妙見市場の歴史と閉店間際の様子〜2020年3月31日をもって閉店した“妙見市場の想い出”
妙見市場の歴史について
妙見市場は、終戦直後の1946年(昭和21年)に樺太や満洲からの引き揚げ者の露店が集まって、於古発川(おこばちがわ。この辺りからは妙見川と呼ばれますね)の下流部に開設されたのが始まりとのことです。
当時、川沿いには木箱の上に商品を並べただけの露店が集まっていたそうですが、何者かが長屋風の市場を川沿いに造り、周囲の露店を入居させていったそうです。
その後、1949年(昭和24年)に市場一帯が道路用地に指定されると、小樽市は店舗に立ち退きを迫り、当時170軒もあったという店舗を収容できる市場を造ることのできる場所が川の上しかなかったため、翌年(昭和25年)、小樽市が川の上に丸太を渡してバラックの市場を建て、周囲に点在していた市場群も併せて移転・集約させたのだそうです。
昭和37年(1962年)に洪水で市場の建物が流されるという災難があった後、昭和39年(1964年)に妙見市場の象徴ともいえるカマボコ型の現在の建物が川の上にできました。“妙見市場”と名乗るようになったのはこの時からだそうですよ。
※参照:「小樽チャンネルマガジン」(発行:株式会社K2)2020年4月号(Vol.53)小樽れっけん「妙見市場」
当初は市場の建物は海側からA・B・C棟と3棟あり、その後も100店ほどの店舗が軒を連ねたそうですが、店舗が徐々に減って、2012年にA・B棟が解体された後は、山側にあったC棟のみで営業し、閉店時には5店舗での営業となっていました。
建物の所有は小樽市ですが、建物の老朽化が進み、川の上での建て替えは河川法の規定により困難とみられ、維持費も負担になっていたとのことで、閉店となったとのことです。
閉店後の妙見市場の建物は、来年(2021年)3月までに解体する方針ということで、来年春には、この川の上に建つとても珍しい市場が小樽から姿を消してしまうと考えると、とても寂しいですね。
それでは、以下は写真中心に掲載していきます。
妙見市場の想い出
【最後のシビックマーケット】
妙見市場では、終盤、月に一回、定期的にシビックマーケットが開催されて、毎回たくさんのお店が出店して賑わっていたんですよね。
こちらは3月21日に開催された、最後のシビックマーケットの様子です。
※妙見市場の最近の様子は!?〜月に1回、妙見市場シビックマーケット開催してます
【妙見市場最終日】
こちらは妙見市場最終日の様子です。撮影時間は午後3時前です。
帆布のトートバッグのお店「Jammed with Possibility(ジャムド・ウィズ・ポッシビリティー)
赤井川のミリケン恵子さん(みみずく舎)による産直・惣菜店「ひとりCSA妙見ショップ」
最後の頃は、空きスペースが多かったですね。
海側の横田鮮魚店は、一足先に市場内の営業を終了して移転先へ。
【その他の妙見市場の想い出写真】
その他の写真です。
まず、2017年9月の伊藤惣菜店最終日の様子です、伊藤惣菜店はその後、規模を小さくして販売を再開していましたね。
続いて、閉店間際に何度か買った、妙見市場の美味しい様子。
で、横田鮮魚店で買った抜群に美味しかった赤貝(刺身にしてくれました)。
※市場の様子は、閉店前の投稿のこちらの記事でも詳しく書いています。
・まもなく閉店してしまう「妙見市場」に買い物に行ってきたので市場の様子を
そして、こちらは、たまたま残っていた2011年9月1日撮影の写真です。
この時、もうB棟は閉鎖されていて、この後、解体されるわけです。あ〜、2012年に解体されたA・B棟の写真を撮っておけばよかったです。
【妙見市場閉店後】
そして、閉店後の妙見市場です。
最後の5店舗について
妙見市場の最後の5店舗についてです。
海側の横田鮮魚店は、妙見市場閉店前に一足先に市場内の営業を終了して、3月31日(火)から移転先となる寿司屋通り上のかねまビル1F元太洋市場下隣で営業を始めてます。
干物の高松商店と伊藤総菜店は、妙見市場の閉店をもって廃業となりました。
産直・惣菜店「みみずく舎CSAショップ」は、市役所通りローソン隣に5月7日にオープンのようです(すいません、店舗場所などの詳細未確認です)。
帆布のトートバッグのお店「Jammed with Possibility(ジャムド・ウィズ・ポッシビリティー)」は、中央市場第1棟に5月11日オープン予定です。
※Jammed with Possibility - ホーム(Facebookページ)
おわりに
小樽の市場は、2017年に入船市場、2018年には手宮市場、そして、今年(2020年)に妙見市場と閉鎖が続き、厳しい状況が続いていますね。
ちなみに、これで現在の小樽市場連合会参加の市場は、南樽市場、新南樽市場、三角市場、中央卸市場、中央市場、鱗友朝市の6店舗となっています。
来年には、見慣れたカマボコ型の妙見市場の建物がなくなってしまうというのは、あまり想像できないのですが、このあたりの風景も一変してしまうでしょうね。
このブログ記事が、少しでも妙見市場の記憶・記憶になればと思います。
※参考
・「小樽チャンネルマガジン」(発行:株式会社K2)2020年4月号(Vol.53)小樽れっけん「妙見市場」
・小樽散歩案内(発行:有限会社ウィルダネス)
・「写真で辿る小樽〜明治・大正・昭和〜」(編著:佐藤圭樹/発行:北海道新聞社)【4】街と人々③昭和戦後「建て替え直前の妙見市場」
※参考ニュース
・妙見最後のシビックマーケット 19店舗が集結!(小樽ジャーナル)
・2020年4月1日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(妙見市場が最終営業)
【過去の主な妙見市場関連の記事】
・いよいよ妙見市場が閉店してしまいます(2020年3月31日をもって閉店)
・まもなく閉店してしまう「妙見市場」に買い物に行ってきたので市場の様子を
・ニュースより/妙見市場を3月末で閉鎖することを建物を所有する小樽市が正式決定
・ニュースより/妙見市場が老朽化と店舗数減少で来年(2020年)にも閉鎖される見通し
・妙見市場の最近の様子は!?〜月に1回、妙見市場シビックマーケット開催してます
・ニュースより/妙見市場の伊藤惣菜店が9月26日に閉店〜妙見市場は厳しい状況です
・妙見市場の大売出しの日限定パン販売。午後に行ってみたらほぼ売り切れでした
・入船市場と妙見市場の様子が店舗移転もあってちょっと心配
・妙見市場内のパン屋さん「妙見マルシェ」のクロワッサンが美味しい。もちろん他のパンも【追記:移転情報】
・妙見市場で妙見マルシェのクロワッサンを片手に一休み
・妙見市場の「歳末大放出祭」
・妙見市場A・B棟の解体工事
・妙見市場とパン屋さん
※こちらは手宮市場と入船市場の閉店時の記事。
・小樽で最も古い歴史をもつ手宮市場は2018年3月31日(土)をもって閉店。最後の大売出し中!!【追記あり】
・閉鎖後解体が進む入船市場と閉鎖前の入船市場内の様子
スポンサーリンク
| 固定リンク
« 「駅なかマート タルシェ」にて三浦群来さんの小樽が舞台の小説「Invitation」プレゼント企画実施中 | トップページ | 小樽市沿岸の春シャコ漁が解禁になっていてお店にたくさんの小樽産シャコが並んでます »
「 閉店した店・閉館した施設」カテゴリの記事
- なんと「パンのいのまた」が2月いっぱいで閉店!?(2019.02.26)
- あれ?ウイングベイ小樽のミスタードーナツイオン小樽店が2019年1月31日で閉店してる(2019.02.19)
- 松ヶ枝町の地域を支えた安沢商店が2018年12月いっぱいで閉店してます(2019.02.03)
- 南樽駅近く、住吉町の居酒屋「古都」が閉店してます【情報提供】(2019.02.02)
- 緑町の山手線のバス通り沿いにある「そば処 天狗山」が平成30年12月31日をもって閉店してます(2019.01.23)
コメント
小梅さん こんにちは。
妙見市場は行ったことがないのですが、とても興味深く読ませていただきました。歴史ある市場がまた一つ消えて残念です。小樽の市場は、今も我が家の食生活とは切り離せない大切な存在です。連休前にも実家から鱗友朝市経由で、美味しい鮭や糠鰊・魚卵が届けられました。今回はこんなご時世で、年老いた親にも遠慮したのですが、市場存続のためにも、これからも送ってもらおうと思いました。
投稿: アオサギ | 2020年5月 8日 (金) 14時18分
小梅様。妙見市場の歴史の記事と写真、有り難うございました。内部の様子や佇まい、子供の頃に目にしたままに残っていたなんて奇跡ですね。それに図書館側の出入り口のトイレ、これも残っていたなんて驚きです‼はっきりと記憶に残っています‼山側に向かって進むに連れて、市場の内部も緩やかに上り傾斜がつくのですが、その傾斜も写真ではっきり確認出来ましたし、狭い通路も健在なんですね。本当に往時は、年末の時など買い出しの市民でごったがえし、通路ですれ違うのも儘ならないほどでした。水晶飴の並びの太陽市場も廃業なったのでしょうね。私は多摩センター駅が最寄り駅なのですが、大型スーパーしかないため、その分、妙見市場がいとおしくてなりません。せめて看板だけでも市立博物館に保存展示して貰えると、貴重な歴史の語り部として存続出来ると思います。
投稿: 多摩HT | 2020年5月 8日 (金) 15時37分
アオサギさん、こんばんは。
本当に、歴史ある市場が閉店となり残念ですね。
アオサギさんの実家では、鱗友朝市を利用されているのですね。
小樽の市場の魚介類は間違いないですものね。
勝手なお願いですが、是非、これからも送ってもらってください!!(^^;;
多摩HTさん、こんばんは。
歴史ある妙見市場が閉店してしまい、せめて記録をと詳しく記事にしました。
お店は減りましたが、建物そのものは、昔のままなのでしょうね。
トイレも残ってました。そうそう、通路が緩やかな斜面になってるんですよね。
私は賑やかだった頃は知らないのですが、多摩HTさんの記憶にはあるんですね。
太陽市場ももうないですね。
こういう市場は、もう見ることはできないですね。看板など、できる限りの保存をお願いしたいですね。
投稿: 小梅太郎 | 2020年5月 9日 (土) 02時53分