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2019年4月18日 (木)

有幌町にある小樽市公設青果地方卸売市場ってどんなところ!?

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メルヘン交差点を過ぎて臨港線に出てから築港方面に向かって臨港線を進むと、左手にはすき家やオートバックスといった店舗が集まる場所があり、そこを過ぎると道路沿いは店舗もまばらになります。

このあたりの臨港線から海側は、住所でいうと有幌町になるのですが、ではこの海側にはいったい何があるかというと、実は、そこには小樽市公設青果地方卸売市場の広い敷地があります。

で、小樽市公設青果地方卸売市場ってどんなところ!?

実は今回、連載中の「小樽チャンネルマガジン」(株式会社K2)にて有幌町を特集するにあたり、通常は市場敷地内は関係者以外立ち入り禁止なのですが、小樽市公設青果地方卸売市場にご協力いただき、敷地内での写真撮影と市場についてのお話を聞かせていただきました(2019年3月27日(水)訪問)。

※「小樽チャンネルマガジン」2019年4月号(Vol.41)の連載中の町を“歩く”シリーズで有幌町を歩いてます(バックナンバー:小樽のフリーペーパー「小樽チャンネルマガジン」 | 小樽チャンネル)。

そこで、今回は小樽市公設青果地方卸売市場について、小樽チャンネルマガジンで書ききれなかった内容を、ここで詳しく紹介したいと思います。

ちなみに、小樽市公設青果地方卸売市場の入り口(正門)は、オートバックスとやわらぎ斎場の間の道を奥に進んだところにあります。

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小樽市公設青果地方卸売市場について

通常、私たちが市場といえば中央市場や南樽市場といった、直接、消費者に物品を販売する市場(いちば)を思い浮かべますが、この卸売市場(おろしうりしじょう)は、生産者から消費者に物品が届くまでの中間に位置する施設で、卸売取引する場所になります。

小樽市公設青果地方卸売市場は、開設者が小樽市長で、卸売会社として樽一小樽中央青果株式会社が入っていて、毎朝、せり等で青果物を仲卸人(仲卸業者)や買受人(売買参加者)に販売しているんですね。

そして、その物品(ここでは青果物)は、買受人(小売業者)からはそのまま消費者等へ、仲卸人からは買出人(一般小売業者や飲食店)に販売されて、そこから我々消費者へと渡ります。業者の中には、市内のおなじみのお店も含まれています。

卸売市場のしくみについては、小樽市HP内に記載があって、私も参考にさせてもらっているので、興味のある方はこちらをどうぞ。
小樽市 :小樽市公設青果地方卸売市場

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小樽市公設青果地方卸売市場の歴史についても、上記サイトに掲載があって、もともと青果地方卸売市場は、現在のメルヘン交差点に隣接する場所に開設していたそうですが、昭和47年12月に、後志地域の拠点卸売市場として現在地の有幌町に「小樽市公設青果地方卸売市場」として新築移転し、昭和48年1月から卸売業務を開始しているそうです。

小樽のこの卸売市場は道内でも大きな方だそうですよ。

小樽市公設青果地方卸売市場の取扱青果物

私が伺った時は、市場は休みだったのですが(休市)、って、そもそも午後に行ったのですが、冬は朝7時30分から、夏は7時からせりが行われているそうです。

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では、実際にここでは、どのような青果物が取り扱われているのか、また、産地はどこが多いのかなど、平成29年度の実績で主なところを教えていただきました。

まず、野菜については、だいたい毎年決まって、馬鈴薯、トマト、たまねぎ、ねぎ、しめじ茸などが多く、産地は北海道はもちろんですが、そのほか、茨城(はくさいなど)、宮崎(ミニトマト、ピーマン、きゅうりなど)、熊本(トマトなど)、愛知(キャベツなど)などが多いとのこと。

果物については、メロン、いちご、露地すいか、みかん、露地柿類、りんご、さくらんぼなどが多く、産地は北海道のほか、外国が多いんですね(グレープフルーツ、キウイ、バナナ、パイナップルなど)。その他は山形、栃木、和歌山などが多いそうです。

このような統計情報については、小樽市HPにも掲載されています(平成31年4月現在、年度データは平成28年度までが掲載されてます)。
小樽市 :統計情報(公設青果地方卸売市場)

そうそう、ここは地元・小樽の農家さんの出荷場所にもなっているそうで、ここで直接買い取って販売するという形もとっているそうです。5月中頃からは北海道品種のイチゴ「けんたろう」が出始めるということでした。

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卸売市場をとりまく現状

話の中にあったのですが、卸売市場に関しては、全国的に市場を経由する割合(市場経由率)が減っているそうで(かつては85%を超えていたのが、現在は60%を切っているとか)、これは青果だけではなくて他の業界でもだそうです。

つまりは取扱量が減少しているということで、これはコンビニなどの台頭で、契約農家などから直接仕入れる形態が増えているのも一因のようです。取扱金額についても、かつての多い時の3分の1くらいまで減っていて、卸売市場のあり方をも問われる厳しい状況とのことでした。

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おわりに

ここ小樽市公設青果地方卸売市場は、海側には勝納川から続く第二期運河が静かに流れていて、その向こうは勝納ふ頭になり、反対側からもあまり目にする機会がないので、有幌町のこの場所に青果物を扱う卸売市場があって、毎朝、ここで取引が行われているというのは、市民でも知らない方が多いかもしれませんね。

かくいう私も、こういう施設があるのは知ってはいたものの、詳しいことは知らず、今回、改めて取材をさせていただき、小樽市公設青果地方卸売市場のことをよく知ることができました。

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そうそう、余談ですが、この市場の敷地内奥に、樽一食品卸センターという建物があって、ここには個別の食品等の販売店舗などが入っているのですが、ここはあくまで市場利用者のための店舗のようです。

(樽一食品卸センター)
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実は、今はないですが、かつてここに「蘭也の店 ごはんや」という人気のお店があって、私も行ったことがあったのですが、基本的には市場関係者のためのお店だったのですね…

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ということで、小樽市公設青果地方卸売市場についてでしたが、なんだか、今後、お店で野菜や果物を買う時には、ここのことを思い出して、品物を見る目もちょっと変わりそうです。

 

 

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※通常は小樽市公設青果地方卸売市場の敷地内は関係者以外立ち入り禁止です。

【謝辞】 この度は、小樽市公設青果地方卸売市場にご協力いただきました。どうもありがとうございました。

【関連記事】
樽一食品卸センター内「蘭也の店 ごはんや」


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