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2020年9月17日 (木)

運河公園〜北運河エリアの噴水のある公園〜かつて日本郵船の荷物を積み降ろすための船入澗や倉庫群のあった跡地に造られた公園

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小樽運河の北側、通称・北運河の端まで行くと、その前に噴水のある公園があります。

ここが運河公園です。

正面には、国指定重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店が威厳ある重厚な姿を見せています(保存修理工事のため長期休館中です)。

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運河公園は、夏には噴水が勢いよく上り、広場で遊ぶ子供たちや、周囲のベンチなどでのんびり過ごす人の姿もよく見られ、皆さんの憩いの場となっていますよね。

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(あっ、ベンチの足がイカリ!?)
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例年であれば、色んなイベントも開催会場となるここ運河公園ですが、今年はコロナ禍でイベントなどは開催されずに、静かな夏となってしまいましたね。

運河公園について

運河公園が完成したのは、1998年(平成10年)のことで、それほど古くはありません。

翌1999年(平成11年)には、第12回小樽市都市景観賞を受賞しています。

ここはもともと旧日本郵船(株)小樽支店の荷物を積み降ろすための船入澗(ふないりま)と倉庫群があった場所で、そこに公園を造ったのだそうです。

中央部の噴水池は、かつての船入澗の形を縮小して再現したものだそうですよ。

(クリックすると拡大します)
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(水が抜かれた状態の噴水池)
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運河公園は、そういった小樽の歴史を意識して造られた公園なんですね。

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※参考
小樽市 :第12回 小樽市都市景観賞作品
小樽市 :小樽市のあゆみ

公園内の石造倉庫

運河公園正面の色内大通り沿いには、国指定重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店が建っていますが、公園内には石造倉庫が2棟建っています。

色内大通り側から公園に入ってすぐ左に建っているのが休憩棟で、左手奥に建っているのが遊具施設棟になります。

このうち、休憩棟となっているのが、実は大正9年(1920年)建築の小樽市指定歴史的建造物「旧日本石油(株)倉庫」なんですよね。

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この建物自体は運河公園のオープンに先立って、新しい石を用いて再現したものだそうです。
※参考:小樽市 :旧日本石油(株)倉庫

そうだ、あと運河側にある公衆トイレも石造ですね。
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公園周囲にも石造りの倉庫があちこちで見られ、北運河エリア自体がとても歴史を感じられるスポットにもなっていますね。 

運河公園内に建つ銅像

公園内には、小樽港の近代化に深く関わりのある2人の技術者、廣井勇(いさみ)と伊藤長右衛門の銅像が建っています。

まず、小樽運河側から運河公園に入って右手に建っているのが廣井勇(いさみ)の銅像です。

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小樽港の手宮側から伸びている北防波堤。第一期工事としてこの北防波堤を建設したのが、初代小樽築港事務所長で「港湾工学の父」とも呼ばれる廣井勇です。北防波堤が完成したのは明治41年(1908年)のことです。

そしてもう1人、先ほどの旧日本石油(株)倉庫の横に建つのが、伊藤長右衛門の銅像です。

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廣井勇による小樽港の第一期工事に続いて、第二期工事で南防波堤の建設を指揮したのが、廣井勇の弟子でもある伊藤長右衛門です。南防波堤が完成したのが、大正10年(1921年)のことです。

※参考:小樽市 :小樽港要覧 小樽港の沿革と自然状況

そして、もう一つ、色内大通り側から公園に入って右手の少し奥まったところに銅像が建っています。「赤い靴 親子の像」です。

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これは、野口雨情作詞で知られる童謡「赤い靴」の歌詞に出てくる女の子のモデルになった「きみ」ちゃんという子と、その両親の像とのことなんですね。

きみちゃんのご両親は、晩年を小樽で暮らしていたということで、縁のある小樽にこの銅像が建てられたのですね。

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おわりに

ということで、運河公園について紹介してみました。

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石造倉庫などの歴史的建造物も多く、昔の面影を残す北運河エリアは、静かな時間が流れいてて、散策するのにもとてもいいスポットなので、散策の途中でここ運河公園でのんびり休憩するのもいいですね。

※小樽市の公園の管理は、他の一般の公園は建設部公園緑地課になりますが、ここ運河公園は産業港湾部港湾室になります(小樽市 :港湾室で管理している公園について)。

(3月の雪解け時の様子)
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