坂の向こうに小樽の港が見える「薬師神社の坂」
小樽は坂の街です。
山があって海があって、どこへ行くにも坂を上ったり、下ったり。けど、そんな坂のある風景が小樽らしさだったりもしますよね。
中でも、まっすぐと続く坂の向こうに港が見える眺めは、いかにも小樽らしい眺めといえますが、そんな、小樽ならではの眺めを楽しめる坂道のひとつが「薬師神社の坂」です。
※坂を歩いたのが2020年2月6日で、写真が雪の季節なのでご了承を
旧手宮市場前を海と反対側の清水町方面に向かうと、途中にある薬師神社のあたりから急な坂道となり、その坂道は桜陽高校下にあたる、長橋からくるTの字となる道路とぶつかるまで続いています。
この薬師神社前からの坂道が「薬師神社の坂」と呼ばれる坂道になります。
勾配を示す道路標識は14%となっています。
錦町の手宮市場前から豊川町と石山町の谷間を通って(通りの住所としては豊川町)、清水町へと上るこの通りは市道で、正式には手宮仲通線という名称だそうです。
そうそう、もともとここには手宮仲川という川が流れていたそうですね。
以下、小樽市HP内の広報おたる連載の「おたる坂まち散歩」のHTML版から引用させていただきます。
豊川町と石山町の谷間にある手宮仲通。この通りを清水町に向かって歩くと、薬師神社のところから真っ直ぐに急な上り坂になります。標識には14パーセントのこう配とあります。近くの「亀の湯」のご主人によると、地元の皆さんは「薬師神社の坂」と呼んでいるそうです。
谷間の地形から推測できるように、この手宮仲通には、昔、手宮仲川という川が流れていました。そのせいか、この辺の地名も、上流から源町(みなもとちょう)、清水町、豊川町と川の流れにちなんだものになったということです。
小樽市 :おたる坂まち散歩 第49話 薬師神社の坂(やくしじんじゃのさか)
ちなみに、薬師神社は清水町になります(坂道から横道に入ったところに鳥居があります)。
おたる坂まち散歩によると、薬師神社は明治34年に現在の手宮公園のそばに設立され、大正11年に現在地に移った、その名のとおり医薬の神様を祭る神社とのことです。
そうだ、薬師神社の向かいから入っていくと、末広中と北山中が統合して2017年(平成29年)に開校した北陵中学校(校舎は旧手宮西小を改修)があります。
(この日は行きませんでしたが…)
さて、薬師神社の坂からの眺めですが、こちらは坂の途中から振り返ってみた眺めですが、右手に続く海岸線が、これまたいい感じです。
真っ直ぐと続く坂道の向こうに小樽港を見ることのできる眺めというのは、本当にいい眺めですね。
ということで、今回は小樽らしい眺めを見ることのできる薬師神社の坂の様子でしたが、そうそう、この手宮仲通線には、創業明治39年の老舗米穀店で、厳選されたワインなどのお酒も豊富な「遠藤商店」や、旧手宮市場のすぐ上には人気のパン屋「GABBEH(ギャベ)」といったお店がありますね。
遠藤商店
※丸い遠藤商店 | オーダーメイドのお米とおいしいワインを小樽から
※市道については、小樽市役所(小樽市建設部用地管理課)にて確認させていただきました。どうもありがとうございました。
【関連記事】
・手宮に行くと買いに行きたくなるパン屋さん「GABBEH(ギャベ)」
・ニュースより/北山中と末広中の統合中学校の校名は北陵(ほくりょう)
・小樽で最も古い歴史をもつ手宮市場は2018年3月31日(土)をもって閉店。最後の大売出し中!!【追記あり】
※過去にも薬師神社の坂について書いたことがあります。
・手宮仲通から薬師神社の坂へ
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コメント
小梅太郎様
懐かしい坂道ですねぇ。高校同期だった友達の商店も懐かしいです。今も豊川町に私の親戚がありますが、子供のころは良くこの坂を行き来しました。まだ川も暗渠ではなくて、人々の暮らしも活気に満ちていました。私の10歳くらいの時の記憶・・・。戦時中ですねぇ。昔の様子が目に見えるようです。
いつも、ありがとうございます。
出歩きも自粛中、小梅様のブログ楽しみに過ごしております。
投稿: hiro | 2020年5月 5日 (火) 16時51分
小梅さま。hiro様が語ってらっしゃるように、薬師神社の坂は一直線に清水町、豊川町を抜けて小樽港を見通せる景色が、解放感も手伝って、何とも言えませんよね。大学が夏休みの帰省中、北運河と並んで、学生時代の想い出深い散歩コースの一つでした。桜陽高校側からの入り口には、玉屋食品の看板のついた建物があったと記憶していますが、勘違いかも知れません。薬師神社の坂を下って、途中、右手に新しくなった豊川会館がありますが、私が小学校入学前に、親戚の女性が二十歳で亡くなり、豊川会館で葬儀をした事を、まだ覚えています。昔ながらの建物、改築された建物が混在しつつも、坂からの眺めは殆ど変わる事なく、こな薬師神社の坂を往来する人たちを見守っているのでしょうね。小樽の静かな歴史を宿す、とてもたおやかで印象深い坂道だと思います。
投稿: 多摩HT | 2020年5月 5日 (火) 17時14分
小梅さん、こんばんは。
ギャベさんに伺ったときに気になっていた坂です。雪景色はまた別格ですね!そして上から見たらやっぱり小樽港が!今日初めて知った薬師神社の坂は、映画のロケ地にもなっていたそうですね。
今、小樽がとても遠くに感じています。収束して自由な行動が許される日が来たら、真っ先に帰省します。
小梅さんも、どうぞお気をつけて!
投稿: アオサギ | 2020年5月 5日 (火) 18時44分
hiroさん、こんばんは。
ひょっとして、文中の商店は高校同期のお友達のお店ですか!?
いつもhiroさんには驚かされます!!
そして、豊川町、それにこの坂もおなじみの場所なんですね。暗渠前の川の様子も覚えてらっしゃるんですね!?
hiroさんのお話、記憶のお話はいつも興味深くて、こちらこそ、いつもありがとうございます。
この自粛中の中でも、ブログを楽しんでもらえるように頑張ります!!
多摩HTさん、こんばんは。
本当に、ここの真っ直ぐ続く坂道とその向こうに広がる眺めは、なんとも言えませんね。
ここも散歩コースでしたか!!(すいません、その看板のついた建物はちょっと分かりません…)
豊川会館も記憶にあるのですね。
建物などの様子は少しずつ変わっているかもしれませんが、真っ直ぐな坂があって、周囲に建物があり、薬師神社があり、そして、坂の向こうには小樽の港が広がる。
この基本的な眺めは変わらないのでしょうね。
ここの坂道はとくに、小樽らしさを記憶に留めてくれる坂道なのでしょうね。
アオサギさん、こんばんは。
この坂道、下から見ても気になりますよね。
上から見ると、このような風景が広がっています(雪景色はまた違った趣を見せてくれますね)。
この坂道は映画「世界から猫が消えたなら」のロケ地としても使われたそうですね。
今は帰省もできませんものね。早くこの状況が落ち着くといいですね。
ありがとうございます。アオサギさんもどうぞお気をつけて。
投稿: 小梅太郎 | 2020年5月 6日 (水) 04時03分
小梅太郎さん、こんばんは。
多摩HTがおっしゃる玉屋食品の建物、鮮明に覚えています。
1990年頃、幼稚園の送迎バスでいつもここを通っていたんです。桜陽高校あたりから中野植物園方面に抜ける際、下り坂に差し掛かると見えてきて、とても印象的でした。
確か水色の外壁に白い看板がついて、筆文字で「玉屋のしゅうまい揚げ」と書かれていたと思います。
(幼少時から看板の文字を読むのが大好きだったのが、今になって役立ちました!笑)
玉屋食品さんのHPに「昭和36年 小樽市清水町に工場移転」とあるのと、跡地にできた介護施設のHPにも「元の玉屋食品跡地」とあるので、場所は確実かと思います。
参考
玉屋食品さん https://tamayacorporation.wixsite.com/tamayacorp/blank
ケアステーションかいろうさん
http://futurecare-otaru.com/info/%e3%81%af%e3%81%98%e3%82%81%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%a6/
投稿: まかろん | 2020年5月 6日 (水) 21時47分
すみません、多摩HT様
敬称を入力したつもりが、付けずに投稿してしまいました。
大変申し訳ございません。
投稿: まかろん | 2020年5月 6日 (水) 21時49分
まかろんさん、こんばんは。
玉屋食品の建物、看板、はっきりと覚えてらっしゃるんですね!
看板の内容「玉屋のしゅうまい揚げ」まで!すごい!!
玉屋食品、さらにはその後に建ったケアステーションかいろうのサイトも調べて教えていただき、ありがとうございます。
私もサイトを見てみました。間違いないですね!!
レアな情報をどうもありがとうございます!!
多摩HTさん、まかろんさんのコメント見てくれるかな。
投稿: 小梅太郎 | 2020年5月 7日 (木) 03時12分
まかろん様。やっぱり玉屋食品の看板がついた建物ありましたよね‼道民にとってはお馴染みの「玉屋のシューマイ揚げ」の文字も覚えています。まかろんさん、態々、お調べ頂きまして有り難うございます。高校卒業して直ぐに大学進学で上京した為に、夏休みの帰省時には、あちこち歩き廻ったので、この薬師神社の坂と、玉屋食品の看板は、とても印象に残っているんです。小樽を離れて長年月ですが、小梅さんのブログと写真が、直ぐに小樽へと空間を超えて連れていってくれるので、毎日、拝見しては、個人的な想い出の長文コメントを寄せ、申し訳なく思っています。まかろんさん、敬称の失念、お気になさらないで下さいね‼僕もしょっちゅう誤記や記憶違いの事を書いてます。今年も小樽には帰省出来ず残念です。まかろんさんも、感染者になられませんよう、御祈り申し上げます。
投稿: 多摩HT | 2020年5月 7日 (木) 09時00分
多摩HT様 敬称の件、お許しいただき恐縮でございます。「玉屋のしゅうまい揚げ」の看板の記憶も共通していたとのことで、大変うれしく思います。
建物の位置は古い地図である程度分かりますが、建物内外の様子は(写真に撮られていない限り)見ていた人の記憶にしか残らないものと思います。そのため、このように記憶を共有させていただくことはエビデンスとしての弱さはあるものの、街の記録としてある程度役立つものと考えている次第です。何より記憶を手繰ること自体が楽しいですね!
今後ともよろしくお願いいたします。
小梅太郎様、このような貴重な場をご提供くださり、いつもありがとうございます。
まだ色々とあずましくない日々が続くようですが、どうか皆さまご自愛くださいませ。
投稿: まかろん | 2020年5月 7日 (木) 14時57分
まかろん様、小梅様。朝早めに大大学の個人研究室に籠って、あれこれ仕事しています。疲れたのでブログと写真を拝見していました。まかろんさん、御丁寧に有り難うございます。私も気になって、ネットであれこれ画像を検索しましたが、残念ながら玉屋食品の看板の掲示された建物の画像は、見つけられないでいます。今も運行しているのか私には分かりませんが、梅源線で桜陽高校下の次の停留所に向かう時に、進行方向右手に見えていましたよね‼余り梅源線は乗った事が無いので、その分、記憶に残ったと思います。本当に懐かしいですよ‼まかろんさんも、小樽在住とお見受けしました。私のように道外にいても、小樽への郷愁が強く、応援する人は大勢います。まかろんさんが御指摘のように、小梅さんのこのブログと写真は、通り一辺の観光地視点ではなく、小樽人の生活と日常の空間に密着した切り口からのブログで、そこかしこに小樽時代の自分に出会えます。まかろんさんがそして小梅さん、コロナに感染されずに、毎日を御元気で御過ごし下さいませ。私も元気で講義や研究に頑張っています‼
投稿: 多摩HT | 2020年5月 7日 (木) 15時29分
多摩HT様
実は私は東京都心在住です。昨年まで数年間聖蹟桜ヶ丘に暮らしましたので、多摩地域のこともある程度分かります。現住地は海辺ではないものの、多摩よりは東京湾に近いためか、風向きによって潮の香りが感じられ、その度に夏の小樽の潮風を懐かしく思い出す日々です。
小梅様も長らく東京で生活され、小樽に戻られたと、プロフィール欄で拝読しました。
多摩HT様のおっしゃるように、離れて生活していても小樽のことを気に掛けている人は大勢いますね。こちらのブログに多くのコメントが寄せられているのを見ると、ひしひしと感じます。
私も微力ながらその一員でありたいと思います。
小梅様、何度も場所をお借りし、さらに最後は話が脱線してしまい、失礼いたしました。
また時々お邪魔させてください。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: まかろん | 2020年5月 8日 (金) 10時59分
多摩HTさん、まかろんさん、こんばんは。
よかった、多摩HTさんにまかろんさんからの情報が伝わりましたね。
思い出の中の記憶が、はっきりとした情報に裏付けられると、なんだか嬉しく、楽しいですよね。
こうやって、情報を寄せていただけると、知らなかったことを知ることができ、このブログ的にも街の記録としてとても助かるのはもちろん、情報を共有できるのがとても嬉しく、本当に楽しいですね。
観光関連だけでなく、小樽の日常を、今の小樽の様子を書き残していこうと続けているこのブログ。そうやって言っていただけると、ブログを書いていてよかったな〜って思います。
多摩HTさん、コメントはいつも楽しく、興味深く、時に感心して読ませてもらっています!!
まかろんさん、はい、私も長く東京の西の方にいて、戻ってきてから、このブログを始めました。
私もそうでしたが、小樽のことが好きで、気にかけている人は本当にたくさんいますね。
そういう方々に、今の小樽を届けたいと思っています。
このコメント欄で、会話が始まったり、情報を共有してもらうのは大歓迎です(私も楽しいですし、勉強になります)。
これからも、コメントお持ちしています。
多摩HTさんも、まかろんさんも、お体に気をつけてお過ごしください。
投稿: 小梅太郎 | 2020年5月 9日 (土) 02時27分