小樽の無人駅「蘭島駅」の様子
海水浴場でおなじみの蘭島地区について、連載を持たせてもらっているフリーペーパー「小樽チャンネルマガジン」(編集発行:株式会社K2)の2023年7月号(Vol.92)にて、「蘭島を歩く〜蘭島駅から海岸周辺へ〜」というタイトルで記事を書かせてもらいました。
その時、タイトルのどおりに蘭島を歩いてきたわけですが、小樽チャンネルマガジンに掲載できなかった話題や写真などがまだあるので、数回に渡り当ブログで掲載したいと思います。小樽チャンネルマガジンの記事の補足といった感じでしょうかね。
で、今回はそのうちの蘭島駅の様子です。
ちなみに、蘭島を歩いてきたのは、海水浴場シーズン前の6月22日と、ちょっと前のなのでご了承を。
蘭島駅の様子
このブログでも過去に何度か蘭島駅の様子はお伝えしているのですが、2030年度末に予定されている北海道新幹線札幌延伸に伴い、JR北海道から経営分離される並行在来線函館線の長万部〜小樽間は、鉄路廃止と全線バス転換とする方向性が決定しているるんですよね。
つまり、将来的にはこの蘭島駅は、お隣の塩谷駅と共に廃駅になる予定とのことで、そんなことも思いながら今回は蘭島駅をゆっくり見てきたので、あらためて掲載しますね。
小樽の西の端に位置する蘭島駅は無人駅で、小樽駅から小樽〜塩谷〜蘭島という順番で、その先はお隣の余市駅になりますね。
こちらは余市駅方面ですが、まっすぐ続く線路の風景がローカル線ならではの風景で、なんだか郷愁を誘う風景でもあります。
駅の山側すぐ横には。見えないんですが蘭島川が流れています。
以前は簡易委託駅といって、窓口でご近所の方が乗車券類の発売のみ行なっていたそうですが(以前、コメントで教えてもらいました)、現在はそれも廃止になったようですね(※参照:蘭島駅 - Wikipedia)。
国道5号線から少し入ったところに、ポツンと建っているんですよね。
海水浴場として古くから人気の蘭島ですが、昭和30年代などは夏になるとこの蘭島駅が海水浴客でごった返して、臨時列車も増発され、駅から海岸までの道のりも人であふれていた、なんていう話をよく聞きますよね。
蘭島駅の駅舎の半自動ドア
そうそう、蘭島駅の駅舎の2箇所のドアは、半自動ドアと書かれているんです。
これはどういうことかというと、こういうことです。
なるほど〜
蘭島駅の歴史
ここでちょっと蘭島駅の歴史についてですが、蘭島駅の歴史は古く、函館~小樽を結ぶ路線で、明治35年(1902年)12月に然別~蘭島間の部分開通により蘭島駅が開業しています。
その翌年の明治36年(1903年)6月に蘭島~小樽(当時は小樽中央駅)間が開通します。
明治37年10月には函館から小樽までの全線が開通しているのですが、その時に一旦、駅名が「忍路」駅になってます(小樽中央駅は高島駅に)。
この時はまだ、すでにあった幌内鉄道(旧手宮線)とこちらは繋がっていなかったのですが、明治38年8月に2つの路線が繋がると(現在の小樽駅と南小樽駅間です)、同年12月に忍路駅が蘭島駅に、高島駅が中央小樽駅に改称されます。
ちなみに、中央小樽駅が小樽駅になるのは大正9年(1920年)のことで、それまでは現在の南小樽駅が小樽駅という名称だったんですよね。
※参考
・「小樽散歩案内」(佐藤圭樹/有限会社ウィルダネス)
・「小樽市総合博物館公式ガイドブック」(有限会社ウィルダネス)
・「おたる案内人テキストブック」小樽観光大学校運営委員会編
・新ねっとわーく小樽2016年7月号(No.24)蘭島(有限会社ウィルダネス/どうしん小樽販売所会)
蘭島駅でのワンマン列車の乗り降りについて
2023年8月現在、小樽〜蘭島で所要時間約18分、片道340円となっています。
蘭島駅でのワンマン列車の乗り降りは戸惑うかもしれません。
ここを走るのはだいたいワンマン列車で、この場合、蘭島の無人駅での乗降時は、進行方向一番前のドアだけが開いて、そこから乗り降りするんですよね。知らないと焦ります(お隣の塩谷駅もです)。
例えば、小樽駅から乗車の場合、駅で買った切符は、列車を降りる時に一番前にいる運転士に渡します。あっ、ドアは自動ではなくて、自分でボタンを押して開けます。
駅は無人で改札もないので、駅舎を通らなくてもそのへんから出て行けちゃいます。
蘭島駅から乗車する際は、切符は売ってないので、乗車時に車内で整理券を取って、小樽駅下車の場合は改札窓口で整理券とともに清算します。
※無人駅の列車の乗り降する方法についての記事です。
今さら聞けない、無人駅の塩谷駅と蘭島駅で列車を乗り降りするにはどうするの?〜余市・倶知安方面ワンマン列車の乗り方
おわりに
今回、蘭島を歩いてきたのは、海水浴場の開設前で、駅周辺や海岸などには人はほとんどいない時期(6月22日)だったのでご了承を。
小樽もまだまだ暑い日が続いるものの、お盆も過ぎ、市内の海水浴場は順次開設期間を終了しますが、蘭島海水浴場の開設期間は8月20日(日)までとなっています。
ということで、以前も蘭島駅については書いたことがあるのですが、今回改めて蘭島駅について紹介してみました。
※以前の蘭島駅の記事はこちら。
・小樽の西の端「蘭島駅」はとても静かな無人の駅
・可愛い駅舎の蘭島駅の様子〜かつては海水浴客で大混雑した駅ですね
【関連記事】
・小樽チャンネルマガジン2023年7月号(Vol.92)〜今号は「蘭島を歩く〜蘭島駅から海岸周辺へ〜」
・小樽市の2023年夏の海水浴場の開設は5か所(小樽市HPより)〜朝里海水浴場が開設見送り
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コメント
前後しますが蘭島シリーズ堪能しました。学生時代海水浴シーズンは帰り満員で乗車も大変でした。多くの人は蘭島駅から海岸へ向かう道しか馴染みがないと思います。東京に例えたら23区外青梅市?! 新幹線賛否云々は今更なので止めますが第3セクター通り越し廃線廃駅とは…。良き時代に小樽に暮らし思春期過ごせて感謝しかありません。
投稿: 夢の彼方へ | 2023年8月25日 (金) 19時51分
蘭島駅は小学校のときには夏の水泳講習会での行き帰りが特に思い出されます。
たしか今の跨線橋と駅舎の間に臨時の改札口があり海水浴客も講習会の市内の生徒でごったがえしていた記憶があります。
『男はつらいよ』の第15作『寅次郎相合い傘』では寅さんやリリーさん達が蘭島海岸で遊んだあと、駅寝したシーンは改築前の蘭島駅でしたよね?
投稿: 熊碓太郎 | 2023年8月27日 (日) 15時54分
夢の彼方へさん、こんばんは。
蘭島シリーズ、楽しんでいただけたでしょうか。
満員の列車への乗車は大変でしたよね。
そうなんですよね、私も以前は駅から海岸へ向かう道しか知りませんでした。
廃駅というのは、驚きですよね、このなじみの駅がなくなるとは…
熊碓太郎さん、こんばんは。
小学校の時に、蘭島へ水泳講習会に行かれたていたのですね。
なるほど、あそこに臨時の改札口が!!
確かに、ごったがえしていたのでしょうね。
すいません、寅次郎相合い傘の内容は覚えてないのですが、蘭島海岸で遊んで駅寝するシーンがあるのですね!!見る機会があったら確認したいと思います!!
投稿: 小梅太郎 | 2023年8月28日 (月) 03時17分