平磯岬を迂回する道路沿いにポツンと建つ「旧北海道庁土木部小樽築港事務所見張所」は歴史的建造物
ウイングベイ小樽の海側の道路を平磯岬方面に進んで行くと、左手に大きなクレーンや小樽港湾事務所(おたるみなと資料館)の建物が見えてくるのですが、それらと車道を挟んで反対側に、ポツンと小さいけれども何とも趣のある建物が建っています。
「旧北海道庁土木部小樽築港事務所見張所」
この建物は、木造1階建の本当に小さな建物ですが、昭和10年(1935年)の建築で、実は小樽市指定歴史的建造物でもあるんですよね。
この建物の前の道路は、平磯岬の高台をぐるっと迂回する道路で、すぐ先からは左に南防波堤が伸びています。
(南防波堤)
道路の挟んで海側のクレーンや小樽港湾事務所(おたるみなと資料館)、そして南防波堤については、こちらの記事でどうぞ。
→小樽港の南防波堤周辺の様子と巨大なクレーン
(小樽港湾事務所/おたるみなと資料館)
で、今回の小さな建物は、かつての小樽築港事務所の見張所だったということで、小樽の発展を支えてきた小樽港を見守ってきた建物なんですね。
いつもの歴史的建造物についての案内板が建っていますが、建物概要については、小樽市HP内に記載があるので、そちらから引用させていただきます。
北海道経済を先導してきた小樽港の発展とともに歩んできた事務所です。 初代小樽築港事務所長の廣井勇博士は、小樽築港工事でコンクリートの施工技術の発展に寄与する研究と開発を行い、今日の輝かしい港湾技術の基礎を築きました。 小規模(2.5間×3間)ですが、外壁は2種類の板壁を使い分け、方形屋根に小さい屋根をのせるなど、工夫を凝らしています。 小樽港縦貫線の道路工事に伴い、平成13年に東寄り約60mの位置から現在地へ曳き家されています。
小樽市 : 旧北海道庁土木部小樽築港事務所見張所
ということで、もともとはこの位置ではなかったのですね。
昭和59年には、廣井勇の工事記録やデータ等を展示する目的で、この建物が資料室となっていたそうですが、それらは現在は、道路を挟んだ海側にある「みなと資料館」で展示されているそうです(まだ見に行ってませんが…)。
ということは、現在この建物は、特に使われていないということでしょうかね。
道路脇にポツンと一軒佇むように建っているので、今後どうなるのか、ちょっと気になります。
ちなみに、後ろの平磯岬の高台に建っている建物は、小樽市指定歴史的建造物で料亭・温泉旅館の鰊御殿・銀鱗荘です。
そうそう、この前を通る道路には、近くに信号や横断歩道がないので、見に行く際は車には十分注意しましょう。
【関連記事】
・平磯岬の高台を迂回する道路を歩く〜この辺りが平磯岬の先端かな?
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コメント
こんばんは。前回の記事となつかしく読ませていただきました。息子の学校の関係でこのあたりは何回か訪れたのですが、なんのための建物やクレーンだったのかようやくわかりました。船に関することはわからなかったのですが、なにもかも目新しく、ワクワクした日々が思い出されます。
投稿: むさママ | 2015年9月17日 (木) 22時48分
むさママさん、こんばんは。
このあたりは、なかなか来る機会ってないですが、むさママさんは、何回かこられてるんですね。
クレーンはそういう施設でした(って、私も今回調べて分かったんですけどね(^-^;)。
このあたりは、防波堤があって海がとにかく近くて、何だか非日常的な風景で、ワクワクしますね。
投稿: 小梅太郎 | 2015年9月18日 (金) 00時05分