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2023年6月14日 (水)

かつてあった「北浜町」〜その名を残す北浜橋と北浜岸壁【小樽の古い町名の痕跡を探せ!!】

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小樽には、かつてあったものの今はもうなくなった町名というのが結構あり、街歩きをしていると、そんなかつてあった町名の痕跡をふと目にすることがあります。

ということで、シリーズ【小樽の古い町名の痕跡を探せ!!】です。今回注目した古い町名は「北浜町」です。

北浜町は“浜”と付いた名前から予想できるように港の近くで、やや市の北寄りにあった町名なんですよね。

※写真は過去撮影のものから掲載していて、季節がまちまちなのでご了承を。

北浜町について

その北浜町が設置されたのは明治32年(1899年)で、区政施行により高島郡から編入されています(北浜町の名前はそれ以前の明治19年に付けられたようです)。

ちなみに、この時高島郡から6町が編入しているのですが、その6町は色内、稲穂、手宮、手宮裡、南浜、そして北浜となっています。

その北浜町は、昭和43年(1968年)の大きな町名改正時に色内へと編入されて、町名は廃止になりました。

ここで古い地図を見でみます。これは市立小樽図書館デジタルライブラリー内にある、1950年(昭和25年)〜1956年(昭和31年)の間に作成されたと思われる小樽市内図を拡大したものです。
※当地図は市立小樽図書館の許可を得て掲載しています。コピー・転載等不可です。Kitahama_101-076_otarushinaizu
※市立小樽図書館デジタルライブラリー古地図No.101「小樽市内図」(市立小樽図書館所蔵)より(クリックすると拡大します)。

これを見ると、北浜町は現在の北運河を中心に横長にあった町なのが分かります。

そうそう、お隣には北浜町と対に南浜町もあるんですよね。先ほどの高島郡から編入した6町に中にも入っていますが、北浜町と南浜町は設置も廃止も一緒です。ただ、今のところ南浜町の痕跡は目にしていません。

今も残る町名の痕跡〜北浜橋と北浜岸壁

さて、そんな北浜町の痕跡ですが、今のところ二つ目にしました。

一つ目は北運河にかかる「北浜橋」です。

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北浜橋は運河の北側の最後に架かる橋です。

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ちなみにこの橋の海側は北海製罐の敷地になって一般は入れないので、反対側には渡れない橋なんですよね。

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すぐ横には小樽市指定歴史的建造物の旧渋澤倉庫が建っています。

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明治25年(1892年)頃に建てられた、3つの倉庫が前後に連なったような形が印象的な木骨石造の旧渋澤倉庫は、現在はプレスカフェ(PRESS CAFÉ)とライブ・シアター・小樽GOLDSTONE(ゴールドストーン)が入っています。

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この北浜橋からの眺めがなかなか良くて、運河の風景と一緒に遠くに天狗山を眺めることができます。

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こちらは北側の風景で、運河の端っこが見えますね。
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※北浜橋


そして、もう一つが「北浜岸壁」です。

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北浜岸壁は、釣り人にはお馴染みだと思いますが、一般にはあまりその名称を目にすることはないかもしれません。地図とかにも普通は載ってないんですよね。

ただ、小樽市HP内で検索すると、小樽港関連の資料などに時折掲載されています。
※参考(例えば以下の市の資料内に北浜岸壁の記載を見つけられます)
小樽港長期構想(令和2年12月)(pdf) 
第3回小樽港長期構想検討委員会 資料 (pdf)

場所は色内埠頭のすぐ北側の岸壁になります。かつての北浜町の岸壁ということなんでしょうね(その北側の並びは手宮岸壁という名称になるようです)。

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(こちらは冬の様子)
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※地図でいうと北浜岸壁はこのあたり。


おわりに

小樽市では昭和42年~44年にかけて大きな町名改正があって、そこで多くの町名が廃止になっているのですが、そのころの町名の痕跡って、まだ残っているんですよね。

ということで、今回はかつてあった北浜町の痕跡として、今のところ目にした痕跡は2つだけなんですが、北浜橋と北浜岸壁を紹介しました。

運河周辺の町名なので、かつて住んでいたという方は少ないのかもしれませんが、北浜町で働いていたという方は結構いらっしゃるかもしれませんね。

※参照
・「地図で歴史を探る 小樽の町名変遷を見る」高橋悦郎 著 1979.8(市立小樽図書館所蔵)
・「おたる案内人テキストブック」小樽観光大学校運営委員会編

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※小樽の古い町名の痕跡関連の記事はカテゴリー「小樽の古い町名の痕跡」にまとめています。

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