梁川通りの日本酒製造・販売の老舗「山二わたなべ」が酒造から撤退するというニュース
ちょっと残念なニュースがありました。
梁川通りの奥に店舗(本社)を構える、日本酒製造・販売の小樽の老舗「山二わたなべ」が、酒造から撤退するとのことです。
(写真は2012年4月3日撮影)
2016年1月27日付 北海道新聞朝刊小樽・後志欄に掲載されていました。
「山二わたなべ」は、明治12年(1879年)創業という老舗で、「北寶(きたたから)」や「北海熊古露里(ころり)」「雪中花」「小樽の女」といった銘柄があるようですが、2月中でその酒造から撤退するそうです。
実は、山二わたなべが現在はどこで自社ブランドのお酒を造っていたのかって、私は知らなかったのですが、醸造は北の誉酒造の小樽工場に委託していたそうなんです。
ところが、ご存知の方も多いと思いますが、その北の誉酒造は、2016年1月1日付で酒造大手のオエノンホールディングス傘下の合同酒精(東京)に吸収合併され、小樽の北の誉酒造はなくなり、北の誉ブランドの醸造は合同酒精の旭川工場に移されたんですよね。
※その時の記事はこちら。
→ニュースより/小樽の老舗「北の誉酒造」が創業の地・小樽での生産を終了。展示施設「酒泉館」は10月31日をもって閉館
新聞記事によると(引用はどうしんウェブより)、
山二わたなべは昨秋以降、合同酒精や日本清酒(札幌)と醸造委託について交渉したが、委託料などの条件が合わず、「小樽の地酒」というブランドを守れないことから酒造からの撤退を決め、昨年12月に取引先などに通知した。2月までに自社ブランド製品の出荷を終え、酒造部門を停止する。
小樽・山二わたなべ、酒造から撤退 「北宝」など10銘柄 | どうしんウェブ/電子版(道央)
ということで、北の誉酒造の吸収合併による小樽工場閉鎖の影響は、こういうところにも及んでしまったんですね。
今後は、銘柄の存続を条件に買収も受け入れる方針とのことで、本社の店舗では、他社の酒類販売業務を続けるそうです。
ちなみに、その梁川通りの店舗(本社)は、渡邊酒造店の看板も掲げているのですが、この建物は小樽市指定歴史的建造物でもあるんですよね。
タイルを張りのモダンな印象を受けるこの建物は、昭和5年(1930年)の建築で、小樽市HP内の建物概要が掲載されているので、引用させていただきます。
梁川通りの角地に建ち、この地区のランドマークとなっています。
建物の外壁に褐色のタイルを張り、軒先には雷文や卵と槍の模様をつけ、2階窓上には酒樽の看板を掲げています。
店内には、天井に模様を型押しした金属板を張り、壁に鏡を飾るなど、昭和初期のモダンなデザインを伝えています。
同時期に建てられた田中酒造店は、木造建築で町屋形式の外観をもち、対照的な形態といえます。
小樽市 :渡邊酒造店
ということで、先日の北の誉酒造に続き、また小樽の老舗の酒造がなくなってしまいます。
あと小樽に残っているのは、田中酒造だけでしょうか…
【関連記事】
・梁川通りの渡邊酒造店
・ニュースより/小樽の老舗「北の誉酒造」が創業の地・小樽での生産を終了。展示施設「酒泉館」は10月31日をもって閉館
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コメント
北海熊古露里、珍しい超辛口の美味しいお酒でした。このニュースはとてもショックです。何とか存続してほしいものです・・・。
投稿: FF | 2016年1月29日 (金) 23時30分
FFさん、こんばんは。
私は北海熊古露里は飲んだことがないんです。
超辛口の美味しいお酒ですか!飲んでみたい!
それにしても、何とか存続できないものでしょうかね…
投稿: 小梅太郎 | 2016年1月30日 (土) 02時44分