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2022年10月15日 (土)

朝里の柾里神社に行ってきました ※柾里神社関連ニュースもまとめてます

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朝里駅の東側(札幌方面)、朝里4丁目の朝里墓地の奥の木々が生い茂る林の中に、柾里(まさり)神社という小さな神社があります。

先日、その柾里神社に初めて行ってきました。

場所は、地図上で見ると、位置的には国道5号線から海側に入っていったところですが、行くには朝里墓地から向かうと、たどり着くことができます。今のところ、案内板などは見当たりませんでした(最後に地図を掲載してます)。

実はこの柾里神社について、最近、北海道新聞小樽・後志欄で続けて紹介されていて、私もとても興味をひかれて、それで今回見に行ってきたんです。なので、まずはそれらのニュースについて、書き留めておこうと思います。

柾里神社は朝里地区の歴史ある神社で、最初に掲載されたのが、2022年9月3日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄の神社が倒壊の危機にあるというニュースでした。

ニュースより/小樽・朝里の柾里神社倒壊の危機

小樽に現存する最古の社殿といえば、1849年(嘉永2年)に建てられた忍路の津古丹稲荷神社本殿といわれてますが(建造物として最古)、ニュースによると、渡島管内福島町の町史に、柾里神社は1798年(寛政10年)に福島町の神主がニシン漁で朝里地区に訪れた際に建立した、と書かれているそうです(移転は複数回しているそうです)。

そうなると、柾里神社は現存する市内最古の社殿、ということになり、まだこれは公式としては明らかにはなっていないようですが、なかなか興味深い話ですよね。

神社内からは、今年5月に「寛政元年」(1789年)と記された木製のキツネ像も見つかっているそうです。

(こちらが柾里神社)
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(神社からは海が見えます)
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柾里神社は、建立以来、主に漁業者が氏子として運営を支えてきたそうですが、朝里地区の漁業の衰退とともに氏子も減少し、5年前をもって神社を運営する人がいなくなり、神社自体の存在も忘れ去られていったそうです。

この状況に、地域住民による「朝里遺産の会」が、今春から参道の草刈りや倒木の撤去などの整備活動を進めてきたそうです。

(整備された参道)
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ただ、ニュースでは神社の柱の真上に落ちた、裏山からの直径50cmほどの大きな倒木だけが撤去できず、費用の捻出もできずに、神社の倒壊の危機になっている、ということでした。

が、もちろん、これには続報がありました。

※参照
・2022年9月3日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄
<デジタル発>「小樽最古の神社」は再興できるか 1700年代から存在?柾里神社 動き始めた地域住民:北海道新聞 どうしん電子版

ニュースより/柾里神社で5年ぶりに例大祭

続報は、柾里神社で5年ぶりに例大祭が開かれるという、2022年10月1日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄掲載のニュースでした。例大祭は10月4日(火)の開催でした。

主に漁業者らの地域住民が運営を支えていた柾里神社では、かつては、船の安全などを願う春の祈願祭、豊漁に感謝する秋の例大祭を毎年開催していたそうで、30〜40年前の最盛期には50人ほどが参加していたそうです。

それも神社を運営する人がいなくなり、5年前(2017年)の例大祭を最後に祭事は途絶えていたのが、今回、朝里遺産の会がこの春から神社の管理を始め、参道の整備や社殿の床、屋根板の張り替えなども進め、例大祭が復活することになったんですね。

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で、前回のニュースで神社倒壊の危機をもたらしていた大きな倒木は、地元の大忠安藤建設がボランティアで撤去してくれたそうです。

また、柾里神社では、国の重要無形民俗文化財「松前神楽」が、市内で初期に伝わった可能性が高いとのことで、例大祭では、松前神楽小樽保存会のメンバーが舞を披露することになりました。

その後の2022年10月5日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄には、無事5年ぶりに復活開催された、例大祭のニュースが掲載されました。

例大祭が行われた10月4日の小樽は、あいにくの大雨でしたが(実は、私も例大祭当日に行ってみようと思ったのですが断念)、それでも30人近い地域住民らが社殿で玉串を奉納し、松前神楽の舞を鑑賞したそうです。

※参照:2022年10月1日・5日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄

柾里神社の様子

さて、10月4日の例大祭には行けなかったのですが、その後の10月7日(金)に、柾里神社に行ってきました。

私は柾里神社に行くのは初めてて、場所がよく分からなくて、実は結構うろうろしたのですが、朝里墓地に向かうと、その奥に道が続いているのが目に入ってきます。

(この先に柾里神社があります。写真右が朝里墓地)
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(この先です)
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案内板などはなく、以前は、結構草むらが続いていて、たどり着くのも大変だったようですが、今は関係者の尽力により、神社までの参道はすっかり綺麗になっています。

(綺麗に整備された参道)
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道を進んでいくと、小さな建物が見えてきます。
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これが柾里神社ですが、見えているのは後ろ側で、ぐるっと奥に回ると、正面になります。

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柾里神社です。
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壁の朱色がかなりはげ落ちてますが、それがかえって長い歴史を感じさせますね。

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周囲は本当に綺麗に整備されています。

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神社は結構な高台にあり、目の前は崖で、木々の間から朝里の海が見え、眼下には線路があって、時折電車が走っていくのも見えました。

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地域の漁業者が支えてきた神社ですものね、海がすぐそこです。

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反対の山側は、さらに高台になっていて、この向こうに国道5号線があるのですね。
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横に石碑がありますね。八大龍王神、川裾大明神と書かれます。
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ということで、周囲も綺麗に整備された、柾里神社の様子でした。

【追記】
朝里駅前の海岸沿いの通りを少し東側(銭函側)に進んだところから見上げると、わずかに柾里神社を見ることができました(撮影:2022年11月11日)。
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(追記:2023.9.14)

おわりに

歴史ある柾里神社が、地域住民の手で復活しましたね。

これから、その歴史についても、より注目されるかもしれませんね。

そうそう、柾里という名称は、この近くには柾里川という川が流れていて、国道5号線の交差点名やバス停の名称にもなっている地名で、もうちょっと色々と調べてみたい気もしますが、それはまた別の機会に。

ということで、今回は新聞でも取り上げられていた柾里神社について、私も初めて訪れてきたので、色々と書き留めておきました。

※関連ニュース
・2022年10月1日・5日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(例大祭復活について)
・2022年9月3日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(倒壊の危機)

※参考:【柾里神社】海岸線近くの林の中の神社 | 小樽観光・旅行情報 オタルナ

【関連記事】
忍路神社と津古丹稲荷神社本殿、そして神社にそびえる小樽市指定の保存樹木

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コメント

小梅様。恥ずかしいですが、柾里神社の存在は貴ブログによって初めて知りました。灯台下暗しの感を否めません。確実な裏付けとなる文献史料がないとはいえ、貴ブログには「今年5月に「寛政元年」(1789年)と記された木製のキツネ像」が見つかったとのことで、創建時よりも古い時代に関する遺物もあるとは、驚きです。寛政10年すなわち1798年の創建ということで、小生、クラシックが好きなので、この年はモーツァルト没後7年が経過し、ベートーヴェンが28歳、シューベルトは僅か1歳の赤ちゃん!!びっくりします!!廃神社になりかけのところ、地域の有志の皆さんが、参道を整備して例大祭を5年ぶりで行われるなど、多くの方々の信仰心と御苦労があって、柾里神社の再生が可能となったことは、小樽の歴史の上でも貴重な1ページとなりそうですね。ところで、子供のころから気になっているのですが、「朝里」と「柾里」、どちらも3音節で発音も似ていますが、現在の朝里地区は本来、柾里と称していたのでしょうか。勝手な憶測ですが、柾里のままだと柾里神社に失礼、ということで朝里に名称が変更になったのでしょうか。何となく気になるところです。

投稿: 小樽望郷 | 2022年10月15日 (土) 08時49分

柾里を取り上げられるとは!

もう、超マニアック、凄いですよ。
小樽在住でも朝里近辺にお住まいの方以外に
ご存知の方はなかなかおられないのでは。

私は小学生の時に、自転車で近辺を走ったり、
朝里ホワイトバレースキー場に行くときに
地名を知りました。

神社そしてその周辺を皆様できれいにする事
素晴らしいですね。

投稿: 猫見鳥 | 2022年10月16日 (日) 16時31分

小樽望郷さん、こんばんは。
私も柾里神社のことは、ほとんど知らず、今回、一連の新聞報道があって、興味が引かれ、実際に足を運んでみました。
今回の歴史的なことは、新聞報道によるのですが、今後、色々と調査が進むと、色々と小樽の史実が書き換えられたり、書き加えたりすることが出てくるかもしれませんね。
それにしても、地元の「朝里遺産の会」の努力は大変なものですね。
柾里という地名については、私もよく分からず、これからの課題ですが、もともと朝里村があって、その中に一地域に柾里という地名があったようです。


猫見鳥さん、こんばんは。
今回、柾里神社に関して新聞報道が続いたので、どうにも気になり、実際に行ってみました。
私も柾里という地名はもとより、柾里神社につていもほとんど何も知りませんでした。なので、色々と知ることができ、興味深くも楽しかったです。
今回は、神社を整備して再興した、地元の方々の活動が、本当に素晴らしいですね。

投稿: 小梅太郎 | 2022年10月17日 (月) 02時23分

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