ニュースより/小樽港の北防波堤の約20年かけた改修工事が2024年12月に完了〜本体のコンクリートブロックの耐久性には問題なし
昨年末のニュースからなのですが、小樽港の北防波堤の改修工事が2024年12月に完了したというニュースがありました。2024年12月29日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄に掲載されていました。
小樽港の北防波堤は1908年(明治41年)にできて、今もなお現役で小樽港を守り続けている防波堤ですが、完成後初の本格的な大規模改修工事だったんですね。
改修工事は北海道開発局小樽開発建設部が約20年かけて行ってきたそうで、その期間の長さもですが、一番の驚きが、基礎など一部で修繕が必要だったものの、なんと本体のコンクリートブロックの耐久性には全く問題なかったそうです。
これだけ長い年月が経ちながらも根本的な問題がないとは、当時の技術の高さをあらためてうかがい知ることになったようです。
ニュースによると、改修工事は建造時の構造を維持しながら、必要に応じて基礎を整形し直したり、波の影響を受けにくくするため被覆石をブロックで覆ったりする工事を行ったそうです。
あらためて小樽港の手宮側から伸びているこの北防波堤についてですが、小樽港の防波堤工事の第1期工事として、この北防波堤を建設したのが、初代小樽築港事務所長で「港湾工学の父」とも呼ばれる廣井勇です。
明治30年(1897年)に着工して、11年の歳月をかけて1908年(明治41年)に完成した廣井勇による北防波堤は、日本人技師として初めての本格的外洋防波堤建設の成功となったんですよね。
建設には、コンクリートに火山灰を混入して強度を増す方式を考案したり、コンクリートブロックを斜め積みする「スローピング・ブロック・システム」という工法の採用など当時の最新技術が用いられていて、その歴史的価値から北海道遺産、土木遺産に選ばれていて、さらには日本遺産「炭鉄港」の構成文化財にもなっているんですよね。
ということで、完成して100年以上経ても問題なく機能している小樽港の北防波堤は、長期にわたる改修工事を終え、これからも小樽の港を守り続けていくのですね。
※参考
・小樽港北防波堤 - 炭鉄港ポータルサイト
・ストーリーの概要と構成文化財(炭鉄港(たんてつこう)) | 小樽市
・小樽みなとと防波堤 | 各地の北海道遺産 | 次の世代に残したい北海道の宝物 北海道遺産
・小樽散歩案内(発行:有限会社ウィルダネス)
【関連記事】
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・完成してから100年を超える小樽港の防波堤を紹介するパンフレット「百年片思」が発行されています
・運河公園に建つ2つの銅像は、小樽港の近代化に深く関わりのある廣井勇と伊藤長右衛門
・手宮公園内に建つ北防波堤建設に従事した青木政徳の功績を讃える石碑
・運河公園〜北運河エリアの噴水のある公園〜かつて日本郵船の荷物を積み降ろすための船入澗や倉庫群のあった跡地に造られた公園
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