緑町の高台に建つ巨大な白い建物「グリーンヒルガーデン」ってどんな建物!?今はどうなってるの!?(※北海道新聞の記事より)
緑3丁目の高台に、山の木々を背景にして巨大な白いホテルか大型マンションかと思われる建物がそびえ立っています(※写真は2019年12月撮影です)。
その姿は市内のあちこち遠くからでもはっきりと目に止まり、以前からこの建物はなんだろう、マンションのようだけど、こんな巨大な建物がなぜ建てられたのか、そして、入居者はちゃんといるのだろうか、などという疑問が何気にあったんです。
そうしたら、その疑問に対する一発回答の新聞記事が2024年7月9日付北海道新聞朝刊経済欄に掲載されていました。
まずこの建物は「グリーンヒルガーデン」という名称なのですが、せっかく疑問に思っていたことが明らかになったので、その新聞記事を元に、このグリーンヒルガーデンについて書き留めておこうと思います。
※以下、2024年7月9日付北海道新聞朝刊経済欄掲載の記事内容を参照しています。
グリーンヒルガーデンが建てられた経緯
この緑町の高台に建つグリーンヒルガーデンは、8階建てのマンションで、約140室あるそのほとんどがワンルームとのことです。
もともとは、バブル経済真っ只中の1989年に、当時の先端産業の道内進出として、独立系ソフトウェア開発会社「テーエスデー」(東京)がソフトウェア開発と人材教育のための施設「小樽国際ソフトウェアセンター」を着工すると発表し、それがこの建物だったんですね。
120人規模の従業員が住み、その場でソフト開発を担う職住一体の施設として、地域の雇用の受け皿としても期待されたのですが、ほどなくバブルは崩壊。巨額の赤字となったテーエスデーは1993年に小樽進出の断念を発表します。
ただ、その後も工事は続けられ、1993年11月に建物は完成しますが、テーエスデーは同月、東京地裁に自己破産を申請。建物は建設元請けだった商社が保有するも1年半ほどで売却され、その後は学生などを対象とした賃貸向け不動産として転売が続いたそうです。ちなみに、建物の総工費として、当時約21億円が投じられたとか。
ここで興味深いのが、それでこの巨大な建物がその後に無駄になってしまったかと思いきや、なんと現在、この巨大なマンションはほぼ満室状態なんだそうです。
さて、それはどういうことか。
現在のグリーンヒルガーデンの状況
現在の建物の所有者は道内外で介護施設を多く運営している上場会社、リビングプラットフォーム(札幌)の子会社とのことで、2015年に購入した当初は、近くにある小樽商大に通う留学生が多くの部屋を借りていたそうです。
ただ、商大に近いとはいえ、立地的には建物は厳しい坂の上で駅までも遠く、例えばアルバイトに通うのも大変で、少しずつ空室が増えていったそうです。
その時に大くの部屋をまとめて契約したのが、後志道の余市インターチェンジ(IC)までの工事を担う建設会社だったそうで、一人暮らしが多い建設作業員向けに一人部屋をまとめて確保できるこのグリーンヒルガーデンが好都合だったんですね。
この時期、小樽など後志管内では大規模なインフラ工事が続き、2018年に後志道が開業すると、今度は北海道新幹線の札幌延伸工事を担う建設会社が入居することになるんですね。
なるほど、長期にわたる大規模な工事の作業員の住居として確保されたのですね。しかも、ここは駐車場が広くて、場所が坂の上の高台にあるものの、建設現場までの足となる車を一人一台持てるのもメリットとなったそうです。
さらに現在、低層階には訪問介護の企業も入居していて、なんとこの巨大なマンションはほぼ満室状態で、新幹線の札幌延伸延期もあって、この状態はしばらく続きそうとのことなんですね。
工事関係者の入居がなくて空室が増え続けていたなら、建物の解体ということも考えられ、これだけ巨大な建物だと、解体には大変な費用がかるところですが、今のところは工事関係者などの安定した入居があるので、当面は現状のままだそうです。
※参照ニュース:2024年7月9日付北海道新聞朝刊経済欄
おわりに
この巨大な建物にも、なかなか興味深い歴史があるんですね。
バブル時の産物といえばそうなんですが、建設当時の目的からは大きく変わったものの、今も時代に合わせて地域の需要にうまく応えながらその役割を果たしている、ということなんですね。
ということで、以前からどんな建物なのか気になっていた、緑町の高台に建つ巨大な白い建物「グリーンヒルガーデン」について、2024年7月9日付北海道新聞朝刊経済欄に掲載された記事のおかげで詳しく知ることができたので、ブログにも書き留めておきました。道新に感謝です。ありがとうございます。
【関連記事】
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コメント
生前父が「バブル崩壊の産物なんだよなー」
と建物をバスの中から眺めていました😎
現在入居者がいるのは知らないので
びっくりしているかもです
投稿: あゆ | 2024年10月29日 (火) 07時01分
あゆさん、こんばんは。
確かに“バブル崩壊の産物”のようですが、現在もしっかり入居者がいて、しかも満室状態というのは、ちょっと驚きかもしれませんね。
投稿: 小梅太郎 | 2024年10月30日 (水) 00時22分