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2017年8月17日 (木)

北海製罐株式会社小樽工場(旧北海製罐倉庫)の歴史的建造物4棟について(事務所・工場・旧第2倉庫・第3倉庫)

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小樽運河の北側、通称「北運河」沿いの海側に立ち並ぶ工場などの建物群は、北海製罐株式会社小樽工場の建物です。

中でも、龍宮橋のすぐ横に建つ冒頭の写真の第3倉庫は、映画にでも出てきそうなインパクトのある外観が印象的ですよね。

※写真撮影が2017年3月〜4月とちょっと前なのでご了承を。

ここ北海製罐株式会社小樽工場は、大正10年(1921年)に北海製罐倉庫株式会社として小樽に創立され、主要な建物群が大正10年代から昭和10年(1935年)にかけて鉄筋コンクリート造で建てられました。

それらの建物が現在も残っていて、平成24年度には旧北海製罐倉庫(株)の施設群として、小樽市の歴史的建造物に指定されています。

指定を受けたのは、施設群の中の事務所、工場、旧第2倉庫、そして先ほどの第3倉庫の4棟です。

小樽市HP内に建物概要についての記載があるので、引用させていただきます。

小樽運河の東側埋立地に建ち並ぶ主な施設群は、大正10年代から昭和10(1935)年にかけて建てられ、小樽の鉄筋コンクリート造では初期の建物です。旧第2倉庫は、現存する施設で最も古く、当時の埋立地の形状に合わせ外壁が一部曲面しています。第3倉庫は、建築当初から荷物を揚げ降ろしするためのエレベーターや製品を運河へ搬出するためのスパイラルシュートがあり、機能的な設計がされています。工場は、柱と梁の骨組に窓を組み込んだシンプルな外観です。事務所棟は、横長の連続窓が近代建築の特徴を表しています。 
小樽市 :旧北海製罐倉庫(株)

大正12年(1923年)に完成した小樽運河は、海側を埋め立てることによって水路を確保したもので、現在の北海製罐の建っている場所もその埋立地の一部ということなんですね。

それでは今回は、歴史的建造物の指定を受けた各建物について、個別に見ていこうと思います。


北海製罐小樽工場の事務所

まず事務所棟ですが、この建物は運河には面してないので運河側からは見えず、一本港側の道路沿いに建っていて、そちらが会社の正面入り口となっています。

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小樽市指定歴史的建造物の案内板などもそちらに設置されています。

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事務所棟は昭和10年(1935年)完成で、横長の連続窓が特徴なんですが、これが近代建築のモダンな外観を表しているんですね。

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北海製罐小樽工場の工場

運河側から見て、施設群の中央付近、北浜橋の右手に建つのが、北海製罐小樽工場のまさに工場の建物です。

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昭和6年(1931年)完成で、柱と梁の骨組に窓を組み込んだその外観はとてもシンプルですが、なんだかすっきりとした、こちらもモダンな雰囲気も漂わせていますね。

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確か、近年、建物を覆って工事をしていたので、壁とかが綺麗になりましたね。

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個人的には、歴史的建造物の指定外の建物なのですが、その横の赤い屋根からニョキニョキっと煙突が出ている建物(こちらも工場です)もかなり印象に残ってます。

(こちらの建物ですね)
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北海製罐小樽工場の旧第2倉庫

歴史的建造物の指定を受けている4棟の中で、この旧第2倉庫だけ“旧”の文字がついてますが、そもそも旧第2倉庫については、これまで私はよく知らなかったんです。

旧第2倉庫は大正11年(1922年)の完成で、現存する施設で最も古い建物だそうです。

小樽市HP内の写真や紹介記事によると、位置的には施設群の一番北側で、運河沿いではなくて、運河から3つ並ぶ建物の真ん中の建物です。

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敷地内に近づけなかったので、はっきりとは確認できませんでしたが、こちらの建物のようです。

(遠くから撮ってます)
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小樽市HPの建物概要によると、外壁が一部曲面なのは、当時の埋立地の形状に合わせてとのことです。

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旧第2倉庫ということなので、現在は?と思ったのですが、詳細は分かりませんでした(Google マップ上では第二工場となってますね)。


北海製罐小樽工場の第3倉庫

施設群の一番南側に位置する第3倉庫は、お馴染みの建物ですね。

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観光客で賑わう運河の中央橋から北側に進むと、次の龍宮橋の先に、なんとも不思議な雰囲気を漂わせるこの第3倉庫の建物が見えてくるんですよね。

第3倉庫は大正12年(1923年)の完成で(大正13年という記述もありました)、当時、製品を一気に運河に泊めた船に搬出するためのスパイラルシュートを備えているのが特徴です。

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現役の建物ですが、失礼ながら廃墟のような機会的な外観が、映画のセットのようで目を引きます。

ただ、それがなんだか歴史のある運河の雰囲気に溶け込んでいるのも面白いです。

そうそう、ここは仮面ライダーのショッカーのアジトとして撮影に使用されたことがある、ということでも知られてるんですよね。

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(海側から見たところ)
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おわりに

ということで、今回は北海製罐株式会社小樽工場(旧北海製罐倉庫)の、小樽市の歴史的建造物に指定されている4棟について紹介してみました。

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北運河とも呼ばれる小樽運河の北側は、かつての幅40mの姿を今も残していて、運河の海側に建つこれらの北海製罐の歴史的建造物と合わせて、昔ながらの、かつ独特の景観を作り出してますね。

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北海製罐株式会社の工場と倉庫は、第3回小樽市都市景観賞(平成2年)も受賞しています。


※参考
・「おたる案内人テキストブック」小樽観光大学校運営委員会編
平成24年度「小樽市指定歴史的建造物」に追加された建造物(3棟)(H24_guidemap.pdf)
小樽市 :旧北海製罐倉庫(株)
小樽市 :小樽ものづくりの原動:北海製罐株式会社小樽工場
小樽散歩案内(発行:有限会社ウィルダネス)
・書籍「小樽の建築探訪」小樽再生フォーラム編/北海道新聞社(Amazonで「小樽の建築探訪」を探す)

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