銭函の国道5号線沿いにひっそりとある「御膳水宮」
先日、銭函地区に行く機会があったのですが、車で国道5号線沿いを走っていると、銭函小も過ぎた先の、国道337号線との分岐のちょっと手前に、「御膳水」という標識が掲げられた信号があります。
このすぐ近く(小樽寄り)に、御膳水宮(ごぜんすいぐう)という、御膳水の石碑や小さな井戸のような祠があるんです。
御膳水といえば、雪解け後の手宮公園下の崖に現れる、季節限定の「御膳水の滝」というのが知られていますよね。
その手宮の滝の上流部には“御膳水”と呼ばれる泉があって、そこからあふれた水が流れ落ちているそうで、御膳水という名は、明治14年(1881年)8月に明治天皇が小樽を訪れた際、その水を献上したことに由来しているそうです。
で、実はもうひとつ、ここ銭函にも「御膳水」があるというのは、いつも何かと参考にさせてもらっている書籍「小樽散歩案内」(発行:有限会社ウィルダネス)に書かれていたんですよね。
銭函地区というと、札幌市と隣接する小樽の東端に位置し、正直なかなか行く機会がないんですが、今回、ようやく見に行くことができたというわけです。
ただ、その御膳水宮は、国道5号線沿いの全然目立たない場所にひっそりとあり、普通は気付かず通り過ぎてしまいそうなくらいで、おそらく、誰も見に来ないようなスポットです…
実際、石碑や井戸といっても、う〜ん、左の2つの石碑(?)は草に隠れているし…
右側の井戸のような祠は、ちょっと新しいですね。
横には「御膳水宮」と題して、案内板があります。
内容を書き起こします。
明治14年8月 明治天皇の北海道行幸にあたり、小樽港に御召艦を迎え小樽手宮桟橋に御上陸し、手宮駅から御召列車で札幌に向かわれた途中、「煤田開採係出張所」(現:小樽市見晴町285番地先)にて、御小憩された折り、当地の沢水を御飲料になりました。
これを記念して、当地域を「御膳水地」として記念碑を建立し、今日に至っています。
ということで、手宮の御膳水の滝と同じ時に、ここの水も献上したということなんですね。
ただし、ここで興味深いことが書籍「小樽散歩案内」(発行:有限会社ウィルダネス)に書かれていて、実際は天皇の小樽への上陸が遅れたため、列車で手宮から札幌に向かう際に、銭函には立ち寄ってないそうです。
つまり、明治天皇はここの水は飲んでなくて、後日、有栖川左大臣が天皇に代わって視察を行い、有栖川宮がここ銭函で水を飲んだとのことで、これは、なかなか微妙な話ですね。
現在、ここから水は湧いてないようです。
ちなみに、この御膳水宮の右横には、別の石碑が建っていますが(こちらの方が立派ですが)、これは昭和26年(1951年)5月に建てられた、長谷部虎杖子の句碑ということです。
車組むや 一滴の油 地にひらく
(すいません、勉強不足で、句の内容やどのような方かは知りません)。
※参考
・書籍「小樽散歩案内」(発行:有限会社ウィルダネス)
・もうひとつの「御膳水」 : ときどきの記 小樽の出版社“ウィルダネス”のブログ
・御膳水宮 - Wikipedia
【関連記事】
・今年も春の訪れを告げる「御膳水の滝」が手宮の崖に出現してます
・小樽散歩案内〜小樽をディープに知りたいならば、是非手元に置きたい本
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