歴史的建造物 その他

2017年8月17日 (木)

北海製罐株式会社小樽工場(旧北海製罐倉庫)の歴史的建造物4棟について(事務所・工場・旧第2倉庫・第3倉庫)

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小樽運河の北側、通称「北運河」沿いの海側に立ち並ぶ工場などの建物群は、北海製罐株式会社小樽工場の建物です。

中でも、龍宮橋のすぐ横に建つ冒頭の写真の第3倉庫は、映画にでも出てきそうなインパクトのある外観が印象的ですよね。

※写真撮影が2017年3月〜4月とちょっと前なのでご了承を。

ここ北海製罐株式会社小樽工場は、大正10年(1921年)に北海製罐倉庫株式会社として小樽に創立され、主要な建物群が大正10年代から昭和10年(1935年)にかけて鉄筋コンクリート造で建てられました。

それらの建物が現在も残っていて、平成24年度には旧北海製罐倉庫(株)の施設群として、小樽市の歴史的建造物に指定されています。

指定を受けたのは、施設群の中の事務所、工場、旧第2倉庫、そして先ほどの第3倉庫の4棟です。

小樽市HP内に建物概要についての記載があるので、引用させていただきます。

小樽運河の東側埋立地に建ち並ぶ主な施設群は、大正10年代から昭和10(1935)年にかけて建てられ、小樽の鉄筋コンクリート造では初期の建物です。旧第2倉庫は、現存する施設で最も古く、当時の埋立地の形状に合わせ外壁が一部曲面しています。第3倉庫は、建築当初から荷物を揚げ降ろしするためのエレベーターや製品を運河へ搬出するためのスパイラルシュートがあり、機能的な設計がされています。工場は、柱と梁の骨組に窓を組み込んだシンプルな外観です。事務所棟は、横長の連続窓が近代建築の特徴を表しています。 
小樽市 :旧北海製罐倉庫(株)

大正12年(1923年)に完成した小樽運河は、海側を埋め立てることによって水路を確保したもので、現在の北海製罐の建っている場所もその埋立地の一部ということなんですね。

それでは今回は、歴史的建造物の指定を受けた各建物について、個別に見ていこうと思います。


北海製罐小樽工場の事務所

まず事務所棟ですが、この建物は運河には面してないので運河側からは見えず、一本港側の道路沿いに建っていて、そちらが会社の正面入り口となっています。

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小樽市指定歴史的建造物の案内板などもそちらに設置されています。

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事務所棟は昭和10年(1935年)完成で、横長の連続窓が特徴なんですが、これが近代建築のモダンな外観を表しているんですね。

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北海製罐小樽工場の工場

運河側から見て、施設群の中央付近、北浜橋の右手に建つのが、北海製罐小樽工場のまさに工場の建物です。

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昭和6年(1931年)完成で、柱と梁の骨組に窓を組み込んだその外観はとてもシンプルですが、なんだかすっきりとした、こちらもモダンな雰囲気も漂わせていますね。

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確か、近年、建物を覆って工事をしていたので、壁とかが綺麗になりましたね。

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個人的には、歴史的建造物の指定外の建物なのですが、その横の赤い屋根からニョキニョキっと煙突が出ている建物(こちらも工場です)もかなり印象に残ってます。

(こちらの建物ですね)
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北海製罐小樽工場の旧第2倉庫

歴史的建造物の指定を受けている4棟の中で、この旧第2倉庫だけ“旧”の文字がついてますが、そもそも旧第2倉庫については、これまで私はよく知らなかったんです。

旧第2倉庫は大正11年(1922年)の完成で、現存する施設で最も古い建物だそうです。

小樽市HP内の写真や紹介記事によると、位置的には施設群の一番北側で、運河沿いではなくて、運河から3つ並ぶ建物の真ん中の建物です。

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敷地内に近づけなかったので、はっきりとは確認できませんでしたが、こちらの建物のようです。

(遠くから撮ってます)
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小樽市HPの建物概要によると、外壁が一部曲面なのは、当時の埋立地の形状に合わせてとのことです。

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旧第2倉庫ということなので、現在は?と思ったのですが、詳細は分かりませんでした(Google マップ上では第二工場となってますね)。


北海製罐小樽工場の第3倉庫

施設群の一番南側に位置する第3倉庫は、お馴染みの建物ですね。

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観光客で賑わう運河の中央橋から北側に進むと、次の龍宮橋の先に、なんとも不思議な雰囲気を漂わせるこの第3倉庫の建物が見えてくるんですよね。

第3倉庫は大正12年(1923年)の完成で(大正13年という記述もありました)、当時、製品を一気に運河に泊めた船に搬出するためのスパイラルシュートを備えているのが特徴です。

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現役の建物ですが、失礼ながら廃墟のような機会的な外観が、映画のセットのようで目を引きます。

ただ、それがなんだか歴史のある運河の雰囲気に溶け込んでいるのも面白いです。

そうそう、ここは仮面ライダーのショッカーのアジトとして撮影に使用されたことがある、ということでも知られてるんですよね。

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(海側から見たところ)
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おわりに

ということで、今回は北海製罐株式会社小樽工場(旧北海製罐倉庫)の、小樽市の歴史的建造物に指定されている4棟について紹介してみました。

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北運河とも呼ばれる小樽運河の北側は、かつての幅40mの姿を今も残していて、運河の海側に建つこれらの北海製罐の歴史的建造物と合わせて、昔ながらの、かつ独特の景観を作り出してますね。

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北海製罐株式会社の工場と倉庫は、第3回小樽市都市景観賞(平成2年)も受賞しています。


※参考
・「おたる案内人テキストブック」小樽観光大学校運営委員会編
平成24年度「小樽市指定歴史的建造物」に追加された建造物(3棟)(H24_guidemap.pdf)
小樽市 :旧北海製罐倉庫(株)
小樽市 :小樽ものづくりの原動:北海製罐株式会社小樽工場
小樽散歩案内(発行:有限会社ウィルダネス)
・書籍「小樽の建築探訪」小樽再生フォーラム編/北海道新聞社(Amazonで「小樽の建築探訪」を探す)

【関連記事】
平成24年度「小樽市指定歴史的建造物」に新たに3棟追加
運河沿いの歴史的建造物「北海製罐」の第3倉庫にショッカーがいた
【動画】製罐のポー/小樽市民にお馴染みの北海製罐のサイレン


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2017年8月 9日 (水)

平磯岬の高台に建つ豪華な銀鱗荘は歴史的建造物の旧猪俣邸

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平磯岬の高台に建ち、その豪華さがひときわ目を引く建物は、高級旅館の銀鱗荘です。

この建物は、もともとはこの場所にあったわけではなく、鰊漁で財を成した猪俣安之丞の邸宅として、余市町に明治33年(1900年)に建てられた鰊御殿です。

この場所に移築されたのは、昭和13年(1938年)のことで、ちょうどこの頃進められていた、東小樽(現在の桜町一帯)の宅地計画の一環として移築されたそうです。

ちなみに、当時、猪俣邸を買い取ったのが北海ホテルで、この移築は北海ホテルの創業20周年記念事業だったそうで、料亭旅館の銀鱗荘として翌昭和14年に開業してます。

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ここ銀鱗荘(旧猪俣邸)は、小樽市指定歴史的建造物でもあるのですが、指定されたのは2012年度(平成24年度)と比較的最近です。ただ、それ以前から、高台に建つこの豪華な鰊御殿の姿を知る人は多いですよね。高台の上で目立ちますからね。

(小樽市指定歴史的建造物の案内板)
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小樽市HP内に建物概要についての記載があるので、引用させていただきます。

この建物は、鰊漁を中心に財を成した猪俣安之丞の邸宅として、明治33(1900)年に余市町に建てられました。現在地には昭和13(1938)年、東小樽の宅地計画の一環として移築されました。この母屋は猪俣家専用の住宅であり、多くの大規模な鰊漁家(にしんぎょか)が親方の住居と漁夫の寝床を合わせている点で異なります。また、これほど大きな親方の住宅は道内に例をみません。母屋の中央にある望楼(ぼうろう)からは沖合の漁を観察していたと思われます。玄関の右手には6室の座敷が並び、大きな神棚や床の間を備えています。
小樽市 :旧猪俣邸

通常鰊御殿と呼ばれる鰊番屋というと、親方の住居部分とそこと仕切られた出稼ぎ漁夫たちの宿泊所が一体となった建物が多いのですが、この猪俣邸は、親方専用の屋敷として建てられたものなんですね。

現在も高級旅館として営業している銀鱗荘ですが、ちょっと高級すぎて宿泊したことはありません。

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(こちらは手前のレストラン)
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それにしても、ここからの景色は抜群ですよね。

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※参考
・銀鱗荘のサイト:料亭・温泉旅館 小樽平磯温泉湯元 銀鱗荘
小樽市 :旧猪俣邸
小樽散歩案内(発行:有限会社ウィルダネス)
・「おたる案内人テキストブック」小樽観光大学校運営委員会編

【関連記事】
平成24年度「小樽市指定歴史的建造物」に新たに3棟追加
平磯岬の高台を迂回する道路を歩く〜この辺りが平磯岬の先端かな?

※先日桜町方面に行った時の桜町関連の記事。
桜町の「長昌寺の坂」と夫婦銀杏
桜町の高台に建つ量徳寺東小樽支院の建物
桜町にある近隣公園「さくら公園」〜ん?隣接するグラウンドは…
桜町の「ぱんじゅう処 あんあん」でぱんじゅうを買ってきた
桜町にあった気になる建造物は水道施設「桜低区配水池」でした
桜ロータリーから熊碓神社までの坂道から横に入る通りに名前が付いてた
桜ロータリーからまっすぐ続く坂道の先の高台に建つ熊碓神社へ
放射状に5本の道路が伸びる桜ロータリー


※先日、訪れた時は曇り空だったのですが、以前晴れの日に撮影した写真もあったので、一緒に掲載しておきます(以下の写真の撮影は2012年5月9日です)。

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2017年6月14日 (水)

格調高い和風建築が目を引く東雲町の旧光亭(現 罐友倶楽部)の建物は小樽市指定歴史的建造物です

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花園公園通りから水天宮へ向かうと手前で大きな鳥居があるのですが、ここを左に曲がって寿司屋通りに向かって坂道を下りていくと、しばらくすると右手にとても趣があって、なんだか品格さえも感じられる和風の建物が見えてきます。

この建物は、昭和12年(1937年)建築の、東京信濃町の料亭「光亭(こうてい)」の小樽店として建てられた「旧光亭」の建物で、現在は北海製罐が会合等に使う「罐友倶楽部」として活用されています。住所は東雲町になります。

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この建物は、2013年に小樽市指定歴史的建造物に指定されいるんですよね。

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通りを歩いていると、この建物は目を引きますよね。

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(小樽市指定歴史的建造物の案内板)
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建物概要については、小樽市HP内に記載があるので引用させていただきます。

もとは東京信濃町の料亭「光亭」の小樽店として、昭和12年に建てられました。主屋の東側に3つの棟を配置し、中央の棟には「茶室」があります。主屋は入母屋妻入りで、外壁を押縁下見板とした和風の外観が特徴です。2階の大広間には、座敷飾の床、付書院、地袋棚を備え、それと対面して舞台となる檜の板の間が設けられています。市内に残された本格的な数寄屋建築の料亭として貴重な建物です。
小樽市 :旧光亭

ということで、横の通り沿いの塀も趣あります。

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塀沿いを歩いて見てみると、かなり奥行きがあるんですね。

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立派で格調高い建物で、とても趣もありますが、一般公開はしてないんですよね。
一度、建物内を見てみたいですね。

(寿司屋通りからだと妙見川が顔をだす妙見橋から入って行きます)
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【関連記事】
※これまでの旧光亭関連の記事です。建物単独の紹介をしていなかったんですよね。
冬のちょっとした風景〜小樽聖公会・旧寿原邸・旧光亭(現 罐友倶楽部)
第20回(平成25年度)小樽市都市景観賞、及び奨励賞が発表されました
平成25年度「小樽市指定歴史的建造物」に新たに2棟追加〜旧水上歯科医院・旧光亭


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2016年7月29日 (金)

歴史的建造物の小樽市能楽堂(旧岡崎家能舞台)がこの夏も一般公開中です

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小樽市の歴史的建造物に指定されている、小樽市能楽堂(旧岡崎家能舞台)が夏季公開中です。

一般公開は、2016年5月29日(日)からすでに始まっていて、9月11日(日)までの期間です。

時間は、9:00~17:30まで(夜間催事の日は催事終了時間まで)となっています。入場は基本無料です(有料催事あり)。

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歴史的建造物としては、旧岡崎家能舞台と呼ばれるこの小樽市能楽堂は、小樽公園の北側、市民会館のすぐ近くに建つ小樽市公会堂に隣接して建っているんですよね。

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その小樽市公会堂も小樽市指定歴史的建造物で、とても趣きある和風建築の建物ですが、正面からは小樽市能楽堂は見えません。

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公会堂に入ってすぐ左の階段を下りていった先に、能舞台があります。

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近年は夏の間の長い期間、一般公開されるので、この貴重な建物を間近で見学することができます。

現在、この能舞台は実際に能や狂言に利用されていて、この一般公開中にも有料・無料の様々なプログラムが予定されているようです。
※詳しくは、こちらの小樽観光協会のサイトでどうぞ。
平成28年度小樽市能楽堂夏季公開 | 歴史溢れる運河のまち「おたる」の観光情報をご紹介!観光コースやイベント情報、施設情報など小樽の旬な情報は「おたるぽーたる」で!

「旧岡崎家能舞台を生かす会」が、旧岡崎家能舞台の再建を目指して、そして小樽の能楽文化を広めるために、様々な活動をしているんですよね。

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この旧岡崎家能舞台について、小樽市のHP内に建物概要が記載されているので、引用させてもらいます。

荒物雑貨商として財をなした岡崎謙が、大正15年、入船町の自宅中庭に建てたもので、後に市に寄贈され、昭和36年、公会堂隣接の現在地に移されました。 檜の舞台をはじめ、要所には佐渡産神代杉(じんだいすぎ)が用いられ、格式にのっとった能舞台で東北以北唯一のものといわれています。 鏡板の老松、唐獅子、若竹は狩野派17代秉信(もちのぶ)が描いたものです。 大正15年1月舞台開きを皮切りに、芸道研さんのため中央から再三家元を招いて能楽を開催したといわれます。
小樽市 :旧小樽区公会堂・旧岡崎家能舞台

ということで、大正15(1926)年建築と歴史があります。

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小樽市民でも、このような歴史があって、立派な能舞台がここにある、というのを知らない方も多いかもしれませんね(外から舞台が見えないですからね)。

興味のある方は、期間中に見に行ってみてはいかかでしょうか。
私も今回はちょっと時間がなかったので、また、ゆっくり見学してこようと思います。

※参考ニュース:小樽市能楽堂、夏季公開 大正の栄華伝承を今に伝える - 小樽経済新聞

【関連記事】
※過去の小樽市能楽堂見学時の記事です。
夏季公開中の小樽市能楽堂(旧岡崎家能舞台)を見に行ってきました
小樽市能楽堂夏季公開〜歴史的建造物の「旧岡崎家能舞台」が一般公開されてます


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2016年6月20日 (月)

小樽・祝津の高台に建つ北海道有形文化財「小樽市鰊御殿」(旧田中家住宅)

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※先日、祝津に行った際の記事を投稿していて、その続きです。

観光地としても人気の祝津地区で、高台に建つ祝津のシンボルのような建物が「小樽市鰊御殿」です。

祝津への道道454号小樽海岸公園線は祝津を起点としているのですが、その端っこの先の高台にこの建物は建っています。

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旧田中家住宅とも呼ばれるこの小樽市鰊御殿は、北海道指定有形文化財でもあるんですよね。

かつてニシン漁で栄えた小樽の祝津では、当時の繁栄を今に伝えるニシン漁場建築がいくつも見ることができ、祝津の三大網元の青山家、茨木家、白鳥家に関する建物などが知られていますが、こちらの小樽市鰊御殿がより有名ですよね。

ただ、なんでこんな高台に建っているんだろうと思う方もいるかもしれませんが、実はこの小樽市鰊御殿は、元々この場所にあったわけではないんです。

※昨年撮影してブログに未掲載の写真もあるので、今回の写真の補完という形で、混在して掲載してます。
※写真中心の長い記事になっているので、トップページでは《続きを読む》という形にしてます。

続きを読む "小樽・祝津の高台に建つ北海道有形文化財「小樽市鰊御殿」(旧田中家住宅)"

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2016年6月19日 (日)

小樽・祝津の古い番屋の形を伝える「旧近江家番屋」

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※先日、祝津に行った際の記事を投稿していて、その続きです。

小樽の祝津は、かつてニシン漁で栄えた地区で、現在も当時の繁栄を今に伝えるニシン漁場建築を見ることができます。

祝津でよく知られたニシン漁場建築といえば、御三家とも呼ばれる三大網元の青山家、茨木家、白鳥家に関する建物や、高台に建つ小樽市鰊御殿(旧田中家住宅。この建物は積丹から移築されたものです)がありますが、今回紹介するのはこちら。

旧近江家番屋

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この建物は、先ほどの小樽市鰊御殿の建つ高台のちょうど手前に建っています。

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他のニシン漁場建築に比べて、旧近江家番屋については、一般に紹介されることがほとんどなくて、内部も公開はされてないので詳細は分からないのですが、祝津地区の活性化をめざして活動する「祝津たなげ会」のサイトに説明がありました。

正面は南を向き、中央の曲面のある屋根がかかっている玄関を入ると土間がつながり、その左を親方家族のための座敷を配置し、右側を漁夫の寝床に区分しています。漁夫用の室内は天井が無く、小屋組みが露出した吹抜けで、その構造は梁が対角に架かる珍しい作りになっています
歴史的建造物(祝津たなげ会のサイトより引用)

ということで、祝津で最も古い番屋の形を伝える建物だそうですよ。

ちなみに番屋とは、網元の住居と、ヤン衆と呼ばれた出稼ぎ漁夫たちの宿泊所が一体となった建物のことで、作業場も兼ねていたそうです。

ところでこの旧近江家番屋、屋根が塗り替えられてますね。

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昨年見にきた時は、何色かよく分からない褪せた色だったのですが、真っ青に塗り直されています。

昨年撮影してブログに未開催の写真があるので、比較も兼ねて掲載しますが、こんな色でした。

(2015年6月6日撮影)
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天気がくもりなのもありますが、屋根の色はかなりくすんでましたね。

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その他にも、昨年撮影の写真があるので、掲載しておきますね。

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そうそう、昨年、祝津のイベントで見たパネルによると、建築は明治初期のようですね。

ちなみに、こちらがそのパネルの写真です。
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(パネル内の写真を見ると、屋根はやっぱり青色だったのかな)

近江家についてはちょっと分かりませんでしたが、旧近江家番屋は、小樽市指定の歴史的建造物ではないですが、登録歴史的建造物ではあるようですね。


ということで、祝津の古い番屋の形を伝える旧近江家番屋の様子でした。

【関連記事】
※この日の祝津に関しては、次のような記事も書いてます。
小樽・祝津を代表するニシン漁場建築の「旧白鳥家番屋」は小樽市指定歴史的建造物
小樽・祝津の三大網元のひとつ茨木家の住宅〜茨木宅(旧茨木輿八郎番屋)
小樽市都市景観賞受賞の祝津のニシン漁場建築「茨木家中出張番屋」
祝津パノラマ展望台から眺める祝津の海はやっぱり青くて綺麗でした
「第8回おたる祝津にしん群来祭り」に行ってきました

※その他の関連記事
祝津のニシン漁場の建築物「番屋」と恵美須神社
小樽市鰊御殿(旧田中家住宅)


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2016年6月18日 (土)

小樽・祝津を代表するニシン漁場建築の「旧白鳥家番屋」は小樽市指定歴史的建造物

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※先日まで、祝津に行った際の記事を投稿していたのですが、その続きです。

小樽の祝津は、かつてニシン漁で栄えた地区で、現在も当時の繁栄を今に伝えるニシン漁場建築を見ることができます。

祝津のニシン漁の網元の中でも青山家、茨木家、白鳥家が祝津の「御三家」と呼ばれていて、今回はその三大網元のひとつ、白鳥家の小樽市の歴史的建造物にも指定されている「旧白鳥家番屋」の様子です。

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実は、この日はそもそも祝津で開催されたイベント「第8回おたる祝津にしん群来祭り」に行ったのですが、そのイベント期間中は、祝津に残る代表的なニシン漁場建築の旧白鳥家番屋、茨木家中出張番屋、小樽市鰊御殿(旧田中家住宅)が無料で一般公開されるので、毎年楽しみにしてるんです。

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※昨年撮影してブログに未開催の写真があり、今回はあまり撮影できなかったので、補完として以下は昨年撮影の写真です。


小樽市指定歴史的建造物の旧白鳥家番屋

こちらが祝津を代表するニシン漁場建築の旧白鳥家番屋

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場所は、おたる水族館の駐車場の前、道道454号小樽海岸公園線の道路沿いです。

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旧白鳥家番屋は、白鳥家が明治10年代(1877年)に建てた番屋で、小樽市指定歴史的建造物です。白鳥永作番屋とも呼ばれますね。

数年前に壁の色を塗り直したようで、黒々としてます。

小樽市HP内に建物概要についての記載があるので、引用させていただきます。

祝津は、北海道の初期漁村集落の様子を伝える貴重な地区です。
海岸沿いに鰊漁家の住宅、番屋、倉庫などが建ち並び、丘には神社があります。
旧白鳥家番屋は主人と漁夫の住居部分が大屋根で一体になっています。主人のすまいには、床の間や欄間を設け和風住宅の特徴を示します。漁夫の寝床は、吹き抜けに巡らされていました。
大工は、大棟梁が小林秀作、脇棟梁が土門倉次です。
平成7年に建物の補修工事が行われ、翌年、小樽市都市景観賞を受賞しています。
小樽市 :旧白鳥家番屋

ということで、平成8年(1996年)に小樽市都市景観賞も受賞してるんですね。

ただ、その小樽市都市景観賞は、以前、「群来陣(くきじん)」という郷土料理店として再活用された際に受賞したのですが、群来陣は残念ながら2010年で閉店してます(私は入ったことがありませんでした。残念)。

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旧白鳥家番屋の建物内

おたる祝津にしん群来祭りのイベント期間中は、一般公開していたので、建物内に入ることができました。

番屋とは主人となる網元の住居と、ヤン衆と呼ばれた出稼ぎ漁夫たちの宿泊所が一体となった建物で、作業場も兼ねていたようです。

で、この旧白鳥家番屋は主人(親方)と漁夫の住居部分が大屋根で一体になっているということで、建物に入って右側が漁夫、左側が主人の住居部分になってます。

右側の漁夫の居住部分は、今年はそばを食べるスペースになっていたので、入らなかったのですが、昨年撮った写真があるので、掲載しますね。

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周囲が寝床になっていて、上が吹き抜けになっています。

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入って左側の主人の住居部分は座敷になっていて、以前の料理店の名残りもあるのか、とても落ち着いた雰囲気の内装で綺麗です。

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奥は大広間になってす。
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梁とか天井部は、やはり立派ですね。
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おわりに

ということで、小樽市指定歴史的建造物の旧白鳥家番屋の様子でしたが、この時は建物内も一般開放してくれてましたが、その他の時期はどうしているのかな?

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このような歴史的にも貴重なニシン漁場建築ですから、何か、有効に活用されるといいですね。

そうそう、建物周囲に石造倉庫が建ってたのですが、関連あるのかな。

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【関連記事】
※この日の祝津に関しては、次のような記事も書いてます。
小樽・祝津の三大網元のひとつ茨木家の住宅〜茨木宅(旧茨木輿八郎番屋)
小樽市都市景観賞受賞の祝津のニシン漁場建築「茨木家中出張番屋」
祝津パノラマ展望台から眺める祝津の海はやっぱり青くて綺麗でした
「第8回おたる祝津にしん群来祭り」に行ってきました

※以前の旧白鳥家番屋関連の記事ですが、この時の写真は壁を黒く塗る前です。
旧白鳥家番屋の建物内を見学
旧白鳥家番屋


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2016年4月 9日 (土)

小樽市指定歴史的建造物に新たに4件が指定されそうです【平成28年度】【追記:結局3棟が追加】

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先月のことなんですが、新たな小樽市指定歴史的建造物についてのニュースが新聞に掲載されていました。

2016年3月25日付 北海道新聞朝刊小樽・後志欄によると、今回、新たに6件を市の「登録歴史的建造物」として登録して、そのうち4件を「指定歴史的建造物」として指定することに決まったそうです。

といってもまだ、これは「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観審議会」が選定を行い、市長に答申した段階で、建物の所有者の同意が得られれば、夏にも正式に決まるそうです。


小樽市の歴史的建造物、登録と指定について

ちなみに、上記の「登録」と「指定」についてが分かりにくいのですが、小樽市HPによると、

小樽市では、1983(昭和58)年に「小樽市歴史的建造物及び景観地区保全条例」を制定し、31棟の「歴史的建造物」を指定しました。
さらに1992(平成4)年には、前条例を発展的に解消し、総合的な都市景観の保全を図るために「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例」を制定し、これら貴重な建物の保存を図るための基礎的な資料を作成するため、市内全域を対象に歴史的建造物の実態調査を行いました。
(中略)
これらの調査を経て景観審議会からの答申を受け、保全すべきものを「小樽市登録歴史的建造物」として登録し、このうちからさらに所有者の方々の同意を得て指定したのが「小樽市指定歴史的建造物」です。
小樽市 :小樽市指定歴史的建造物

ということで、先ほどの新聞記事によると、現在は登録が92件で、うち指定が75件とのこと。指定の建物は小樽市HPなどで公開されてますが、登録のみは非公開のようですね。

登録・指定されると、外観の補修に助成金が支給されますが、解体や増築には、市への届け出が必要になるそうです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回、新たに指定するように答申された4件の歴史的建造物についてです。


指定するように答申された4件の歴史的建造物

旧磯野支店倉庫

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色内町の海猫屋といえば、皆さん“あ〜!”と思うお馴染みの建物ですが、レンガ造りが小樽では珍しいですね。1906年建築。

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※関連記事:色内2丁目の旧早川支店周辺の気になる建物


旧北海雑穀株式会社

注) 何故かは分からないのですが、旧北海雑穀株式会社(現 彩や)は最終的に指定されませんでした(追記は2017年3月25日)。
注) 結局、旧北海雑穀株式会社(現 彩や)は平成29年度に指定されました(追記は2017年5月18日)。

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堺町通り沿いに建つ、現在は土産物店「彩や」の建物ですが、小樽らしい石造りの建物ですね。1909年以前の建築だそうです。

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※関連記事:旧北海雑穀株式会社(現 彩や)


旧杉森喜一郎邸

緑町に建つ、現在は宿泊施設の小樽ゲストハウス&パスタクラブの建物。昭和初期の建築ですが、鉄筋コンクリート造りの素敵な洋館です。

が、すいません、一度パスタを食べにいったのですが、建物の写真を撮り忘れてしまいました。

(写真と関連記事追加:2017年3月25日)
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※関連記事:緑町の高台に建つ小樽市指定歴史的建造物の旧杉森喜一郎邸(現 小樽ゲストハウス/パスタクラブ)


旧小樽保証牛乳株式会社

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花園町の公園通りにある、お馴染みの人気のソフトクリーム屋さん「小樽ミルク・プラント」の建物ですね。1936年建築。

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※関連記事:夏は終わってしまいましたが、建物が印象的な「小樽ミルクプラント」のソフトクリーム食べてきました


以上の4件ですが、これらの指定が正式に決まれば、また発表があるでしょうね。


《追記》
正式な指定時のニュースを目にしなかったので、詳しいことは分からないのですが、答申された4件の歴史的建造物のうち、平成28年7月25日付けで小樽市の歴史的建造物に指定されたのは、旧北海雑穀株式会社(現 彩や)以外の3件でした。

※小樽市HPより:平成28年度(3棟)(PDF)

何故、旧北海雑穀株式会社が指定されなかったのか、それに関するニュースは、見つけることができませんでした。

(以上、追記は2017年3月25日)

《追記 2017.5.18》 
旧北海雑穀株式会社(現 小樽硝子の灯・彩や)は、平成29年(2017年)4月25日付で小樽市指定歴史的建造物に指定されました。
旧北海雑穀株式会社(現 小樽硝子の灯・彩や)が新たに小樽市指定歴史的建造物に【平成29年度】


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2015年12月28日 (月)

ニュースより/現在未使用の歴史的建造物「旧越中屋ホテル」がホテルとして再開の予定【追記あり】

色内大通り沿いに建つ、小樽市指定歴史的建造物でもある「旧越中屋ホテル(旧小樽グランドホテルクラシック)」は、現在は未使用の状態なんですが、先日、ホテルとして再開の予定というニュースが新聞に掲載されていました。

※その後、詳細は報道されてませんが、残念ながら再開はされていません(追記 2017.7.8)。

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2015年12月25日付北海道新聞朝刊経済欄によると、さいたま市の精密機器製造販売「八洲(やしま)エンジニアリング」が買収したとのことで、現在は空き家となっているホテルを改装し、来夏にも営業を始める計画で、外国人富裕層を主なターゲットにするそうです。

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旧越中屋ホテルは、色内大通りを日銀通りのと交差点から北側(中央通り方面)に向かってすぐ左に建つ、昭和6年(1931年)建築、鉄筋コンクリート造4階建ての格調高い外観の建物です。

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最近まで小樽グランドホテルクラシックとして営業していたのですが、2009年2月をもって閉館してしまい、その後は活用されないままだったんですよね。

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旧越中屋ホテルは小樽市の歴史的建造物に指定されていて、建物概要について小樽市HP内に記載されているので、引用させていただきます。

越中屋は、明治30年代以降の英国の旅行案内書にも載った旅館です。
この建築は外国人利用客のための別館で、国際貿易港小樽を象徴する建築のひとつです。
正面から見る姿は、中央にある縦2列のベイウィンドウや両脇の丸窓と垂直の窓割りなどが特徴です。
また内部にちりばめられているステンドグラスに第一次大戦後のアール・デコ様式の影響がみられます。
設計は倉澤国治です。
小樽市 :旧越中屋ホテル

ということで、小樽の老舗旅館「越中屋」によって、外国人利用客のためのホテルとして建設されたんですね。
戦後は米軍に接収され、その後は北海製罐の独身寮と貸事務所として転用されたようです。
※参考:書籍「小樽の建築探訪」小樽再生フォーラム編/北海道新聞社(Amazonで「小樽の建築探訪」を探す)

その後、1993年4月に再び「小樽グランドホテルクラシック」として営業を始めたものの、2009年2月15日をもって閉館してしまい、現在に至ってました。

(こちらは2015年11月撮影)
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今回、この歴史的な建物が、再びホテルとして再開するというのは、本当に楽しみです。
外国人富裕層をターゲットにするということで、人気のホテルになるといいですね。


《追記 2016.5.12》
まだ、ホテル再開のニュースは聞かないのですが、冬の間に撮影した写真があったので、掲載します。

(2016年1月23日撮影)
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というのも、今は小樽グランドホテルクラシックで時は止まってますが、新しくなってどのように変わるか分からないので、現状を記録するということで。

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例えば、こちらにはレストラン「ラ・メール」と表示されているのですが、これもきっとなくなるのでしょうね。

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《追記 2017.7.8》
その後、詳細は報道されてませんが、残念ながら建物はそのままで、再開もされていません。
この話はなくなったのかな…


【関連記事】
旧越中屋ホテル
色内大通り/中央通り〜日銀通り


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2015年8月12日 (水)

夏季公開中の小樽市能楽堂(旧岡崎家能舞台)を見に行ってきました

先日、夏季公開中の「小樽市能楽堂」に見学に行ってきました。

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(見学に行ったのは8月3日です)

小樽市能楽堂の夏季公開ですが、公開自体は5月31日から始まっていて、期間は9月6日(日)までです。

時間は、9:00~17:30までなのですが、夜に催事がある日は、その催事終了時間までとなってます。

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小樽市能楽堂は「旧岡崎家能舞台」とも言って、小樽市指定歴史的建造物なんですよね。

その小樽市能楽堂は、小樽公園の北側の市民会館のすぐ近くの、小樽市公会堂の敷地内に公会堂と隣接して建っているのですが、外からはその様子が見えません。

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ちなみに、趣きある和風建築の小樽市公会堂も小樽市指定歴史的建造物です。

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公会堂に入って、すぐ左の階段を下りていくと、能面やパネルなどが展示しているスペースがあります。

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そして、そこから正面に、外から見えなかった能舞台を見ることができます。

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これが、小樽市能楽堂(旧岡崎家能舞台)ですね。

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一旦外に下りて、能舞台を近くで見ることもできますが、舞台に上がるのはNGです。

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この能舞台は、大正15年(1926年)の建築で、荒物雑貨商として財をなした岡崎謙という方が自宅に建てたものを後に市に寄贈して、昭和36年に公会堂の移設に伴って、現在地に移されました。

小樽市のHP内に、建物概要の記載があるので引用させていただきます。

荒物雑貨商として財をなした岡崎謙が、大正15年、入船町の自宅中庭に建てたもので、後に市に寄贈され、昭和36年、公会堂隣接の現在地に移されました。
檜の舞台をはじめ、要所には佐渡産神代杉(じんだいすぎ)が用いられ、格式にのっとった能舞台で東北以北唯一のものといわれています。
鏡板の老松、唐獅子、若竹は狩野派17代秉信(もちのぶ)が描いたものです。
大正15年1月舞台開きを皮切りに、芸道研さんのため中央から再三家元を招いて能楽を開催したといわれます。
小樽市 : 旧小樽区公会堂・旧岡崎家能舞台

ちなみに、公会堂の移設というのは、元々公会堂は現在の市民会館の場所に建っていたそうで、市民会館の建設の際に、公会堂は現在地に移設されたとのことです。

上記引用文中の鏡板の老松、唐獅子、若竹というのはこちらですね。

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いや〜、実際に見ると、とても趣があって、本当に格式と歴史を感じます。

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この見学の時、係の方が色々と説明をしてくれて、とても興味深く話を聞かせていただきました。

その話の中で、実はこの能舞台を移築する際に、後ろの控え室(楽屋)がない状態で移築されてしまったそうです(舞台奥に小さな出入り口があるのですが、その向こうは何もないということですね)。

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なので、正式な能楽堂とは呼べないそうで、そういう意味では“能舞台”ということになるそうです。

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それでも、最近はここで様々な催事が開かれていて、公開期間中も有料・無料様々なプログラムか実施されています

「旧岡崎家能舞台を生かす会」が、ここ小樽市能楽堂(旧岡崎家能舞台)の再建を目指し、そして小樽の能楽文化を広めるために、様々な活動をしています。

ということで、小樽市能楽堂夏季公開についてでしたが、ここが外から見えないというのもあって、公会堂に入って階段を下り、初めてこの能舞台を見たときは、こんなところにこんな立派な能舞台があるのに、結構驚いたものです。

小樽市民でも見たことがない方が多いかもしれませんね。

一般公開は9月6日(日)までです。興味のある方は見学に行ってみてはどうでしょうか。

※小樽観光協会のサイト「おたるぽーたる」にて、小樽市能楽堂夏季公開の案内が掲載されているので、有料のプログラムの開催日など、催事の予定を確認できます。
小樽市能楽堂夏季公開 | 「おたるぽーたる」
※小樽市の公会堂のサイトはこちら。
小樽市公会堂

ちなみに、ここは秋になると、周囲に柱が立てられ、冬を迎えるためにしっかりと雪囲いされるそうで、冬の間はかなりの雪に埋もれるそうです。

※小樽市能楽堂については、小樽市の公会堂のサイト内にも説明が記載されています。
小樽市公会堂 [能楽堂について]

※参考:能楽 - Wikipedia

【関連記事】
※昨年の様子です。
小樽市能楽堂夏季公開〜歴史的建造物の「旧岡崎家能舞台」が一般公開されてます

※公会堂に関する記事です。
小樽市公会堂(旧小樽区公会堂)と紅葉

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【おまけ画像】

能舞台から公会堂の建物を見たところ。
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公会堂横の紅葉橋の坂からみた能舞台。
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