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2018年12月19日 (水)

ニュースより/歴史的建造物の「旧魁陽亭」が再生に向けて改修工事予定。隣接地に新設するホテルとともに開発

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メルヘン交差点の小樽オルゴール堂本館の横から上って行く三本木急坂の途中左手に、木製の塀が真っすぐ続く細い道が上っていて、その先に、小樽市指定歴史的建造物の趣ある旧海陽亭(旧魁陽亭)の建物が静かに建っています(以降、旧魁陽亭と表記します)。

(写真は2018年12月13日撮影)
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現在、この旧魁陽亭の建物は未使用状態で、敷地内には立ち入り禁止の立て看板が立っています。

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この旧魁陽亭の建物は、近くを通るたびに見に行っていて、以前は、料亭として食事や亭内の見学(有料)ができたのですが、ここしばらくは営業してなかったので、どうなったのか気になっていたんです。

すると、今年に入って、ニュースなどでその状況が少しずつ一般市民の私の耳にも届くようになってきたので、そのあたりをちょっと書き留めておこうと思います。


旧魁陽亭(旧海陽亭)について

その前に、まず、旧魁陽亭についてですが、建築は明治29年(1896年)以降ということで、木造2階建の元々も料亭として建てられた建物で、小樽市の歴史的建造物に指定されています。

小樽市HP内に建物概要が掲載されているので、引用させていただきます。

明治初期に開業した料亭で、亭名は創業期の魁陽亭から開陽亭、海陽亭とかわっています。
建物は大半が大正期の増築ですが、2階大広間「明石の間」は、明治29年大火類焼時の再建と推定されています。
明治39年11月、日露戦役による樺太国境画定会議後の大宴会がここで開かれるなど日本史の舞台にも登場し、政財界など多くの著名人が訪れています。
小樽市 :旧魁陽亭

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旧魁陽亭は再生に向けて改修工事予定

で、この旧魁陽亭ですが、どうやら2015年に営業を停止していて、老朽化も激しく、以降は閉鎖されたままだったようです。

その後、どうなったのかなぁ、と思っていたのですが、今年の春に読んだ歴史文化研究所による小樽の地域内連携情報誌・月刊「小樽學」2018.4月号(109号)で、思いがけず旧魁陽亭についての情報を目にしました。

それは、冊子内の帰化人のコーナーに、魁陽亭を取得した総合不動産業のインフィニットルミナス代表取締役の佐藤勉氏が紹介されていて、そこにホテルを併設した新たな歴史的建造物活用について書かれていたんです。

さらにその後、ニュースとしては、しばらく経った2018年11月15日付北海道新聞朝刊経済欄に、隣接地に新設するホテルとともに旧魁陽亭を再生させるという記事が掲載されました。

ニュースによると、不動産業のインフィニットルミナスが旧魁陽亭の保存改修をし、隣接地に新設する7階建てのホテルとともに一体開発をするということで、2022年開業を目指して、建物の改修を来春に着工予定だそうです。

(現在、建物横が空き地になっています)
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旧魁陽亭内に残る資料調査が進む

建物内には、様々な著名人ゆかりの品が残されていて、現在、小樽商大の協力で、資料整理をしているそうで、その調査についてのニュースが、その後の2018年12月11日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄に掲載されていました。

調査は今年の9月から、小樽商大とインフィニットルミナスが共同で取り組んでいて、初代首相の伊藤博文が使った布団などの品や、写真や書簡などのお宝が色々とあるそうです。

調査は小樽商大の高野弘康研究員の主導で、同大の小樽の活性化について本気で考えるプロジェクト(通称:本気(マジ)プロ)の学生も参加し(※参考:小樽商大本気プロ 「日本遺産による小樽の活性化」チーム - ホーム)、来年3月まで続けて、情報をデータベース化するとのこと。建物の歴史を生かした観光資源化を目指すということで、楽しみです。

(以下の写真は2018年4月撮影)
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おわりに

旧魁陽亭改修後は、カフェや飲食店のテナントを誘致する考えもあるそうで、ぜひ、地元市民なんかも気軽に訪れることができ、歴史を身近に感じることができるような建物になるといいですね。

ということで、どうなっていたか気になっていた旧魁陽亭の建物が、活用に向けて動いているということで、関連のニュースをまとめてみました。


《追記 2018.12.20》
コメントで、海陽亭としてサイトが公開されていると教えていただいたので、追記しておきます。情報ありがとうございました。
今後の予定や海陽亭の歴史など、とても詳しく記載されたサイトです。
海陽亭 | KAIYOTEI


※参照ニュース
・月刊小樽學2018.4月号(109号)(帰化人 株式会社魁陽亭 佐藤 勉氏)
・2018年11月15日付北海道新聞朝刊経済欄(旧料亭「魁陽亭」再生へ)
・2018年12月11日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄(旧料亭「魁陽亭」お宝続々)

小樽學(小樽学)|このまちで生きているのが偶然でも、このまちで生きていく必然を探そう。

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コメント

こんばんは。
海陽亭はいつの間にかホームページも新設されていますね。新聞記事もHPに掲載さていました。
建物が復活・活用されるとあって小樽市民としては一安心・感謝の気持ちでいっぱいです。
しかし、懸念があるのは新設のホテルです。小樽には「海宝楼」という例がありますので・・・。
コンクリート打ちっぱなしの寒々しい、趣のない、アンバランスな建物は建てないでほしいです。

投稿: 靈 | 2018年12月19日 (水) 20時42分

靈さん、こんにちは。
本当ですね!!気づきませんでした。
教えていただき、ありがとうございます。
追って、本文にも追記しておこうと思います。
確かに、新設のホテルと聞いて、あちらを思い浮かべる方は多いですよね。
ただ、今回の件は、色々と報道を見ていて、商大も調査に乗り出していて、とても楽しみにしています!!
本当に、市民として感謝の気持ちですね。

投稿: 小梅太郎 | 2018年12月20日 (木) 12時26分

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