小樽市指定無形民俗文化財の高島越後盆踊りを見に行ってきました
小樽市の無形民俗文化財に指定されている「高島越後盆踊り」が、今年も8月18日(金)・19日(土)・20日(日)の日程で開催されているということで、2日目の19日(土)に見に行ってきました。
会場は高島稲荷神社に隣接する高島児童公園で、高島越後盆踊りはこれまで実際に見たことがなかったの、是非見てみたかったんですよね。
始まるのが20:00からとのことで、そのくらいの時間に会場に到着すると、高島児童公園の広場の中心に櫓を組んで、提灯と大漁旗が掲げられた会場では、ちょうど踊りが始まったところのようでした。
平成13年に小樽市指定無形民俗文化財にもなっているこの高島越後盆踊りについてですが、その名の通り越後にルーツをもつ盆踊りです。
高島といえば、古くから優れた漁場をもって栄えた地域で、明治時代には本州からの移住者が増え、中でも新潟県北蒲原群紫雲寺町(現在は新発田市に編入)の当時大火のあった藤塚浜地区からの移住者が多かったそうです。
その移住してきた方々が、お盆に先祖の眠る故郷に思いをはせながら踊ったのが始まりとされていて、そうやって伝えられてきたのがこの高島越後盆踊りなんですね。
このような歴史をもつ高島越後盆踊りですが、戦時中は一時中断され、その後復活するも次第に加者の高齢化などの問題も発生したため、1979年(昭和54年)に高島越後盆踊り保存会を発足して、この伝統の継承を支えているそうです。
さて、初めて実際に見に行った高島越後盆踊りですが、提灯が並んではいますが、あたりは結構暗く、会場となる公園の広場は特別な大きなわけではないのですが、それらがかえっって、地域に根付いた盆踊りといった雰囲気を醸し出してます。
櫓を中心に、初めは少人数の踊り手だったのが、徐々に増えていき、踊りの輪が次第に大きくなってきます。
櫓の上から流れるお囃子は生演奏なんですよね。そこに男性と女性の唄い手が交代しながら唄ってました。
踊りには、歌に合わせたものと、お囃子だけの時のものと2種類あるそうで、これらを交互に連続して行なうのが特徴とのことです。
揃いの浴衣に編笠をかぶった踊り手たちが、ややうつむき加減(のように見える)にしなやかに踊る姿は、なんとも優雅です。
ただ、うまく言い表せないのですが、それだけではない、もくもくと踊る姿が歴史と伝統も感じさせ、それがなんだかカッコよくて素敵でもあるんですよね。
見ていると、踊りの輪の外側で見物していた人たちが、おもむろに踊り出して輪の中に加わっていったりして、そうやって、正装の浴衣姿の踊り手に加えて、一般の方々も次々と輪に入り出して、踊りの輪はさらに広がり、そのうち二重になっていました。
笛や太鼓の音に誘われて、なんだか踊りたくなってはくるのですが、如何せん、この高島越後盆踊りは難しいですね。踊りの輪に加わる一般の方は、やっぱり踊りをよく知る地元・高島の皆さんでしょうか。
踊りの伝承のために、保存会では定期的に練習をされているということなので、そもそも、簡単には覚えられない踊りのようですね。
この日の踊りは21時頃に終わりましたが、最終日の20日(日)は、22時くらいまで踊り続けるとか(雨天の時は、高島会館で行う予定とのことです)。
高島越後盆踊りは、毎年きまって、8月18日・19日・20日の3日間に開催されるのですが、今年は金・土・日と週末にかかっているので、より多くの方が踊りに、見学にと集まっているかもしれませんね。
そうそう、、会場にはテントが1つあって、ビールや焼き鳥を売ってました。
せっかくなので、見学の途中でいただきました(笑)
会場へは、今回は中央バスで小樽駅前から高島3丁目行きのバスに乗って行きました。高島稲荷神社の裏手に位置する高島児童公園はバス停「高島2丁目」と「高島3丁目」の中間くらいにあるので、どちらで降りてもすぐ近くです(行きなら「高島2丁目」下車の方が早いですね)。
高島稲荷神社への坂道を上って、薄暗い神社横の小道を抜けれは公園に出ます。
ということで、小樽市指定無形民俗文化財の高島越後盆踊りの様子でした。
こういう地域の伝統行事が、脈々と受け継がれているというのは、とても素敵なことですね。
最後に、小樽市HP内の「小樽市の文化財」に記載の「市指定無形民俗文化財高島越後盆踊りの行事」からの引用です。
高島地区は古くから漁業で栄えた地域であり、本州からの移住や往来が盛んに行なわれていました。本州からやってきた人々は、出身地からさまざまな風俗・習慣を持ち込みましたが、新潟県北蒲原郡地方出身者によって伝えられた盂蘭盆の行事(盆踊り)が越後盆踊りとして広まったといわれています。とくに明治以降、漁場の開発と漁業(特ににしん漁)の進展に伴い、新潟県北蒲原郡の各村から、高島地区へ多くの移住者がやってきたことにより、盆踊りの行事はますます盛んになりました。
高島越後盆踊りは、元禄年間(1688〜1703)に新潟県地方で成立した踊り歌までその起源を遡ることができるといわれています。踊りと囃子は二つの形態があり、これらを交互に連続して行なうのが特徴です。歌は労働歌を中心に、およそ190の歌詞が採録されています。
現在、他地域に伝えられていた盆踊りのほとんどは統合されたり消滅していますが、高島では近代以前にみられた盆踊りの形態が残されており、地域に密着した年中行事として今も地域の人々により保存されています。
小樽市 :小樽市の文化財
※関連ニュース
・高島越後盆踊り | 小樽観光協会公式WEB | 小樽の観光情報は「おたるぽーたる」
・艶やかに高島越後盆踊り!18日~20日 (小樽ジャーナル http://otaru-journal.com)
※参考
・小樽散歩案内(発行:有限会社ウィルダネス)
・新ねっとわーく小樽2017年8月号No.37【高島】
・小樽市 :小樽市の文化財
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コメント
高島越後盆踊りは本当に優雅というか、動きがスタイリッシュでかっこいいですよね!
道外から小樽にやってきた私としては、足を後ろにあげて浴衣をひらひらさせて踊る潮祭りの踊りに衝撃を受けたので、こちらは対極に感じてしまいます。
踊り継いできてくださった方々の努力を感じるいいお祭りですね。
投稿: coma | 2017年8月21日 (月) 15時16分
comaさん、こんばんは。
本当に、優雅で、そしてかっこいいですよね。そうそう、スタイリッシュという言葉もぴったりです!
確かに、潮まつりの踊りとは、全然違った雰囲気・魅力ですね。
高島の方々が、伝統を受け継いできたことによって、こうやって現在もこの踊りを見ることができるんですよね。素晴らしいことですね。
投稿: 小梅太郎 | 2017年8月22日 (火) 01時54分