェクト2011が開催

私は、小樽商工会議所には全く縁がなかったので、その時に初めて建物内に入ったのですが、アートプロジェクトとともに、歴史を感じさせるその趣のある建物内をとても興味深く見学させていただきました。

今回のイベント「2015小樽DEPARTMENT」で建物内に入ることができたのは、それ以来ということです。

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旧小樽商工会議所の建物内の写真

今回はイベントで多くのお客さんがいたので、あまり建物内の写真は撮れなかったのですが、それもで、趣きある部屋の案内板や照明などを撮ってきたので、掲載していきます。

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案内板などは、まだそのままなんですね。
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いや〜、何だかトイレまで渋い(ただし、立ち入り禁止でした。残念)。
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開催されたイベントは1階と2階を会場としていて、今回は3階は立ち入り禁止となっていたので、上ることはできませんでした。

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こうやってみると、まだまだ現役で活躍できる建物だと思うのですが、ちなみに、イベント中に停電しまして、やはりそこらへんは老朽化の影響かと(汗)

そうそう、今回のイベント開催に際しては、実行委員や出店者、ボランティアさんたちが、建物の清掃をして準備されていたんですよね。

今後についても、関係者も考えているようですが(参考:"2015小樽DEPARTMENT" 旧小樽商工会議所 (小樽ジャーナル http://otaru-journal.com))、この素敵な建物が、これからも有効に活用されるといいですね。

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ということで、以上、小樽市指定歴史的建造物の旧小樽商工会議所についてでした。

【関連記事】
3日間限定開催の「2015小樽DEPARTMENT」に行ってきました。会場は歴史的建造物の旧小樽商工会議所
旧小樽商工会議所〜第2回小樽北のウォール街アートプロジェクト2011が開催


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2015年9月16日 (水)

平磯岬を迂回する道路沿いにポツンと建つ「旧北海道庁土木部小樽築港事務所見張所」は歴史的建造物

ウイングベイ小樽の海側の道路を平磯岬方面に進んで行くと、左手に大きなクレーンや小樽港湾事務所(おたるみなと資料館)の建物が見えてくるのですが、それらと車道を挟んで反対側に、ポツンと小さいけれども何とも趣のある建物が建っています。

旧北海道庁土木部小樽築港事務所見張所

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この建物は、木造1階建の本当に小さな建物ですが、昭和10年(1935年)の建築で、実は小樽市指定歴史的建造物でもあるんですよね。

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この建物の前の道路は、平磯岬の高台をぐるっと迂回する道路で、すぐ先からは左に南防波堤が伸びています。

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(南防波堤)
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道路の挟んで海側のクレーンや小樽港湾事務所(おたるみなと資料館)、そして南防波堤については、こちらの記事でどうぞ。
小樽港の南防波堤周辺の様子と巨大なクレーン

(小樽港湾事務所/おたるみなと資料館)
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で、今回の小さな建物は、かつての小樽築港事務所の見張所だったということで、小樽の発展を支えてきた小樽港を見守ってきた建物なんですね。

いつもの歴史的建造物についての案内板が建っていますが、建物概要については、小樽市HP内に記載があるので、そちらから引用させていただきます。

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北海道経済を先導してきた小樽港の発展とともに歩んできた事務所です。 初代小樽築港事務所長の廣井勇博士は、小樽築港工事でコンクリートの施工技術の発展に寄与する研究と開発を行い、今日の輝かしい港湾技術の基礎を築きました。 小規模(2.5間×3間)ですが、外壁は2種類の板壁を使い分け、方形屋根に小さい屋根をのせるなど、工夫を凝らしています。 小樽港縦貫線の道路工事に伴い、平成13年に東寄り約60mの位置から現在地へ曳き家されています。
小樽市 : 旧北海道庁土木部小樽築港事務所見張所

ということで、もともとはこの位置ではなかったのですね。

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昭和59年には、廣井勇の工事記録やデータ等を展示する目的で、この建物が資料室となっていたそうですが、それらは現在は、道路を挟んだ海側にある「みなと資料館」で展示されているそうです(まだ見に行ってませんが…)。

ということは、現在この建物は、特に使われていないということでしょうかね。

道路脇にポツンと一軒佇むように建っているので、今後どうなるのか、ちょっと気になります。

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ちなみに、後ろの平磯岬の高台に建っている建物は、小樽市指定歴史的建造物で料亭・温泉旅館の鰊御殿・銀鱗荘です。

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そうそう、この前を通る道路には、近くに信号や横断歩道がないので、見に行く際は車には十分注意しましょう。

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※参考:みなとのしごと | みなとの資料コーナー

【関連記事】
平磯岬の高台を迂回する道路を歩く〜この辺りが平磯岬の先端かな?


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2015年3月16日 (月)

臨時休館中の「旧日本郵船株式会社小樽支店」が4月より開館

老朽化に伴う保存修理調査工事(事前調査)のため、臨時休館中の国指定重要文化財「旧日本郵船株式会社小樽支店」が、4月1日(水)より開館するとのことです。

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※2011年4月13日撮影
※情報元:旧日本郵船小樽支店開館 | 小樽観光案内所スタッフブログ

この事前調査は2013年9月1日から始まり、1年間の延長があって、今年(2015年)3月31日までの予定で、その間は臨時休館していて、館内の見学ができなかったんですよね。

堂々とした威厳あるこの歴史的建造物の館内が見学できなくて、がっかりした観光客も多かったのではないでしょうか。

この旧日本郵船株式会社小樽支店は、1904年(明治37年)着工、1906年(同39年)10月に落成した、小樽でも代表的な歴史的建造物です。

建物ついては、小樽市のHP内に詳しい説明があるので、引用させていただくと、

重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店は明治37年着工、同39年10月に落成した近世ヨーロッパ復興様式の石造2階建建築です。設計者は佐立七次郎、施工は地元の大工棟梁山口岩吉があたり、工費は当時の金額で約6万円でした。当時小樽は北海道開拓の拠点都市として商業港湾機能を充実しつつあり、船舶・海運・倉庫業界が競って、船入澗を設置し石造倉庫を建てました。また明治後半から一流建築家達が当時の最先端の技術で、代表的作品を残しました。この建物はその草創期の象徴的存在です。
 昭和30年市が日本郵船から譲り受け、翌31年から小樽市博物館として再利用されて来ましたが、44年3月には、明治後期の代表的石造建築として国の重要文化財に指定されました。
 しかし年ごとに老朽化が目立って来たため、59年10月修復工事を着工、33カ月の工期を経て62年6月しゅん工しました。ここに商都小樽を代表する明治後期の商業建築が優れた文化遺産としてよみがえりました。
小樽市 : 重要文化財旧日本郵船(株)小樽支店

ということですが、一度修復工事が行われているんですね。

で、保存修理調査工事が終わり、この4月から開館するとのことですが、今回のは事前調査なので、この後から、いよいよ本格的な補修工事が始まるということなんですよね!?

確か、以前のニュースでは2017年春をめどに再び休館する予定だったと思うのですが、その後の計画がどうなったかまでは私は分からないのですが、実際の補修工事の期間もそれなりにかかるのでしょうね。

いずれにしても、貴重な歴史的建造物ですから、この際、しっかりと修復してもらったほうがいいですよね。

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※2011年4月13日撮影

【関連記事】
「旧日本郵船(株)小樽支店」については、こんな記事を書いてます。
※臨時休館についての記事はこちら。
ニュースより/旧日本郵船(株)小樽支店の保存修理調査工事による臨時休館が1年延長
※建物についての記事はこちら。
旧日本郵船(株)小樽支店《建物等の基本情報》
旧日本郵船(株)小樽支店《1階》
旧日本郵船(株)小樽支店《2階》
旧日本郵船(株)小樽支店《瓦葺附属舎》


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2014年11月22日 (土)

隣り合う小樽市指定歴史的建造物の「旧荒田商会」と「旧高橋倉庫」

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運河近くの臨港線沿いには歴史的建造物がたくさん建っているのですが、今回はこちらの2つの並んだ建物についてです。

こちらが「旧荒田商会」と、
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奥の倉庫が「旧高橋倉庫」です。
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どちらも小樽市指定歴史的建造物で、場所は臨港線沿いの浅草橋側からすぐのところです。

旧荒田商会が通り沿いにあり、その背後に旧高橋倉庫が建ってます。

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旧荒田商会

手前のちょっとモダンな建物が、昭和10年 (1935年 )建築の木造2階建の「旧荒田商会」。

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小樽市のHP内から、建物の概要について引用させていただくと、

この建物は、荒田商会の本店事務所として建築されました。
現在は店舗に再利用されていますが、内壁の漆喰や、照明器具、窓枠は創建時の形態を伝えています。
石造倉庫が軒を連ねていた小樽運河沿いに建ち、背面の旧高橋倉庫や左隣りの旧通信電設浜ビルなどと中庭でむすび、歴史的景観のまとまりを創っています。
小樽市 : 旧荒田商会

旧高橋倉庫

旧荒田商会の背後の倉庫が、大正12年(1923年)建築の木骨石造2階建の「旧高橋倉庫」。

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こちらも小樽市のHP内から、建物の概要について引用させていただくと、

この建物は、大豆を収める倉庫として建てられました。
平成元年に改修され、店舗として再生しています。
前面は運河に面し、背面は出抜小路に接して建ち、周辺の歴史的景観を形成している建物のひとつです。
小屋組は梁を二重に架け2本の束を陸梁の中央付近で左右対称に立てるクイーンポストトラス(対束小屋組)と呼ばれる洋風の構造です。
小樽市 : 旧高橋倉庫

この歴史的建造物は現在未使用

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ここの建物の使用状況の変遷まではちょっと分からないのですが、ここは最近まで、石原プロによるエンターテインメント施設「おもしろ撮影館」として活用されていたんですよね。

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ただ、2012年(平成24年)4月にオープンしたその「おもしろ撮影館」は、今年(平成26年)の9月30日をもって閉館してしまいました。
石原プロによるエンターテインメント施設「おもしろ撮影館」が閉館してました

なので、この記事を書いている2014年11月22日現在、これらの建物は未使用なんです。

過去には、倉庫を観光用に再利用した先駆けとして、グラスショップとして利用されていたり、その後、オルゴール海鳴楼が使用したりもしていたそうですが、なかなか根付かないんですね。
(参考:小樽ジャーナル

実は、前の施設「おもしろ撮影館」も含めて、2つの建物内には入ったことがないんですよね。
これまでの店舗の営業中に、中を見ておくんでした。

早くに、どこか活用先が見つかるといいですね。

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(隣も歴史的建造物の旧通信電設浜ビル )


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2014年4月 9日 (水)

旧北海雑穀株式会社(現 彩や)

観光客で賑わう堺町通りに建つ、歴史的建造物についてここ数回にわたって紹介しています。

今回は、小樽市指定歴史的建造物ではないのですが、こちらの古い木骨石造の建物。

「旧北海雑穀株式会社

注) 平成29年度に小樽市指定歴史的建造物に指定されました(2017年5月18日追記)。

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堺町通りを色内大通り側から於古発川(おこばちがわ)を渡って入ってくると、通りの左手に「旧百十三銀行小樽支店」「旧金子元三郎商店」「旧岩永時計店」「旧第百十三国立銀行小樽支店」、そしてこの「旧北海雑穀株式会社」といった歴史的建造物が建っているんですよね。

ちなみに、この「旧北海雑穀株式会社」以外は、小樽市指定歴史的建造物に指定されてます。

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この建物は、明治40年(1907年)建築ということで、「旧金子元三郎商店」「旧岩永時計店」と同じような佇まいの木骨石造で2階建です。

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建物の前に建物概要の案内板が設置してあるので、その内容を書き起こしますと、

北海雑穀株式会社は資本金20万円を以って明治40年7月10日設立して諸雑穀委託販売を商いとしてはじめました。
建物規模は正面5間、奥行4間で、屋根は瓦、外壁は軟石、窓に飾り鉄扉、両袖に卯立を立て、和風意匠としては木柱、漆喰壁、2階天井は棹縁杉天井で床の間を設けている。洋風意匠として2階上げ下げ窓と飾りカーテンボックス、階段の手摺などがあり、意匠の混在が見うけられます。
明治の風格と趣が残る建物です。

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※クリックすると拡大します。

とのことで、2002年から2003年にかけて建築復元工事が行われたようです。

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両側にうだつがありますね。

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この頃の建物は、窓にも特徴があって、目を引きますよね。

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現在は、「小樽 硝子の灯・彩(いろどり)や」という、とんぼ玉制作体験が人気の、ADVANCE倶楽部が運営している店舗が入ってます。

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ADVANCE倶楽部の店舗の記事はこちら、
旧川田商店(小樽アドバンス倶楽部)
旧梅屋商店(小樽硝子屋本舗〜和蔵〜)

※小樽ADVANCE倶楽部のサイトはこちらです。
小樽ADVANCE倶楽部 | トップページ

【関連記事】ここ数回、堺町通り関連について書いてます。
堺町通り商店街に観光案内所がオープン
小樽堺町通り商店街を案内する「小樽堺町通り商店街 楽しみマップ」が便利かも
「堺町通り」はいつも観光客で賑わってます
旧金子元三郎商店 (現 おたる瑠璃工房 運河店)
旧岩永時計店(現 小樽オルゴール堂 堺町店)
旧第百十三国立銀行小樽支店(現 海鳴楼本店)


《追記 2017.5.18》 
旧北海雑穀株式会社(現 小樽硝子の灯・彩や)は、平成29年(2017年)4月25日付で小樽市指定歴史的建造物に指定されました。
旧北海雑穀株式会社(現 小樽硝子の灯・彩や)が新たに小樽市指定歴史的建造物に【平成29年度】


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