ニュースより/小樽市内の戦後建築について文化財としての評価のための調査が進められています〜公共的な建物8件対象
先日、小樽市内の戦後建築について、日本建築学会北海道支部が調査を進めているというニュースがありました。2024年6月12日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄に掲載されていました。
ニュースによると、対象は1950〜60年代に建築された建物で、調査は本年度末までの2年間で、文化財としての価値を評価するそうです。
今回調査の対象施設は次の8件で、図面などの資料が集めやすく、現存が確認できる公共的な建物に限定しているとのことです。
1951年(昭和26年)建築/旧市消防本部庁舎
1952年(昭和27年)建築/旧小樽地方貯金局(現市立小樽美術館・文学館)
1953〜57年(昭和28〜32年)建築/小樽中央市場、旧小樽中央卸市場
1956年(昭和31年)建築/旧小樽電話局、市産業会館
1957年(昭和32年)建築/旧市立石山中
1961年(昭和36年)建築/旧小樽拘置支所
1962年(昭和37年)建築/市役所本庁舎別館
1963年(昭和38年)建築/市民会館
旧市消防本部庁舎って現在の和食の庄坊番屋の建物かな(違っていたらごめんなさい)。あれ?旧小樽中央卸市場って解体中では?
ちなみに、日本建築学会北海道支部は1992年に市教委の委託を受け、市内の戦前・戦中建築について調査を行っていて、把握した2357棟のうち主要な508棟を詳しく調べてリストを作成し、ここから指定されたのが、現在79件ある小樽市指定歴史的建造物です。
ニュースによると、戦前・戦中建築に関する調査や、文化庁が建築から原則50年を経過した建物を登録有形文化財の対象としていることを踏まえて、戦後建築に関する調査実施を決定したそうです。戦後建築で増えた鉄筋コンクリート造りの耐用年数が一般的に50〜60年とされていることからも早期の調査着手が必要とのことなんですね。
小樽には明治後期から大正、昭和初期の歴史的建造物が多く残っていて、小樽市指定歴史的建造物の他に国の重要文化財に指定されているものもありますが、考えてみたら上記の市民会館ですでに築61年になるんですからね。もう立派な歴史的建造物ですね。
ニュースによると、具体的には建物の規模や構造、設計者のほか、地域性や時代背景の影響を受けた建築なのかどうかを調査・分析し、歴史的価値があると判断された場合には、保全と活用に向けた課題や方策を検討するそうです。
この調査は、今後を見据えた試験的な調査とのことで、来年度以降は、調査対象施設を増やすほか、道内の他自治体でも調査を進める考えとのことです。
今回の調査結果、そして今後の保全に向けての動向がとても気になりますが、これからは戦後建築についても注目されていきそうですね。
※参照ニュース:2024年6月12日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄
※小樽市指定歴史的建造物 | 小樽市
※小樽市の文化財 | 小樽市
【関連記事】
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・市立小樽文学館・美術館の建物は旧郵政省小樽地方貯金局
・小樽中央卸市場が2024年3月末で閉鎖となりました(現在は解体作業中)
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