小樽市指定歴史的建造物の「旧作左部商店蔵」は小樽で残っているのが珍しい土蔵造りの蔵
住吉町の高台から臨港線の信香町方面へと下る「山ノ上の坂」という坂道があります。
この坂道を下って臨港線沿いを少し進んだ交差点を山側に曲がると、すぐ右手にいかにも“蔵”といった外観の建物が建っています。
「旧作左部商店蔵」
この蔵は、小樽市指定歴史的建造物に指定されている蔵なんですよね。
土蔵造2階建で、建築年は明治初期ということです。
こちらが、小樽市指定歴史的建造物の案内板ですが、
小樽市HP内に建物概要が記載されてますので、そちらから引用されてもらうと、
1世紀以上にわたり厳しい風雪に耐えてきた建物です。
蔵は、母屋に付属し、物を格納するため、耐火構造にすることが必要でした。
小樽の蔵は、はじめ土蔵造りが多く、明治後期から次第に外壁に石を張り付ける木骨石造に変わりました。
本建築は、屋根や壁など土蔵造りの特徴を伝える代表的なもので、妻壁(三角形になった壁面)の植物をあしらう模様は、外壁のアクセントになっています。
平成15年に外観が修復されています。
小樽市 : 旧作左部商店蔵
ということで、小樽の蔵の多くは、外壁に石を張り付ける木骨石造ですが、この蔵はそれ以前に多くみられたという土蔵造りで、小樽では残っているのが珍しいんですね。
これがアクセントになっている模様ですね。
外壁と屋根は土で塗り、その外側を保護するために壁に板を張っている構造だそうです(書籍「小樽の建築探訪」(小樽再生フォーラム編/北海道新聞社)より)。
平成15年に外観が修復されているということで、とても綺麗ですが、書籍「小樽の建築探訪」には、この旧作左部商店蔵の修復前の写真が掲載されていて、以前の姿はかなり古いのですが、それはそれで趣があります。
修復前の写真もどこかで閲覧できるようになっていればいいのですがね。元の状態も知りたいですからね。
ちなみに、この蔵の前の通りは、奥沢十字街から続く通りです。
一見、なんでこんなところにポツンと歴史ある建物が建っているんだろう、という感じもしますが、すぐ近くの臨港線沿いには「オタルナイ役所跡」と書かれた案内板が立っていて、それからも分かる通り、実は明治の初期頃の小樽の中心は、この一帯だったんですよね。
【関連記事】
※過去の旧作左部商店蔵の記事がこちらです。
・旧作左部商店蔵
※「オタルナイ役所跡」の案内板については、次の記事内に記載があります。
・臨港線と住吉町の高台を結ぶ「山ノ上の坂」〜ここはかつて山ノ上町でした
※記事中の書籍「小樽の建築探訪」についての記事はこちら。
・小樽の古い建物について参考にしている書籍です「小樽の建築探訪」
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コメント
函館から逃げて来た、榎本反政府軍隊の生き残りの、明治政府の捜索隊の居た所だった。今の三ツ山医院の辺りに隠れていた上野のシヨウギ隊の、生き残りが3人殺されて居る。同じ場所にあった印刷所の解体工事中に、火災が起こり、3人の作業員が亡くなり、今は車置場になっている。お化けの噂が有る場所です。夜の写真に写るらしい。小梅さんの嫌いな話しでした!
投稿: 土方歳三の曾孫 | 2015年8月16日 (日) 03時46分
土方歳三の曾孫さん、こんばんは。
なるほど、これだけ歴史が古い建物ですと、歴史上でも色々とありそうですね。
はい、すいません、その手の噂話はちょっと苦手で(^-^;
投稿: 小梅太郎 | 2015年8月16日 (日) 12時14分
案内看板ですが、ひどい有様になっていますね・・・。旧作左部商店蔵は綺麗なので勿体無い。
シーボートはややクラシカルな装いで好きな建物ですが、看板が残念な色になってしまいました・・・。
投稿: F | 2015年8月17日 (月) 22時47分
Fさん、こんばんは。
確かに案内板が残念な状態ですね。
他の小樽市指定歴史的建造物でも、同じように案内板がひどくなっているところがありますね。
やはり、市で指定していて、見学もお勧めしている建物ですから、案内板も整備してもらいたいところですね…
投稿: 小梅太郎 | 2015年8月18日 (火) 01時06分