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2025年2月25日 (火)

ニュースより/「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」が日本遺産に認定〜小樽市単独としては初

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少し前のニュースからで、ブログに取り上げるのが遅くなりましたが、日本遺産候補地域だった「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」が、2025年2月4日に文化庁の日本遺産に認定されたという嬉しいニュースがありました。

小樽市の日本遺産としては、「北前船」と「炭鉄港」に続いて3件目なのですが、小樽市単独の日本遺産としてはこれが初めてで、大袈裟ではなくて、関係者の悲願でもあったんですよね。

実はこの「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」は、以前にも申請したことがあったのですが、2020年6月の発表で一度落選してるんです。

で、文化庁は日本遺産の新規認定については、2020年度の募集で当面最後としたのですが、事業の見直しを経て日本遺産の候補地域の新設を決めて募集することになり、小樽も日本遺産候補地域への再チャレンジを決めて、まずは候補地域として認定されていた、という経緯があったんですよね。

まずは、再挑戦に際して、ご尽力された関係者の皆さん、本当におめでとうございます。市民としても、なんとも嬉しいです。

(小樽市役所に掲られた日本遺産認定を祝うパネル)
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日本遺産については、小樽市のHP内に記載があるので、引用させていただきます。

「日本遺産(JapanHeritage)」は、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(JapanHeritage)」として文化庁が認定するものです。ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形の様々な文化財群を、地域が主体となって総合的に整備・活用し、国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより、地域の活性化を図ることを目的としています。
日本遺産の認定について | 小樽市

ということで、そのストーリー作りがポイントとなるんですね。

正式には「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽〜「民の力」で創られ蘇った北の商都〜」で、北海道の心臓というのは、小林多喜二が随筆の中でそう表現したそうで、そこからつけたとのことです。

そのストーリーの概要について、、小樽市のHP内から引用させていただきます。

明治以降に、港と鉄道の大動脈により急速に発展していく小樽は、未来を夢見た人々の「民の力」によって北日本随一の商都となった。“北海道の『心臓』”と小説家・小林多喜二が表現したまちには、多くの歴史的遺産が生まれた。
やがて高度経済成長期に衰退した小樽は、荒廃した運河の埋立計画を契機に、忘れられていた遺産を「民の力」により保存、再生する道を選んでいく。
重厚な銀行建築、にぎわう運河とともに、路地のあちらこちらに、近代日本の姿を守り、活かす小樽市民の物語をみることができる。
ストーリーの概要と構成文化財(北海道の「心臓」と呼ばれたまち・小樽) | 小樽市

「民の力というのが、結構ポイントのようですね。

その構成文化財としては、天狗山からの眺望(小樽港)、旧手宮鉄道施設や運河の倉庫群、旧日本郵船株式会社小樽支店、日本銀行旧小樽支店、旧三井銀行小樽支店、色内銀行街や色内通り、堺町通りの商店の歴史的建造物、そして小樽運河そのものなど、26件を指定しています。

旧手宮鉄道施設
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旧日本郵船株式会社小樽支店
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日本銀行旧小樽支店
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旧三井銀行小樽支店
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小樽運河
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観光客で賑わう小樽運河
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※参照
「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」が日本遺産に認定されました。 | 小樽市
ストーリーの概要と構成文化財(北海道の「心臓」と呼ばれたまち・小樽) | 小樽市

ただし、観光客の視点に立った施設の不十分さが複数指摘されていて、日本遺産のストーリーを体感できる街歩きコンテンツや、北運河方面への誘導など、今後に向けた観光振興の取り組みについての課題が指摘されています。

とはいえ、まずは関係者の努力の賜物である、この日本遺産認定を喜びたいと思います。

これを機会に、小樽という街に息づく歴史と文化をさらに活用して、小樽がいっそう魅力ある街になっていくといいですね。

※関連ニュース
・2025年2月5日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄、第3社会欄(日本遺産に認定)
・2025年2月5日・6日・7日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(ストーリーに込めた思い/上・中・下)
日本遺産認定 “北海道の心臓と呼ばれたまち・小樽”(小樽ジャーナル)
日本遺産「古代日本の『西の都』」が初の取り消し 小樽と入れ替え:朝日新聞
北海道:小樽「発展と再生」認定…日本遺産、PR人材育成の実績評価:地域ニュース : 読売新聞

※過去の関連ニュース
・2024年9月26日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(現地調査実施)
・2024年8月6日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(審査向け戦略)
・2024年7月24日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄・第4社会欄(日本遺産へ向けて前進)
・2024年5月23日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(観光庁「優れた英文解説」選定)

※参考
日本遺産の認定について | 小樽市
日本遺産ポータルサイト|文化庁が認定する日本の文化・伝統

【関連記事】
※関連する過去記事より。
ニュースより/小樽市が日本遺産に単独の地域型で申請していた「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」は認定ならず
小樽の文化遺産「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」のロゴマークが決定
小樽市総合博物館本館で企画展「百年の礎 北海道の心臓と呼ばれたまち」【2022 小樽市制100周年記念事業】開催中(11月3日まで)
運河保存運動の資料を集めた「小樽運河保存運動まちづくりセンター デジタル資料館」がネット上に公開されています

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コメント

小梅様。日本遺産は世界遺産に比べると、認知度が低いかもしれませんよね。かくいう小生も、日本遺産が2015年に文化庁の肝煎りで創設されたものだとは、全く知りませんでした。近代小樽の歴史の歩みとそれを証する建造物や街並み、そして行政や市民の小樽の「新しい創成」活動が評価されての認定は嬉しい限りです。

一方で小梅さんが指摘されているように、認定を維持して行くにはストーリー構成や更なる周知徹底などの努力が課されている訳ですので、今後の活動がまさに正念場ですね。実際その努力が見られないということで、大宰府政庁跡が認定から外されましたし・・・。

フランスにも「フランスで一番美しい村Les plus beaux villages de France」という認定制度があり、これも数年ごとの検査によって、村の美しさを保つ努力がなされていない、と判断された場合は認定が取り消されるとのことです。

小樽を離れて長年月になりますが、私なりに協力できることはないものか、と考える次第です。

投稿: 小樽望郷 | 2025年2月26日 (水) 06時27分

小樽望郷さん、こんばんは。
ブログサービスの障害が復旧しまして、当記事と小樽望郷さんからのコメントについても復旧しました。
せっかく書いてくださったコメントが、一度消えてしまい申し訳ありませんでした。
当記事のコメント内容を、別記事に改めてコメントしてくださってありがとうございました。
そちらへの返信と重複してしまいますが、今回の小樽単独での日本遺産認定は、本当に明るい話題で、関係者の努力が評価されて、一市民としても嬉しい限りです。
ただ、確かに認定取り消しということもあるので、今回の日本遺産認定をスタートとして、小樽の歴史と文化を一層活用して、小樽がより魅力ある街になっていくといいですね。
フランスにも「フランスで一番美しい村」という制度があるのですね。
それと同様に、いかに認定条件を維持しつつさらにその先に進めていくかということが、大変ですが求められるのでしょうね。

投稿: 小梅太郎 | 2025年3月 2日 (日) 18時31分

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