有幌町の細い道路に石造倉庫が続く風景〜入口の大きな建物は旧中村倉庫!?
観光客で賑わうメルヘン交差点を抜けて臨港線まで行くと、交差点の右奥に大きな倉庫が見えます。
実は、ここからさらに右に細い道路が続いているんですよね。
臨港線の一本海側になるんですが、ここは住所でいうと有幌町になります。
先ほどの大きな倉庫の横まで行くと、細い道路が曲がりながら先に続いているのが見えます。
ここ有幌町には、かつてたくさんの石造倉庫が建ち並んでいたそうです(う〜ん、すいません、私はほとんど記憶にないんです…)。
昭和40年代後半に、当時の道路整備計画による、小樽運河の埋め立てを含む道路の建設事業によって、まずここ有幌町にあったそれらの石造倉庫が次々と解体されていったそうです。
これを目にして危機感を持った一部の市民が立ち上がって、運河の埋立反対、保存運動が起こることになるんですね。
先ほどの細い通りを歩いてみると、両側には今も残る石造倉庫が静かに建っています。
観光施設はなくて、普通に倉庫として使われているようで、同じく石造倉庫が多く残っているすぐ近くの観光客で賑わう堺町通りとは、全く違う雰囲気ですね。
ちなみに、通りは短いんですが、そこを抜けると西松屋やオートバックスがあります。
(振り返って見たところ)
通りの入り口の大きな倉庫は旧中村倉庫!?
ところで、この通りの入り口にあった、こちらのかなり大きな倉庫。
駐車場側の壁面は、綺麗に補修されてますが、これは「旧中村倉庫」ですかね?
旧中村倉庫については、たまに記述を目にするのですが、あまり詳しくは紹介されてないんですよね。
ちょっと調べたところによると、この旧中村倉庫は、福井県出身の北前船主・中村三之丞によって、明治28年(1895年)に建てられた石造倉庫ということで、一部は近年(平成19年)に火災のために焼失したそうです。
いくつかの資料を見ると、これがその旧中村倉庫のようですね。
(海側から見た風景)
ということで、今回は旧中村倉庫とそこから続く通り沿いの石造倉庫が建つ風景でしたが、通り自体は短いものの、今となっては当時を偲ぶ風景として、ここは貴重かもしれませんね。
※参考
・小樽散歩案内(発行:有限会社ウィルダネス)
・「おたる案内人テキストブック」小樽観光大学校運営委員会編(「運河」の章より)
・小樽チャンネルMagazine Vol.17(「二、北前船主がつくった石造倉庫」より)
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コメント
ここには、ひときわ大きい倉庫があったんですよ。
平成に入り、火事で全焼してしまいましたが…。
今もあったら…と、本当にも残念です。
投稿: N | 2017年7月 1日 (土) 11時54分
Nさん、こんばんは。
そうなんですね。
平成の火事でここの大きな倉庫が全焼してしまっているんですね。
私はちょっと記憶がないのですが、なんとももったいなく、残念ですね…
投稿: 小梅太郎 | 2017年7月 2日 (日) 03時18分