ニュースより/小樽市総合博物館展示の電気機関車2両「ED75 501」と「ED76 509」に有害なPCB〜8月にも解体方針
小樽市総合博物館本館で屋外展示されている電気機関車「ED75 501」と「ED76 509」の2両の変圧器に、有害な高濃度ポリ塩化ビフェニル(PCB)が含まれるため、この2両が8月にも解体される方針というニュースがありました。
2023年6月8日、及び6月30日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄に掲載されていました。
ニュースによると、今年4月の専門業者による調査で判明したとのことで、現状は処理するためのスペースの確保も難しく、また、屋外展示で金属の腐食が進み該当する部品だけを取り出す作業も難しいとのことで、8月にも解体する予定とのことです。
ED75は1963年から製造された電気機関車で、その中で「ED75 501」は道内鉄道の電化に伴い試験用に1966年に1両だけ製造された特別仕様車とのことです。1986年に引退していて、2010年にはJR北海道の準鉄道記念物に指定されています。
ED75の改良型となるED76は、道内電化後の主力電気機関車として、1994年まで現役で使われたそうです。
ちなみに、同じくED76を静態保存する三笠市の三笠鉄道記念館では、2014年に解体はせずにPCBを含む変圧器だけを撤去し・外観を残したまま、現在も見学が可能になっているんですね。
ただ、三笠では屋内展示なのに対し、小樽市総合博物館では屋外展示のために金属の腐食が激しく、そのためもし部品除去をしようとした場合、屋根や外壁が崩れ落ちる恐れも高いそうです。
現在も鉄道ファンから解体反対の声が上がっていることもあり、市幹部は解体はやむを得ないが、少しでも保存展示できる部品を増やしたいとのことです。
で、先日見に行ってきたので、写真を掲載しますね。
まず、こちらが「ED75 501」。屋外に出て右側ずっと奥に展示してます。
この件に関しては、小樽市HP内に小樽市総合博物館の石川直章館長から「小樽市総合博物館所蔵の電気機関車内で確認されたPCBを含む機器の処理について」という状況の説明が掲載されていますので、参考までに。
※電気機関車のPCB処理について | 小樽市
それによると、大型変圧器以外にもコンデンサの一部にPCBが含有されていることが判明しているそうで、これら以外にもPCBが使用されている可能性のある部品が1両当たり数百点あると指摘されているとのことです。なので、現実的にも“解体せざるをえない”とのことなんですね。
解体の具体的な日程は未確認ですが、8月にも解体される方針とのことですので、気になる方は小樽市総合博物館本館に早めに見学に行ってみてはいかがでしょうか。
※電気機関車のPCB処理について | 小樽市
※参照ニュース:2023年6月8日・6月30日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄
※参考
・「小樽市総合博物館公式ガイドブック」(有限会社ウィルダネス)
・環境省_ポリ塩化ビフェニル(PCB)早期処理情報サイト_PCBとは?なぜ処分が必要か?
【本館の入館料・休館日について】
※見学には入館料が必要です(本館は現在、夏期料金)。
一般400円、高校生・市在住の70歳以上の方200円、中学生以下無料。
※その他、運河館との共通入館料や団体割引などの詳細は、小樽市HP内の「開館時間・休館日・入館料 | 小樽市」で確認してください。
※本館の休館日:火曜日(祝日の場合は翌平日)
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コメント
先日見に行ってきましたが、仕方ないとは思いますが大変残念です。
ED76の隣に保存されているC55も煙突が破損しているようで煙突部分が青いビニールシートに包まれていました。
屋外保存は大変なのでしょう
他の車両も劣化が激しくあと何年この姿を見られるのかと思いながら見てました。
投稿: 熊碓太郎 | 2023年7月14日 (金) 12時41分
熊碓太郎さん、こんばんは。
熊碓太郎さんも見に行かれたのですね。
連絡をありがとうございました。私もさっそく見に行くことができ、記事にしました。
やはり、該当する部品だけを取り出すというのは難しく、やむを得ないのですね。
屋外展示は大変そうですよね。
それに、屋外展示という形態である以上、展示の車両たちもいずれは劣化して見られなくなるのでしょうね。
投稿: 小梅太郎 | 2023年7月15日 (土) 02時51分
熊碓神社のお祭りにあわせて行ってきました。次に小樽に行くのはお盆になりますが、そのときまた見に行ければと思っています。あと別の記事にもあるように緑町にあった青少年科学館の展示も懐かしかったです。100円手に入れば行ってました。
投稿: 熊碓太郎 | 2023年7月20日 (木) 20時21分
熊碓太郎さん、こんばんは。
当初の報道では“8月にも解体作業を始める方針”とあったのですが、すでに解体作業が始まっているようです。
思いのほか早くに解体されてしまうかもしれませんね。
科学館、やはり行ってましたか!!懐かしいですよね。
投稿: 小梅太郎 | 2023年7月21日 (金) 02時17分