手宮へ向かうバス通りの途中に残る大きな岩は、かつて小樽の市街地と手宮地区を分断していた石山の名残り?
以前から気になっていたのですが、手宮へ向かう錦町のバス通り(道道454号小樽海岸公園線)の途中の海側の空き地に、ゴロンと大きな岩があるんですよね。
住所としては稲穂5丁目になるのですが、ちょうどセブンイレブンの道路を挟んだ向かいになります。
今回、初めて近くまで行って見てきたのですが、こんなところに大きな岩が無造作にあるというのも、何とも不自然な光景ですよね。
で、これはここに置かれた岩ではなくて、削り残されて残った岩山のようなんです。
この岩については、実は、小樽をディープに紹介する書籍「小樽散歩案内」(発行:有限会社ウィルダネス)で触れられているんです。
それによると、元々この辺りには、小樽の市街地と手宮地区を分断する石山(地元では荒巻山)と呼ばれる、岩が多い尾根が張り出していたそうです。
それがずっと交通の妨げになっていたそうで、石山を削って大正8年(1919年)にようやく、現在のバス通りにあたる道路が全線開通したそうです。
「小樽散歩案内」では、今回の岩のことを“岩山を崩した際の残りだろうか”と言及していて、何故残っているのかは分かりませんが、もしそうだとすると、当時から残ってるこの岩を見る目もちょっと変わってきますね。
ちなみに、先ほどの向かいのセブンイレブンの斜め後方には、石山を切り崩した跡と思われる、崖のような山が残されているのが見えます。
さらに、ここから西側(山側)に向かうと、手宮方面と稲穂町方面を現在も分断している荒巻山の、ゴツゴツとした山を見ることができます。
(荒巻山を稲穂町側から見たところ。この写真のみ2015年5月撮影)
ちなみに、この山の向こうには、十間坂が山の途中まで続いてます。
さて、今回の岩のすぐ海側には、旧手宮線が走っているのですが、現在はここまで線路跡の遊歩道が整備されているので、線路側からもこの岩を見てきました。
こんな感じで、岩は見上げるような位置にあります。
かなり低い位置に線路があるんですね。というか、手宮へ向かう道路は山を削って通した道路なので、そちらが高い位置にあるということかな。
ということで、今回は手宮へ向かうバス通りの途中に残る、大きな岩についてでしたが、なんだろうな〜と何気に見ていたこの岩も、時代背景を知ると、何だか興味深いですね。
【関連記事】
・手宮の十間坂を上る
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コメント
小樽から遠くに暮らしていても故郷を身近に感じられるブログをいつも楽しく見させて頂いています。
昔の小樽の地図を見ると、確かに山が道路を分断していました。その岩山の名残だとすると、すごい興味深いです。
投稿: たむたむ | 2016年9月28日 (水) 16時30分
昔 祖父から聞いた事があるんですが発破でくずして道開通したと言ってたような…曾祖父のアルバムにその時の写真が残ってます。懐かしいです。
投稿: 百川 | 2016年9月28日 (水) 18時18分
たむたむさん、こんばんは。
いつも見ていただき、ありがとうございます!
そうなんですよね。私も昔の地図を見たのですが、石山が見事に道路を分断していますよね。
その名残りだとすると、何だか興味津々ですね。
百川さん、こんばんは。
なるほど、当時ですと、発破でどんどん崩していったのですね。
それにしても、当時の写真が残っているなんて、とっても貴重ではないですか!?写真があること自体、凄いですね。
投稿: 小梅太郎 | 2016年9月28日 (水) 23時40分