手宮の十間坂を上る
手宮市場のある手宮仲通りから南側(小樽市街地側)を見ると、ちょっとした山になっているのですが、この山を荒巻山というそうです。
手宮市場すぐ近くの交差点から、ふと横に目をやると、この荒巻山に向かって上っていく、とても幅が広くてかなり急な坂道が見えます。
この坂が、今回の「十間坂(じゅっけんざか)」です。
実は、ちょっと前なんですが、小樽の魅力をウェブサイトやFacebookページにて発信する「おたるくらし」に、「広くて急な手宮の十間坂」という記事を寄稿させていただいたんです。
→広くて急な手宮の十間坂 | ここかしこが慕わしいまち
その際に写真をたくさん撮ってきたので、今回は、その補足記事のようにもなってます。
で、十間坂ですが、道幅が尺貫法の十間(約18メートル)あることが、名前の由来とのことで、その昔は手宮地区も火災が多かったので、延焼を防ぐ防火帯として幅を広くしたそうです。
坂の上り始めには、その名残りなのか、時計のついた火の見やぐらが建ち、先端部には風見鶏が見えますね。
(参考:小樽市 : おたる坂まち散歩 第4話 十間坂(前編) (じゅっけんざか))
タイトルで“手宮の十間坂”と書きましたが、住所でいうと石山町と錦町の境に位置してます。
坂を見ると気がつくのですが、駐車している車がみんな横向きなんですよね。
急坂ですが道幅が広いので、皆さんこうやって横向きに止めるのが習慣になってるんですね。
(坂を振り返ってみたところ)
この日は実際に坂道を上ってきたのですが、かなりの急坂なんですよね。さらに、上るにつれ勾配はきつくなってきます。
何とか上の方まで上り振り返ると、上ってきた十間坂と、それに続く十間通りが見え、その先には手宮の街並が見渡せます。いい眺めです。
鉄道が敷かれ石炭の積み出し港があった手宮地区は、かつては、大変な賑わいだったとのことで、今は静かな街並ですが、その当時はこの眺めも随分と違ったものだったでしょうね。
手宮の街並の向こうには手宮公園の緑が見えるのですが、よく見ると、ちょうど正面にはその手宮公園へと上る「励ましの坂」の長く急な坂道も眺めることができます。
さて、上ってきた十間坂ですが、上の方は民家の敷地で、さらにその正面には荒巻山があるので、坂道はここまでなんですよね。つまり、通り抜けはできないんです。
(さらに上は石段になってます)
この荒巻山の向こうは稲穂町なんですが、かつてはこの山を開削して道路を通す計画もあったそうです。小樽市HP内の「おたる坂まち散歩」の説明によると、
十間坂を上ると、人が通るのにやっとの狭い道になり、さらに進むと、荒巻山を越えて色内へと出ます。ここは、かつて道路となる予定の道でした。明治38(1905)年、稲穂・色内から荒巻山を開削し手宮へと出る道路を整備する計画が、当時の小樽区議会に、初めて提案されました。しかし、これ以降も、活発な議論が交わされる中、幾度となく審議が重ねられましたが、今もってこの道路は実現に至っていません。
小樽市 : おたる坂まち散歩 第4話 十間坂(前編) (じゅっけんざか)
ということで、現在、この坂を上り下りするのは近隣の住民と、そのお宅を訪れる方々ということになりますね。
ちなみに、ここ十間坂と平行して山側には「浄応寺の坂」があり、この坂が手宮方面と稲穂町方面をつなぐ抜け道として利用されていて、車の通行量も多いですね。
もし、十間坂が荒巻山を越えて稲穂町と繋がっていたら、ここの様子も随分と変わっていたのでしょうね。
(この写真は荒巻山を稲穂町側から見たところです)
ということで、今回は、手宮にある急で幅の広い十間坂の様子でした。
ちなみに、十間坂の下に続く十間通りは、以前は「おたるいか電祭り」が開催され、いか電広場とも呼ばれていて、現在もそこで夏のイベント「手宮ビアガーデン」が開催され、とても盛り上がるそうですよ。
【関連記事】
・手宮の十間坂
・稲穂町から手宮方面へと浄応寺の坂を下る
※「励ましの坂」関連の記事です。
・末広中学校は励ましの坂を上った先
・手宮公園に向かう励ましの坂のナナカマドと紅葉には早かった小樽稲荷神社
・手宮公園に向かう「励ましの坂」
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コメント
昨年の6月帰樽の時、稲穂側から色内小学校前道路の1・2本海側の道をただただ上りました。
上りつめたらその前には道がなく小高い山?になっていました(゚0゚)
そこからは私有地らしき所を通り錦町のバス通りへ降りてきました(゚ー゚;
その小高い山?が荒巻山だったんでしょうか。
アカシアの花の匂いがしていましたよ。
投稿: EKO | 2015年6月 3日 (水) 00時50分
EKOさん、こんばんは。
稲穂側のその位置から上ったとなると、正面に現れた小高い山は「荒巻山」だと思います。
個人的にはあまり馴染みのなかった「荒巻山」という名前ですが、色々調べていると、昔から市街地と手宮方面を隔てていた山として、よく名前が出てきます。
投稿: 小梅太郎 | 2015年6月 3日 (水) 23時17分
こんにちは。小梅太郎さん、お久しぶりです。手宮ネタ、ありがとうございます。十間坂の写真見て、思い出したのですが、道路面に、雨水や雪溶水を路肩に流す様、斜めに溝切がされてるのが懐かしく感じました。手宮地区では、本田沢通り(末広町と梅ヶ枝町の境界)から手宮小学校に上る坂や、その対面の梅ヶ枝町の野藤坂(のとざか)、手宮仲通りから梅ヶ枝町に抜ける豊川町の急坂にあった記憶があります。坂を上る時は良いのですが、下る時はツマヅキ注意です。
投稿: dch-master | 2015年6月 4日 (木) 09時16分
dch-masterさん、こんばんは。
手宮には時々行くのですが、今回はじっくり歩いてみました。
あの道路面の斜めの溝は、そういう役割があったのですね!
いや〜、知りませんでした。他にもあるのですね。今度注意して見てみます。
滑り止めかなんかかな〜、って思ってましたが、確かに、よそ見してたらつまずきますね(^-^;
それにしても、「本田沢通り」とか「野藤坂(のとざか)」とか、色々名前がついてるんですね。初めて聞く名称です。
投稿: 小梅太郎 | 2015年6月 5日 (金) 01時13分