ブラタモリ小樽〜タモリさんの足跡を辿る【前編】《オープニングの小樽運河〜メルヘン交差点〜石造倉庫〜坂の上の高級住宅街》
皆さん、先日(2015年11月14日)放送の「ブラタモリ」は見ましたか。
ついにブラタモリで小樽が取り上げられるということで、小樽ではちょっとした盛り上がりを見せてましたが、人気番組なので見た方も多かったのではないでしょうか。
タモリさんが小樽の街を歩いて、小樽の街を紹介してくれたことが、何だか不思議な感じで、とても嬉しかったですね。
さて、小樽編は「#23 小樽 ~観光地・小樽発展の秘密は『衰退』にあり?~」というテーマで、タモリさんが小樽の街を歩きました。
そこで、放送後に私・小梅太郎がタモリさんの足跡を辿ってきたので、その様子を写真中心で紹介したいと思います。番組を思い出しつつ、小樽を楽しんでもらえたら嬉しいです。
記事が長くなったので、前後編に分けてますので、まずは前編です。
※参考:#23 小樽 観光地・小樽発展の秘密は『衰退』にあり? | タモリのブラブラ足跡マップ | ブラタモリ - NHK
※過去に詳細記事を書いている場所などについては、リンクを貼っているので、参考にしてください。
オープニングは小樽運河
まず、オープニングはやっぱり小樽運河でしたね。
場所は観光客が集まる浅草橋街園からでした。
案内人は小樽市総合博物館の石川館長。石川館長は直接の面識はないですが、イベントなどでよくお見かけしますし、小樽の案内役でテレビで時々見ますね。
番組では、まず昭和50年代の運河の写真を見ていましたが、私も当時、運河が臭かった記憶だけは鮮明にあります。当時は“街の恥部”とまで言われたんですね。
で、タモリさんは、小樽は初めてのつもりだったようですが、実は1984年の小樽博覧会に来ていて、そこで“小樽には何もない”という発言したというエピソードが紹介されましたね。ただ、これがこの日の小樽編のポイントとなるんですね。
そして、テーマが「観光地・小樽 発展の秘密は「衰退」にあり?」。
今や年間観光客750万人を数える観光の街・小樽は、いかにしてこのような観光地となったのか。それでは、タモリさんの小樽での足跡を辿って行きたいと思います。
メルヘン交差点
衰退するということは、その前に発展していたということで、まず、明治の初めはニシン漁で3000人の町であったという紹介のもと、港町の発展の痕跡を辿るべく、タモリさんが向かったのは観光客で賑わうメルヘン交差点でした。
ちなみにタモリさんたちは、入船通り側からルヘン交差点に入ってきましたが、出迎えたのは小樽オルゴール堂本館の蒸気時計の音でしたね。
さらに、洋菓子で人気のルタオの鐘まで鳴り出したりしてました。
さて、本題に戻って、注目したのがメルヘン交差点から見た曲がった通り。この通りは堺町通りですが、ここを境に海側は埋め立てられた土地なんですね。小樽の海沿いは多くが埋め立て地というのは聞いてましたが、堺町通りがその境界なんですね。
明治13年(1880年)の小樽(手宮)〜札幌間の北海道初の鉄道開通を機に、石炭の積み出しなどで急激な発展が始まり、海岸線の埋め立てが始まるんですね(明治20年頃から埋め立て地が増えたそうです)。
そして、港には船も集まり、物資を置く倉庫がどんどん作られました。
ということで、次は倉庫についてでした。
小樽の倉庫について〜北一硝子三号館
小樽の倉庫は石造りが多いのですが、どんな石を使っていたかということで実際の倉庫を見たタモリさんは、“これは細工のしやすい凝灰岩”と当ててしまいました。こちらでは軟石といいますね。
(倉庫を利用した北菓楼と六花亭の店舗)
さらに、もう一つ、軟石を使った重要な理由をタモリさんに尋ねたところ、“遮熱”とすぐに正解してしまい、“話には聞いてましたけど…”と案内人の石川館長を参らせてましたね。
加工しやすい軟石は火事にも強く、それが信頼にも繋がり、さらに小樽の港の発展に繋がっていったんですね。
小樽には今も古い倉庫がたくさん残っていますが、タモリさんたちが向かったのが、明治24年建築の、現在は北一硝子三号館として使われている旧木村倉庫です。
入ってすぐの床には荷物を運び入れるトロッコのレールがあります。
これが番組でも出てきた、地下足袋の足跡ですね。
ここで注目したのは、小樽の石造倉庫の特徴でもある木骨石造でした。木骨石造は小樽の倉庫に多く見られ、木で組んだ骨組みの外側に石材を積み上げた構造で、作りやすいので工期短縮、費用削減になったそうです。
壁は石材。
中は木の骨組み。
外壁材となる軟石は、小樽の奥沢や天狗山、札幌でも採れたそうですよ(参考:小樽市 : 景観よもやま話)。
ちなみに、テレビで出てきた写真で、木骨石造で建築途中の立派な木の骨組みの倉庫は、おそらく運河沿いの大家(おおいえ)倉庫の写真ですね。
(2011年6月撮影の大家倉庫)
こうして、小樽は急激に港が発展し、そして町が変化していったわけですが、次に発展をひもとくヒントとして注目したのが地形でした。
見晴らし坂〜旧板谷邸
まずはいきなり目の前に見えたのが、堺町通りの山側に見える「海食崖」。ここが海によって削られたということなんですね。すごいですね。
で、その海食崖の上には小樽の町の発展を象徴する痕跡があるということで、向かおうとするのですが、ここで目に入ったのが、ラムネでしたね。小樽は明治28年からラムネを作っているとの説明がありましたが、なかなか古いんですね。
ちなみにこの時、桑子アナがラムネを暴発させるというハプニングがありました(笑)。ただ、残念ながら、今回足跡を辿った際には、店先で売っているラムネは見つけられませんでした。
さらに、小樽から運ばれた変わった物資で、モナカの皮の話もありましたが、モナカの皮だけで船を出したとは、凄いですね。かさばりそうです。
で、崖の上の高台に向かうのに上ったのが、堺町通りから一カ所だけある高台に向かう上り坂「見晴らし坂」でした(番組で坂の名前は出てきません)。
勾配は20%で、なかなか急です。
ここは坂の上からの眺めが、なかなかいいんですよね。
ここで、海の向こうに見える増毛と、小樽の毛無山の話がありましたね(笑)
そして、坂を上ったところの右側に見えてくるのが、小樽市指定歴史的建造物の「旧板谷邸」の立派な門です。
ここでもタモリさんは、“廻船問屋の財を成した方の家ですか?”と正解を言ってしまうんですが、ここは海運業などで財をなした板谷宮吉の邸宅で、門から奥に母屋と蔵が残っています。金満番付という高額所得者番付で全国18位だったという説明がありましたね。
そして、先ほどの門と通りを挟んだ向かいにある、立派な石垣の上にも、かつて銅鉄金物商だった名取高三郎の邸宅があったということで、この辺りは高級住宅街だったんですよね(板谷さんは新潟から、名取さんは山梨からきたそうです)。
ちなみに、旧名取高三郎商店の建物は、堺町通りの端の建つ、現在の大正硝子館の建物です。
(こちらが、現在は大正硝子館の旧名取高三郎商店)
そして、小樽は小さな漁村から商業都市へと変わっていくんですね(番組内で紹介された、岐阜からの篠田洋物店は、詳しくは分かりません)。
で、この坂の上あたりは、当時も眺めがよいこともあって豪邸が並んだそうですが、そのオーシャンビューを見るために、番組では旧名取邸跡に建つマンションの部屋から景色を眺めてましたが、さすがに私は知り合いはいないので、見に行けません(笑)
明治の頃は、港には船があふれんばかりにいたようですが、明治30年代末、貨物船の取り扱い総トン数が全国4位だったそうで、人口も明治初期が3000人だったのが、明治43年には人口9万人にふくれあがったそうです。
(左に板谷邸、右に名取邸、正面に小樽港。ここはかつての高級住宅街)
ここで、テーマの再確認で、ここまではまだ“衰退”はしてないのですが、小樽はまだまだ発展していき、その発展についていくための町づくりの話となります。つまり爆発的に増えた人口に対する住宅の問題ですね。
ちなみに、この時タモリさんが歩いていたのは、旧板谷邸を過ぎてから水天宮へ向かう、小樽市指定歴史的建造物の旧寿原邸前の坂道でした(寿原邸には触れなかったですね)。
(旧寿原邸)
ということで、前編はここまで。続きは後編ということで、ご勘弁を。
いや〜、ブラタモリは本当に面白いですね。それに、まだまだ小樽の知らないことがあって、ためになります。
※後編はこちら。
→ブラタモリ小樽〜タモリさんの足跡を辿る【後編】《水天宮〜花園町〜銀行の集まる交差点〜旧三井銀行小樽支店〜北運河》
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コメント
ブラタモリ、小樽編私も2回ほど、続けて見ました。
小梅太郎さんのブログでも、更に掘り下げられて、とても
嬉しい!です。
うきうきして読みました。
昨年何度も描きに行った場所や、疑問に思っていた傾斜の事など小樽は本当に興味深い所がいっぱいです。
投稿: eko | 2015年11月19日 (木) 22時15分
おはようございます。
オ~シャンビュ~に知人はいませんでしたか?
少々期待したんですが・・・残念
投稿: どう | 2015年11月20日 (金) 05時50分
すっかり観光地になった小樽。
私が離れる頃、丁度運河が工事していた頃でその時の様子は写真に残してあります。見晴坂のシーンも嬉しかったです!!堺小の頃、堺町の同級生とよく下校時あの坂道を降りて帰ったものです。
私も寿原邸が映ると思ってたので少し残念でした(小、中同級生だったので)。タモリさんが小樽博に来られてたのは知しりませんでした。私、小樽博の会場で働いてたので…(その後、つくば博の仕事で小樽を離れて今に至ってます)
本局が映ってましたが工事していたようですが(外壁工事かな?)
本局、製缶工場と今思うと小樽ではいろんな所で仕事してましたね(笑)
小樽に帰りたくなりました。
投稿: 百川 | 2015年11月20日 (金) 08時26分
~~~ヾ(^∇^)おはよー♪
残念ながら見ていません(;'∀')
昔は何度も札幌には行っていて 小樽も何回行ったかな?
その頃小梅さんのブログ見ていたら ちょっとは小樽の歴史も知った観光に・・
北一硝子は 毎回行きましたよ
日本酒飲まないのに 冷酒用の徳利?とグラスのセットを買ったり(苦笑)
今もグラスやらありますが 毎晩使っているのはマドラーかな( *´艸`)
北一硝子の入り口 思い出すなぁ~
投稿: kei | 2015年11月20日 (金) 08時52分
今の小樽は、運河、すし、ガラス、オルゴールでイメージが固定されていると思います。そんな中、歴史を切り口に歴史的建造物や地勢を持ってくるというのは斬新だと感じました。歴史的背景を聞きながらの観光は新たな興味がわいてくると思います。明日から始まる小樽ゆき物語で、夜のまちなみ散策ツアー(無料)という企画が新たに始まるそうです。ガイドブックでは味わえない小樽観光を楽しみ歴史や文化に興味を持ってくれる人が増えればいいですね。
投稿: dialin6700 | 2015年11月20日 (金) 13時10分
こんばんは。
面白かったですね。
小樽っ子のつもりなのに、知らない事ばかり。
ブラタモリは、いつも切り口が面白くて大好きですが、お世辞じゃなく小樽編が最高だと思いましたよ。
すぐにタモリさん一行の後を辿れる小梅さん、羨ましいです。
私も、すぐに小樽に帰りたくなりましたもん。
お金持ちは高い所に住む、これは本当だったんですね。
私は下町っ子だったもんで、そんな世界を知りませんでした。
投稿: はは | 2015年11月20日 (金) 23時27分
ekoさん、こんばんは。
私も何回も見てしまいました。
知らないことも色々あって、面白かったですよね。
この足跡を辿った記事も楽しんでもらえたなら、嬉しいです!
スケッチした場所も色々出てきたんですね。
まだまだ、小樽には面白そうな場所がありそうですね。
どうさん、こんばんは。
いや〜、知人はいませんでした(^-^;
私もこの目でマンションの上から、
オ~シャンビュ~を楽しみたかったんですけど…
百川さん、こんばんは。
百川さんが小樽を離れる頃は、運河工事の頃なんですね。
うわ〜、写真があるなんて、貴重です!
堺小だったんですね。タモリさんが上った坂は、堺小の横の坂ですものね。
寿原邸はちょっと期待したのですが、残念でした。それにしても、ここの方と同級生だったんですか!?
さらに小樽博とも繫がりがあるなんて、今回は色々と懐かしいことが放送されましたね。
本局は外壁工事をしていたんですが、今は工事も終わってます。
なんと、北海製罐も!!
keiさん、こんばんは。
それは残念!なかなか面白くて、地元民が喜ぶ内容でした!
そうか、結構小樽にも来られてたのですね。
う〜ん、私もその頃にこのブログを見てもらいたかったです(*^-^)
北一硝子に行くと、色々と欲しくなるんですよね。
うちにもグラスなどがありますが、確かに、マドラーは使うシーンをあまり選ばないですね(^-^;
dialin6700さん、こんばんは。
今回のブラタモリは、本当に、よくある小樽の観光案内的なものとは一線を画す内容で、テレビ番組として新鮮でしたね。
こういう歴史的背景を思いながら、観光する方が増えてくれるといいですね。
小樽ゆき物語のその散策ツアーも面白そうですね。
多くの方が参加してくれるといいですね。
ははさん、こんばんは。
いや〜、私も結構知らないことが多かったです。
私もブラタモリは、面白くていつも見ているのですが、今回の小樽編は本当に面白かったですよね。
いや〜、この放送が決まってから、タモリさんの足跡を辿ってみようと、すぐに思ったのですが、すいません、思った以上に楽しく辿ってきました(*^-^)
確かに小樽の見晴らしのよい高台は、お金持ちの住宅地ですね。富岡とかもそうですかね。
私もよく知りませんが(^-^;
投稿: 小梅太郎 | 2015年11月21日 (土) 03時46分