住ノ江の火の見櫓〜「小樽住ノ江の火の見櫓をまもる会」が保存のために活動中
住之江会館前の緩やかな坂道沿いに、火の見櫓(やぐら)が建っています。
この住ノ江の火の見櫓は、老朽化が進んで倒壊の恐れも心配され、費用負担の面からも保存・維持は困難とのことで、昨年(2022年)冬に一旦解体の方針が決まったというニュースがあったんですよね。
で、この状況を受けて、2022年3月に有志による「小樽住ノ江の火の見櫓をまもる会」が設立されました。
そして、小樽住ノ江の火の見櫓をまもる会が同年6月に無償で譲り受けて管理することになり、解体は免れ保存されることになったんですよね。で、現在は保存のために様々な活動を行っています。
地域の目印にもなっているこの火の見櫓は、鋼鉄製で高さ14mあります。1927年(昭和2年)建設で、施工は地元の中嶋鉄工所。1986年(昭和61年)に住之江会館の建て替えに伴い、山側の現在の場所となったそうです。
歴史的にも火の見櫓自体が現在では珍しく、さらにこの住ノ江の火の見櫓は戦前に完成し、戦時中の金属供出を免れた鋼鉄製という点でも珍しく、見張り台に残る半鐘も貴重とのことなんですね。
会が状態を調査したところ、やはり老朽化が進んでいて、一刻も早く補修が必要とのことで、補修工事費は約250万が必要で、現在、助成金や寄付を募っているところとのことです。
また、国の登録有形文化財を目指す活動も行っていて、実際に登録有形文化財となった火の見櫓は、全国に数基あるそうです。
昨年からは、住民、市民への周知活動にも取り組み、パンフレットを作成し、ツイッター(@suminoe_yagura)での情報発信もしているので、状況はそちらで確認できます。
実際に見に行ってみると、周囲や火の見櫓に絡まる草も綺麗になり、サビ取りもしたそうで、現在は、案内板もとりつけられてますね。
左横の銘板は昭和61年の移設の時のもので、さらに上には施工者を記したものもあるそうです。
そうそう、実は先日の住吉神社の例大祭の際には、ライトアップを実施して、オリジナルグッズの販売も行ったんですよね。グッズはトートバック、Tシャツ、ボールペンがあったそうです。
住吉神社の例大祭の露店は、神社横から火の見櫓のすぐ近くまでの道路沿いにも並ぶので、目に止まった方も多かったのではないでしょうかね。
ということで、住ノ江の火の見櫓の保存のために「小樽住ノ江の火の見櫓をまもる会」が活動中です。まずは早くに補修工事ができるといいですね。
※Twitter:小樽住ノ江火の見櫓(@suminoe_yagura)
※参考:2022年7月23日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(昨年の記事です)
【関連記事】
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コメント
この火の見櫓も、住吉神社の一部だと思いますよね。
投稿: 西村伸一 | 2023年7月21日 (金) 12時32分
西村伸一さん、こんばんは。
こちらにもコメントありがとうございます。
住吉神社とともに、この地区のシンボルになるといいですね。
投稿: 小梅太郎 | 2023年7月22日 (土) 03時47分