
今年4月とちょっと前のことなのですが、静屋通りにある小樽の老舗の蕎麦屋「籔半(やぶはん)」に行く機会がありました。
「小樽・蕎麦屋・籔半」といえば、昭和29年(1954)創業の小樽の老舗蕎麦屋で、ここは市民のみならず観光客にもとても人気で、いつも混んでいるんですよね。

行くのはかなり久しぶりだったのですが、実はこの時はちょっと特別な集まりで、一緒に行った方に予約をとってもらい、初めて2階席でコースメニューをいただいたんです。
以前から、ここ籔半でゆっくりと食事をしてみたかったので、行く前からもう楽しみで楽しみで(笑)
籔半について

籔半は店舗外観からしてとても趣があり、店内もとても素敵なんですが、その建物について、ちょっと調べてみました。
※参照:蕎麦屋ひすとりー | 籔半
籔半は1976年(昭和51年)に、もともと現在地にあった古い割烹を再生再活用して、籔半三代目店舗として竣工しオープンしていますが、ここはもとはニシン漁で財を成した祝津の三大網元のひとつ・白鳥家の別宅の土地・建物だったそうです。
しかし、1986年(昭和61年)1月にその店舗が消失し石蔵だけが焼け残るという事態にあってしまいます。
その再建にあたって、ちょうどその時に解体されることになっていた富岡町の地獄坂にあった、五楽園とも呼ばれた旧金澤友次郎(ともじろう)邸の豪邸の母屋部分を解体後に移築再利用するんですね。
この時の店主は、小樽運河の保存運動の中心的な役割を担い、その後も運河を中心としたまちづくりに取り組み、小樽の、さらには後志の観光振興に尽力し続けた、二代目故小川原格氏です。
そして、1986年(昭和61年)に現在の店舗の姿になったそうなんですが、店内に入ると、その味わい深く趣ある雰囲気に目を奪われるほどです。
籔半2階奥の石蔵座敷の様子
料理の前に、この日の部屋は2階奥の石蔵座敷で、まずはこの部屋がなんとも素敵でした(写真撮影OKとのことでした)。

祝津の三大網元のひとつ、白鳥家の残した石蔵内ですね。




もちろん、2階に上がったのは初めてでしたが、いや〜、素敵です。
籔半のコースメニューを堪能する
では、ここからは、当日にいただいた料理写真を中心に掲載したいと思いますが、この日たのんだのは「粋に鯔背に宴会コース」4,950円 (4,500円+税)で料理9品のコースです。もちろん、籔半でコースをいただくのは初めてです。
飲み物は最初はビールで乾杯。

先付け:自家製蕎麦味噌

これはちびちびといかせていただきましたが、お酒が欲しくなりますね。
刺身:南蛮海老、帆立貝柱、ばち鮪

この段階で、すでに笑みがこぼれてきます。

汁物:親鳥かしわヌキ

これは、かしわ蕎麦の蕎麦を抜いたものですね。
ここでここでワインを。小樽の街なかワイナリー「オサワイナリー」の「おタテワイン」です。

小樽祝津産ホタテを“おタテ”とネーミングして、ブランド化を目指していますが、そのおタテをさらに美味しく楽しむために作られたという、やや辛口の白ワインです。
巻物:鉄火巻とカッパ巻の蕎麦寿司

これが中が米ではなくて、蕎麦なんですね。驚きと共に実に美味しい。

焼物/焚物:北海道滝川産合鴨照焼/小樽産にしん棒煮


これは今回のコースはどちらかということなんですが、それぞれが別なのをたのんで、どちらも味わいました。
お浸し:そばもやし

そばもやしというのがあるんですね。知りませんでした。
日本酒もたのみました。
(こちらがメニュー)

日本酒のメニューに隠し酒と称して銘柄を伏せ、ちょっと変わった名前がつけられているものがありましたので、今回はそれを。
いただいたのは、蕎麦屋親爺の隠し酒(超辛口の本醸造酒)と蕎麦屋板長の隠し酒(キレのある辛口の純米吟醸酒)です。すいません、それぞれの元の銘柄は失念…
飲み比べが分かりやすいようにと、グラスを別々なものを用意していただきました。いや〜、お心遣いに感謝です。


いや〜、それにしても、日本酒が料理にあいますね。たまりません。
料理は続きます。
天麩羅:海老、パーナ貝、エリンギ、茄子、シシトウ

お酒が進みます(笑)
そして、メインのお蕎麦です。
蕎麦:北海道産蕎麦せいろ

いや〜、これはありきたりな表現ですが、本当にコシや喉越し、風味が素晴らしくて美味しいです(もっと食べたい)。

蕎麦湯もいただきました。

デザート:柚子シャーベット

以上が籔半「粋に鯔背に宴会コース」でした。いや〜、堪能しました!こちそうさまでした!!
※参照:酒宴 | 籔半
おわりに
とっても美味しくて、贅沢すぎるひと時を過ごさせてもらいました。
また行きたいけど、次はいつになることやら。さすがにコースメニューはそうそう食べにいけませんから。けど、お蕎麦は食べにいきたいですね。
ということで、籔半2階の座敷でいただいた、大満足の宴会コースの様子でした。
※籔半 | おたる・蕎麦屋・籔半 麺遊倶楽部
【店舗情報】(お店情報は2023年4月時点でのものです)
営業時間:11:00~15:00/17:00~20:00(ラストオーダー)
定休日:毎週火曜、月2回水曜不定、月2回月曜は昼のみの営業
※食べログ情報:蕎麦・料理 籔半

※参考:書籍「小樽の建築探訪」小樽再生フォーラム編/北海道新聞社(Amazonで「小樽の建築探訪
」を探す)
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