住ノ江の火の見櫓の修繕工事が行われて綺麗になった姿を見せています
住之江会館前の緩やかな坂道沿いに建つ、1927年(昭和2年)建設の火の見櫓の修繕工事が行われて、綺麗になった姿を見せています。
この住ノ江の火の見櫓は築96年ということで、老朽化が進んで倒壊の恐れも心配され、費用負担の面からも保存・維持は困難とのことで、2022年冬に一旦解体の方針が決まったというニュースがあったんですが、それを受けて2022年3月に有志による「小樽住ノ江の火の見櫓をまもる会」が設立されました。
小樽住ノ江の火の見櫓をまもる会が同年6月に無償で譲り受けて管理することになり解体は免れ、その後保存のために様々な活動を行い、今回費用を確保して修繕工事が行われることになったんですね。
工事は2023年9月18日(月)〜30日(土)の期間で行われ、期間中は足場が組まれて、工事途中で私が見に行った際には、全体がシートで覆われてました。
工事は鉄骨の傷みが大きい部分の補修・補強と塗装工事が行われたということです。
鉄骨は元々の銀色に塗り直されてます。錆落とし、錆止め、下塗り作業と進み、上塗りは銀色を2回塗りし、屋根と風見は錆色を再現してこげ茶(風見の羽根はシルバー)になっているそうです。
※参照:小樽住ノ江火の見櫓(@suminoe_yagura)(X/旧Twitter)
(工事後)
この修繕工事については、2023年9月23日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄にも掲載されていたのですが、耐震性に関しては問題ないとのことです。
地域の目印にもなっているこの住ノ江の火の見櫓は、鋼鉄製で高さ14mあります。1927年(昭和2年)建設で、施工は地元の中嶋鉄工所。1986年(昭和61年)に住之江会館の建て替えに伴い、山側の現在の場所となったそうです。
左横にある銘板は昭和61年の移設の時のもので、さらに上にある銘板には施工者が記されています。
現在では歴史的にも火の見櫓自体が珍しく、さらに戦前に完成したこの住ノ江の火の見櫓は、戦時中の金属供出を免れた鋼鉄製という点でも珍しく、見張り台に残る半鐘も貴重とのことなんですね。
今後は地域の財産として、知名度の向上などに取り組みたいとのことで、将来的には国の有形文化財登録を目指して活動を続けるとのことです。実際に登録有形文化財となった火の見櫓は、全国に数基あるそうですよ。
ちなみに、以前はこんな感じでした(以下、2023年7月20日撮影です)。
これがこうです。
(ちょっと色が分かりにくいので、また天気の良い日に撮ってきますね)。
ということで、住ノ江の火の見櫓の修繕工事が行われて、銀色に綺麗になった姿を見せています。今後も長く保存されていくといいですね。
【関連記事】
・住ノ江の火の見櫓〜「小樽住ノ江の火の見櫓をまもる会」が保存のために活動中
・小樽の歴史的建造物や文化財の保存、活用に取り組む3団体が連絡協議会〜塩谷桃内まちづくり推進委員会、小樽住ノ江の火の見櫓をまもる会、朝里遺産の会
・ニュースより/住ノ江の火の見やぐらが保存されることに
・ニュースより/解体方針の住ノ江の火の見やぐらを住民有志が保存に向けて動きだす
・ニュースより/住ノ江の火の見やぐらが老朽化で解体へ!?
・住ノ江町の坂と火の見やぐら
最近のコメント