北運河の端に続く歴史的建造物の3つの石造倉庫、旧増田倉庫・旧広海倉庫・旧右近倉庫
観光客で賑わう小樽運河の中央橋から北側の手宮方面に向かうと急に人影がまばらになります。
途中からの北運河と呼ばれるエリアは運河の幅が40mと昔のままで、多くの船が係留されていて、そこは今も昔の面影を残す落ち着いた雰囲気の漂う、私も時々散歩するお気に入りのエリアです。
※写真は3月31日と4月14日撮影のものが混在していて、3月撮影分にはまだ雪が残っているのでご了承を。
その北運河を端まで行くと、その先には大きな石造倉庫が3つ並んでいるんですよね。
今回はその3つの石造倉庫についてなんですが、それらはいずれも小樽市の歴史的建造物に指定されている、手前から旧増田倉庫、旧広海倉庫、旧右近倉庫で、3つとも明治時代に建てられたものなので、北運河に続いてここも昔ながらの倉庫群の面影を残してるんですね。
ただ、実は北運河の散策路を端に向かって歩いてきても、倉庫が手前から横並びになっているので、肝心の倉庫の建っている様子がよく見えないんです。
もし北運河の端まで行ったなら、せっかくだからもうちょっとだけそのまま進んでみると、これらの倉庫をよく見ることができるんですよね。
特に一番奥の右近倉庫は、なかなか迫力のある倉庫で、正面の上部には一膳箸と呼ばれる「//」の印を見ることができます。
それでは、個別の建物について、小樽市HP内に建物概要の説明があるので、それを参考にさせてもらいつつ、ちょっと紹介しようと思います。
(裏側からの眺めです)
旧増田倉庫
一番手前(運河側)に建つ旧増田倉庫は、石川県加賀市橋立町出身の北前船主・増田又右衛門によって、明治36年 (1903年)に建てられた、木骨石造2階建の倉庫です。
小樽運河北端に建つ大規模な木骨石造倉庫です。 右隣に旧広海倉庫、旧右近倉庫と大規模な倉庫が並び、切妻面を連ねた小樽港独特の壮観な石造倉庫の往年の景観をしのぶことができます。 平成9年に大規模な修復工事が行われています。
小樽市 :旧増田倉庫
※関連記事:旧増田倉庫
旧広海倉庫
旧広海(ひろうみ)倉庫は、石川県加賀市瀬越町出身の北前船主・広海二三郎によって、明治22年(1889年)に建てられた、木骨石造1階建の倉庫です。
加賀に拠点をおいた海運商広海二三郎は、本倉庫を大規模な石造り(木骨石造)で建築しました。 この土地は、かつて手前まで海岸が迫り、正面の右手の方向に鉄道施設があったことから、海陸ともに荷物の輸送と貯蔵に最適な場所でした。 本建築は、荷を積み入れるため奥行きのある長方形で、採光のため屋根の中央と両側に段差を設けています。出入口のアーチは、壁面のアクセントとなっています。
小樽市 :旧広海倉庫
※関連記事:旧広海倉庫
旧右近倉庫
旧右近倉庫は、福井県南越前町河野出身の北前船主・右近権左衛門によって、明治27年(1894年)に建てられた、木骨石造1階建の倉庫です。
明治20年代としては大規模な倉庫で、小屋組にはクイーンポストトラス(対束小屋組)が用いられています。 隣の旧広海倉庫、旧増田倉庫との景観は、かつての倉庫街の面影を残しています。 妻壁の「//」印は、北前船主・右近権左衛門の店印「一膳箸」で、船の帆柱に掲げられた船旗にも使われました。 平成7年正面の壁が強風で崩れましたが、翌8年に現在の姿に修復されています。
小樽市 :旧右近倉庫
やっぱり、一膳箸と呼ばれる「//」の印が印象的なんですよね。
※関連記事:旧右近倉庫
おわりに
ということで、今回は北運河の端に建つ、小樽市指定歴史的建造物でもある3つの倉庫、旧増田倉庫、旧広海倉庫、旧右近倉庫についてでした。
北運河の端には、運河公園があって、その奥には旧日本郵船(株)小樽支店の建物が建っていてと、この辺りは小樽散策にもいいスポットなんですよね。
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